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よんぴーって何のこと?【凌】02
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「な、なにして」
「柔らかーい。やっぱり準備万端なんだ。じゃあ、あとは体を綺麗にするだけだねー」
ほらほらー、と今度こそシャワールームの中に押し込まれた。顔は可愛いのに、力は僕よりも強いらしい。
シャワールームに僕を押し込むと、志乃くんはガラス越しにふりふりと可愛らしく手を振り、反対側のジャグジーの方へと行ってしまった。僕は放心状態のまま、その背中を見送る。
シャワーを頭から浴びても、その思考がはっきりとすることはなかった。
*
「じゃあ、志乃くんは秋也と付き合ってるんだ?」
ようやくその話ができたのは、二人でジャグジーに入っているときだった。
志乃くんは少しのぼせたのか、ジャグジーの縁に腰を下ろしている。確かに、これは少し熱いかもしれない。
「そうだよー。凌ちゃんは颯斗くんともう一年になるんでしょ? すごいねー」
「知ってたんだ?」
「そりゃあ知ってるよ? 取り巻きが教えてくれたからね」
取り巻き……あれか。いつも志乃くんの周りにいる人たち。
志乃くんの周りにはいつも三~四人の取り巻きがいた。全員男子だ。しかも、その顔触れはいつも少しずつ違う。
志乃くんも僕と同じでゲイだ。僕と違ってオープンに「自分は男しか好きにならない」と言っている。それに―――ビッチだという噂もあった。
学内でも決して褒められたことではない行為をしてる、とか。
その噂のことはたぶん本人も知っているだろう。けど、否定もしていないそうだ。
―――確かに軽そうな見た目だ。
僕が知っている志乃くんと今の志乃くんは、随分と印象が変わっていた。
大きい目と可愛らしい顔はそのままだけど、真っ黒で綺麗だった髪はミルクをたっぷりいれたカフェオレのような淡いブラウンに染められている。耳にもピアスがいくつか開いていた。
表情だって昔に比べて随分と軽薄そうなイメージだ。昔は僕と同じように、教室の隅でこっそり本を読んでいるのが似合うタイプだったのに。
見た目も中身も、僕が知っている志乃くんとはまるで別人のようだった。
「……志乃くんたちは、いつから付き合ってるの?」
「んー? オレとシュウ? 先週からだよ」
「ってことは、付き合い始めてまだ一週間?」
「正確には三日、かな? 今日のこれがね、初デートなんだー」
「え?」
「初デートなんだから特別なところに連れてって、ってシュウに言ったらさ。ここに連れてきてくれたんだよ。すごいよねー。別荘とか超特別じゃん」
志乃くんはそう言ってニコニコしてるけど、僕は驚きに目を見開いていた。
付き合って初めてのデート。それってすごく大事なんじゃないの? それなのに、こんな風に僕と颯斗が一緒にいてもいいんだろうか。
……邪魔ではないんだろうか。
「あ、それはねー。オレからお願いしたの。4Pがしたいって」
「よんぴー?」
「柔らかーい。やっぱり準備万端なんだ。じゃあ、あとは体を綺麗にするだけだねー」
ほらほらー、と今度こそシャワールームの中に押し込まれた。顔は可愛いのに、力は僕よりも強いらしい。
シャワールームに僕を押し込むと、志乃くんはガラス越しにふりふりと可愛らしく手を振り、反対側のジャグジーの方へと行ってしまった。僕は放心状態のまま、その背中を見送る。
シャワーを頭から浴びても、その思考がはっきりとすることはなかった。
*
「じゃあ、志乃くんは秋也と付き合ってるんだ?」
ようやくその話ができたのは、二人でジャグジーに入っているときだった。
志乃くんは少しのぼせたのか、ジャグジーの縁に腰を下ろしている。確かに、これは少し熱いかもしれない。
「そうだよー。凌ちゃんは颯斗くんともう一年になるんでしょ? すごいねー」
「知ってたんだ?」
「そりゃあ知ってるよ? 取り巻きが教えてくれたからね」
取り巻き……あれか。いつも志乃くんの周りにいる人たち。
志乃くんの周りにはいつも三~四人の取り巻きがいた。全員男子だ。しかも、その顔触れはいつも少しずつ違う。
志乃くんも僕と同じでゲイだ。僕と違ってオープンに「自分は男しか好きにならない」と言っている。それに―――ビッチだという噂もあった。
学内でも決して褒められたことではない行為をしてる、とか。
その噂のことはたぶん本人も知っているだろう。けど、否定もしていないそうだ。
―――確かに軽そうな見た目だ。
僕が知っている志乃くんと今の志乃くんは、随分と印象が変わっていた。
大きい目と可愛らしい顔はそのままだけど、真っ黒で綺麗だった髪はミルクをたっぷりいれたカフェオレのような淡いブラウンに染められている。耳にもピアスがいくつか開いていた。
表情だって昔に比べて随分と軽薄そうなイメージだ。昔は僕と同じように、教室の隅でこっそり本を読んでいるのが似合うタイプだったのに。
見た目も中身も、僕が知っている志乃くんとはまるで別人のようだった。
「……志乃くんたちは、いつから付き合ってるの?」
「んー? オレとシュウ? 先週からだよ」
「ってことは、付き合い始めてまだ一週間?」
「正確には三日、かな? 今日のこれがね、初デートなんだー」
「え?」
「初デートなんだから特別なところに連れてって、ってシュウに言ったらさ。ここに連れてきてくれたんだよ。すごいよねー。別荘とか超特別じゃん」
志乃くんはそう言ってニコニコしてるけど、僕は驚きに目を見開いていた。
付き合って初めてのデート。それってすごく大事なんじゃないの? それなのに、こんな風に僕と颯斗が一緒にいてもいいんだろうか。
……邪魔ではないんだろうか。
「あ、それはねー。オレからお願いしたの。4Pがしたいって」
「よんぴー?」
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