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いきなりお風呂って普通なの?【凌】01
しおりを挟む付き合って、ちょうど一年。
記念にお泊まり旅行はどう? そう言い出したのは、颯斗の方だった。
僕と颯斗は男同士のカップルだ。
僕はいわゆるゲイだけど、颯斗はノンケ。バイなのかもしれないけど、男と付き合うのは僕が初めてだって言ってたから、その辺りがどうなのかはわからない。
颯斗は僕の彼氏にはもったいないぐらいのイケメンだ。
ふわふわのゆるいパーマのかかったメッシュ入りの茶髪。そんなおしゃれな髪型が自然に似合うんだから、誰から見たってイケメンに違いない。
整った顔は少し近寄りがたさを感じそうなものなのに、笑うととても人懐こい印象でそれが何だか犬っぽい。犬種でいうとゴールデンレトリバーかな。
性格も明るく楽しくて、一緒にいる人をまとめて幸せにしてくれるようなムードーメーカー的な存在、それが颯斗だった。
対して僕は学内でもあまり目立たないタイプだ。
一度も染めたことのない黒髪。清潔感は保っているつもりだけど、長い前髪で目元はいつも隠している。小柄なのにいつも猫背で、下ばかりを向いていた。
暗く見えるのはわかっている。でも、あまり目立ちたくはなかった。
自分の容姿に自信がないのもある。でも、一番の原因はやっぱりそのセクシュアリティだ。男が男を好きになるということにだいぶ世間が寛容になったとはいえ、僕はまだ胸を張ってそれを言える勇気を持ってはいなかった。
そんな僕と颯斗が一年も付き合っていられたのは、奇跡みたいなものだった。付き合うことができたのだってそう……いろんな偶然が重なって起きた奇跡でしかない。
人数合わせで参加したコンパで、緊張のあまり間違ってお酒を口にした。それが生まれて初めて口にしたアルコールで、僕は思いのほか酔っぱらってしまった。
その時、僕を介抱してくれたのがコンパの主催の一人だった、颯斗だった。
僕は大学に入ってからずっと、颯斗に片想いをしていた。告白するつもりなんて全くなかった。ただ、見ているだけで満足だった。
なのに、優しくしてもらったことと、初めて飲んだお酒の勢いで思わず「好き」と言ってしまったのだ。酔っ払いの戯言なのに、颯斗はそれを真摯に受け止めてくれた。俺と付き合いたいの? って優しい声で聞かれて、僕は泣きながら「うん」と頷いた。
僕らの付き合いは、そんな始まりだった。
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