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《莉兎視点》
本能と理性の狭間 01
しおりを挟むコウキは逃げてくれなかった。
それどころか、身体を繋げた後も莉兎の本能をさらに煽ってくる。
自分がどれだけ危険な状況にあるのか、自覚していないのだろうか。
「ひ、ぁあ……っ! ん、ぐぁあ――ッ」
聞こえてくるのは喘ぎではなく、もはや悲鳴だ。
その声を聞くたびにぞくりと震えが走る。もっと聞きたいと願ってしまう。
苦痛に歪む顔にたまらなく興奮する。
「可哀想……でも、可愛いね。コウキ」
赤く腫れあがった瞼も、どろどろになった顔も――、愛おしくて仕方ない。
頬を流れる涙に口づける。舌先でぺろりと舐めると、コウキがひくんと身体を揺らした。こんなにひどく扱っても、きちんと快楽を得ているようだ。
従順で健気なのは身体も同じらしい。
「気持ちいいね」
「ん……ぅ」
最初は逃げようとしたコウキも、今は全くそんな様子はなかった。
StayのCommandで縛ったのは最初だけ。その後にはきちんと褒めてやり、今はそのCommandも解除している。
だから自由に動けるはずなのに、コウキはそうしない。
嫌だ、怖いと口にするものの、その腕は必死に莉兎にしがみついてくる。自分を責める相手に縋ろうとするなんて、いったいどういう思考なのだろうか。
――被虐性が染みついてるのかな。
痕が残るほどの裂傷に耐えたコウキだ。このぐらいは平気なのかもしれない。
細い足を肩に担ぎ、後孔が見える位置まで身体を持ち上げる。めいっぱいに広がったそこは健気に莉兎の昂りを根元まで咥えこんでいた。
ここを初めて貫く瞬間は心が震えた。
手加減なく最奥まで穿ったそこはもう、すっかり莉兎の形になっている。
「ここ、もっと可愛がってあげるね」
広がった孔の縁に指を滑らせながら、トントンと奥を突く。悲鳴と呻き声が混ざったようなコウキの喘ぎに、また中心に熱が溜まっていくのを感じた。
既に二度、コウキの中に放った後なのに莉兎の欲はとどまるところを知らない。ウサギは絶倫だというが、自分もそうだったのだろうか。
Domとしての欲が強いことは気づいていたが、性欲まで強いとは考えたことがなかった。初めて知る己の身体の真実に驚きつつも、内側から荒れ狂う情欲を抑えることはできない。
「……リ、ウ」
「なぁに? もうやめてほしい? セーフワードを言ってもいいよ」
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