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木漏れ日の中で。

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ここは海がよく見える。今は夏休み。親戚の家に遊びに来たの。

私は優菜。13歳。
今日は予定がないから1日家にいて、親戚のお手伝いをする予定だった。
でも、親戚のおばさんが外にいって遊んできても良いよって。さっそくワンピースに着替えて外に出た。この場所は、目の前が海、家の裏手が山、と素敵な環境が整っている。今日は裏山に行こう。
そう思った私は、裏山に行った。
山はとても空気が澄んでいて、どこにいるよりも居心地が良かった。
山に来て深呼吸をすると、とても心が穏やかになる。
太陽が心地が良いほどに光を照らしていて、こんな日はうたた寝をしたくなる。








、、、あ、寝てしまった、、、。
起きなきゃ、、、。 
その時、目の前が暗くなり男の子が現れた。驚いた私は、おもわず声を出してしまった。
「あ、あなたは誰❓」
すると目の前の男の子はふふっと笑って私の周りをぐるりと一周した。

「あなたは妖精なの❓」
現実なのか夢なのか分からない世界で私は聞き返した。
すると男の子は、私に手招きをしながら微笑み返した。
気になった私は、男の子について行った。


歩いて何分経ったのだろう。着いた場所は現実とかけ離れたように明るく、居心地の良い場所だった。
この時私は、現実か夢かなんて考えるのを辞めた。生きてさえいれば大丈夫、と。。。

この場所の生活は楽しかった。男の子と何時間も駆け回ったり、お昼寝したり。

たまに親戚の家の事が頭に浮かぶのだが、男の子と遊んでいると忘れてしまう。





何日経ったのだろう。この世界は不思議だ。お腹も空かない、喉も乾かない。
寂しさなんて一つもない。
私が今着ているお花柄のワンピースや、頭に着けている花冠を馬鹿にされる事もない。


いつからか、私の中で男の子とずっと一緒に居たいという感情が芽生えていた。

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