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《莉兎視点》
本能と理性の狭間 03
しおりを挟む意識を失ったコウキの身体を貪るように抱く。
虚しい気持ちに襲われそうになるたび、それを上書きするようにDomの本能が熱を持った。
白濁が泡立つほどにナカを掻き回し、意識を失ったコウキがなお苦痛に顔を歪めるほど奥に強く穿つ。
肩や胸にいくつも噛み痕を残しながら、その身体を味わった。
その首に絞めた痕はついていない。なんとか指に力を入れることだけは堪えたからだ。
殺してしまうかと思った――今度こそ、本当に。
それなのにDomの熱はさらに高まって、莉兎の情欲は果てしなく燃え上がった。
体位を変えつつ何度もコウキの中に放ち、ようやくその熱が治まりはじめた頃には抱き始めてから数時間が経過していた。
コウキは途中何度か意識を取り戻したようだったが、今はまた静かになっている。
上半身を崩した四つん這いで自分に抱かれるコウキの背中を見下ろしながら、最後の精を奥に放つ。硬さを失った中心をナカから抜き去ると、腰を支えていた手を離した。
「……っ、んぅ」
身体が崩れ落ちる直前、掠れた小さな呻き声が聞こえた。てっきり意識がないと思っていたのに、コウキが小さく身じろいだことに驚く。
ベッドに倒れ込んだ衝撃で開きっぱなしになった後孔から、こぷりと白濁があふれた。
尻の谷間に伝うそれに視線を奪われていると、コウキがゆっくりとした動きでこちらを振り返った。
赤く腫れた瞼の隙間から、莉兎のほうを真っ直ぐ見つめている。
――意識があったのか。いつから?
てっきり意識がないものだと思っていたのに、どうやら目を覚ましていたらしい。
驚きに声が出せなかった。
「どうか、した……?」
そう問いかけるコウキの声はひどく掠れていた。
当たり前だ。あれだけ悲鳴ばかり上げさせたのだから。
「いや、意識があるとは思ってなかったから……起きられる?」
「ん……」
一度は頷いたものの、コウキはうまく動けないようだった。
申し訳なさそうに眉尻を下げているが、悪いのは莉兎だ。コウキに謝る必要など少しもない。
じっとコウキの顔を見つめる。
目が合うと、コウキが嬉しそうに目を細めた。莉兎もできるだけ優しい表情でコウキに向けたつもりだったが、うまくできているかわからない。
内心は戸惑いでいっぱいだった。
どうしてそんな顔ができるんだろう。てっきり怯えられると思っていた。恐れられると思っていたのに。そんな安心した表情を向けられるなんて、想像もしていなかった。
おそるおそるコウキの頭に手を伸ばす。
莉兎が触れても、コウキは怯える素振り一つ見せなかった。それどころか、もっとと言わんばかりに手に頭を擦り寄せてくる。
健気で可愛いSubの姿にDomの欲求が満たされるのがわかる。
不安に感じていた気持ちがあたたかいものに塗り替えられていく。
とろりと微笑むコウキにつられて、莉兎の表情も自然と綻んでいた。
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