天然が側にいて、日々疲弊しています。

ソフィア

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真琴side②

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その日私は盛大に寝坊した。
"真琴!!あんたいつまで寝てんの!さっさと起きな!"
「あー、わかった……」
母の声で目覚めて時計を見ると、舞奈美との待ち合わせ時間まで残りわずかだった。
「やば!電車間に合わない!!今日部活見学舞奈美とするんだった!!」
プルルル…プルルル…
「もしもーし。真琴まだー?」
「ごめん!寝坊したわ!電車間に合わないかも!!」
「えぇー。なるべく早く来て!間に合うかもだし!」
「おけ。じゃあ切るね!ほんとごめん。」
「いいよー、珍しいね。真琴が寝坊なんてー。」

ご飯も食べずに家を飛び出し、駅へ向かうと、舞奈美が私に向かって手を振っていた。
「真琴!!こっちこっち!急いでー!あと2分だよー!間に合うよ!」
「ハァハァ…。あと2分?無理じゃない?私達、まだ駅の外だよ?1本遅らせていかない?それでも十分間に合うし…。もう走れないや…。」
正直、全力疾走してきて、体力がなかった私は、時間的には部活見学に間に合うため、電車を1本遅らせていきたかった。
だが、舞奈美はとても不思議そうな顔をしていた。
「え?間に合うよ!大丈夫!!ほら、走って!!」
遅れて来たのは私だが、なぜそんなに間に合う自信があるのか分からなかった。しかし、グイグイと引っ張られて、私はむりやり走るしかなかった。
駅のホームにつくと、電車のドアがしまろうとしていた。
"ドアが閉まります。ご注意ください。"
「ほら…舞奈美、間に合わないよ。次のでいこう?」
「大丈夫!間に合うよ!!」
(えっ…?どう見ても間に合わないよね?)
そう思った次の瞬間、舞奈美は、締まりかけているドアに向かって走り出した。
ガンッ…ピーピー。
「ほら!真琴!早く!こっち来て!」
そう言っている舞奈美は、顔の両側面をドアに挟まれていた。さらに、ドアは閉めようと何度も舞奈美の顔にぶつかっていた。
「………。」
(わ、笑いすぎて…動けない…。そもそも、なんで、締まりかけてるドアに、飛びこんだんだ…。)


「何してるのー!笑ってないで、早く来て!!」
ホームにいる私を見て喋ろうとしたため、今度は後頭部と顔の真正面をドアに挟まれていた。
「………わ、笑いすぎて動けない…。」
普通、頭より先に体が挟まれるはずなのに、何故か頭だけが挟まっている姿が余計に面白くて笑いが止まらなかった。
「え?どういうこと?いいから真琴きてよぉ!」
そこへ駅員さんが来て、
"大丈夫ですか!?何がおこったんですか!?"
と言って、ドアを開けてくれた。おかげで、私も舞奈美も電車に乗れた。
"クスクス…クスクス…"
至る所から微かな笑い声が聞こえて、私は恥ずかしすぎて立ったまま顔があげられなかった。
「ね!真琴、乗れたでしょ?」
そう満足気に言う舞奈美を見て、私はその場に手をついて項垂れるしかなかった。
(恥ずかしいのは、私だけか!!)
そして、私は疑問に思うことがあった。たとえしまりかけていたドアに挟まれずに乗れたとしても、舞奈美しか乗れなかったはずである。そうすると舞奈美は、最初から挟まれる気だったのだろうか…。それとも、2人とも乗れると思っていたのだろうか…
どちらにしろ、天然の恐ろしさを感じた日であった…。




真琴の苦労は続く…
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