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二章 ロッツガルド邂逅編
姉妹の目覚め
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五巻収録部のダイジェストその1です。
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深澄真のロッツガルド入りを皮切りに、クズノハ商会の面々が忙しく動き始めた頃。
辺境都市ツィーゲ。
この街もまた一層発展の速度を上げていた。
それは窓から街の様子を眺める男、レンブラント商会代表のパトリックが浮かべている満足気な表情からも見て取れた。
だが、この日は普段の彼の様子からするとやや様子が違った。
どこかそわそわとして落ち着きがなく。
けれど期待に満ちた。
例えるなら祭りの日に夜を待つ子供のような雰囲気である。
そんな彼の部屋にノックの音が響く。
「入れ!」
目を大きく開いたパトリックが間髪入れずに入室の許可を与えた。
「失礼致します、旦那――」
「モリス!」
入ってきた執事、モリスの言葉を遮って彼の名を呼ぶパトリック。
対して、長い付き合いであるモリスは一瞬苦笑を浮かべ、後に満面の笑顔で主に頷いて見せた。
「すぐに、参られます」
「そうか! そうか!!」
「……まこと、長うございましたなあ」
「これも彼のおかげだ――!」
感慨深くこれまでを振り返ろうとするモリスに、大きく頷いたパトリック。
彼がここにはいない誰かへの感謝を口にしたその時。
ツィーゲで実質最も力を持つ商人、パトリック=レンブラントはその口を閉じた。
侍女に付き添われて新たに入室してきた三人を見てのことだった。
この瞬間、彼は頭の中で思い浮かべていた考えを全部投げ捨てた。
彼女たちの言葉を待ち、自分が言葉を述べ、一人一人順番に抱きしめて……。
パトリックはそんな流れにするつもりでいた。
「リィィサァァーー!! ジィフッ! ゥーーノォーー!!」
太く良く通る声で彼が叫んだのは愛しい妻と二人の娘の名。
体は既に動き出していて、部屋に入って数歩の場所にいた三人に向けて突進し、妻と娘たちまとめて抱き締めていた。
一瞬で顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになり、普段の彼を知る者なら唖然とするか悶絶するだろう、つまりとても見られない代物になっている。
そもそも妻の名であるリサはともかく、二人の娘、シフとユーノについてはまともに呼べてすらいない。
大商会の代表としての貫禄はゼロになっていた。
リサは自身に抱きついて泣いている夫を見て、こちらも泣き出しそうな笑顔で応じている。
シフとユーノは若干恥ずかしさを浮かべながら、それでも満更ではない笑顔を浮かべていた。
レンブラント一家に何年かぶりに訪れた幸せの瞬間であり、一番それを待ち望んでいたパトリックが無様を晒したのも仕方ない事とも言えた。
部屋の外で待機している侍女の中は涙を浮かべている者か、喜びで笑顔を隠しきれない者のどちらかであったし、部屋の中にいたモリスは不動でありながら感無量の表情で主人とその家族の抱擁を見つめていた。
パトリックは一向に抱擁をやめる様子もなく、妻や娘を見ながらこれまでの事をそれはもう言葉にもならない言葉で延々と語っている。
最早、最初のプランだとか計画だとかは全く消し飛んでいた。
「あ、あなた。そろそろ……」
侍女の表情は苦笑に変わっていき、妻は困った様子に、娘二人の表情は少々うんざりした顔に変わりつつあってもなお、パトリックは止まらない。
この日の為に彼が作らせた三人のドレスは既に揉みくちゃにされて涙なども多々ついてしまっている。
モリスがいつ止めに入ろうか、と真剣に考え始めた頃。
ようやくそれなりに聞き取れるレベルになったレンブラント商会代表の言葉に、リサ、シフ、ユーノ、三人の顔が揃ってぴくりと反応した。
「……あなた。今なんて仰いました?」
「お父様? 私も詳しく聞きたいと思いました」
「ねえお父様。もう一回言ってくれない? ボクの聞き間違いかもしれないから」
全員が聞き返してきた事でパトリックも一度言葉を止めた。
そして弱まった抱擁を三人が優雅な所作でほどくと、妻と娘は彼を見つめ返した。
「ん。今か? そうそう、今夜は早速盛大に皆を集めてだな」
「その前です、あなた」
「その前? おお、おお! この日に至るまでの忌まわしい事件とお前たちの様子は何人もの絵師に描かせ、今仕上げさせている所だ。お前たちが如何に苦しい試練を乗り越えこうして立っているのかを、決して忘れぬ為にな」
「……っ」
「っ!?」
「っっ!?」
「無論、それを入れる額も、部屋も一流の職人に作らせているぞ。なあ、モリス!」
「はい、旦那様。レンブラント商会に降りかかった最大にして最悪の不幸が如何にして大団円を迎えたか。二十枚の連作でございます」
「流石にそれだけで展覧会はやらんが、次にツィーゲで大きな絵画展でもあれば、その時にうちの権限で特別コーナーを作らせてだな――!?」
パトリックとモリスが、レンブラント商会に降りかかった呪病事件とその顛末を絵にしている件を嬉しそうに語る。
男二人が盛り上がる中、部屋の外まで聞こえたその内容を聞いた侍女はどん引きの表情で「うわぁ……」とか「あぁ……」とか口に手を当てて嘆いていた。
そして主役ともいえる妻と娘はと言うと……。
「あなた、それはまさか、私とシフとユーノの姿を絵にした、ということではありませんよね?」
「いくら何でも違いますよね?」
「……」
リサは夫に最終確認をした。
シフは父親の暴走をほぼ確信しながらわずかな希望に懸けた。
ユーノは、全部悟って沈黙した。
「何を言っている! 主役はお前たちだぞ! ライドウ殿の登場から回復までの五枚はほぼ回復していくお前たちの姿を……、ん、ど、どうしたお前たち。まさかまだ体調が!?」
「ええ」
「はい」
「今なったんだけどね」
リサは有罪判決をした。
シフも有罪判決をした。
ユーノはもう有罪にしていた。
「な、なんだ? 怒っているのか? どうしてだ?」
パトリックは混乱した。
妻と娘はため息をついている。
「モリス、貴方がついていてどうしてこうなるんです」
「治ったばかりなのに、また倒れそうよモリス」
「せめてお父様の暴走をマイルドにしてよモリス」
「……は。え、あの、何かまずかったでしょうか?」
三人の冷たい目はモリスに向いた。
モリスはまだパトリックに感染している。
事態が飲み込めていない。
モリスも有罪になった。
「……ふぅ。残念ですけれど、あなた、モリス。そこに正座」
「おお?」
「は、はい」
「単刀直入に聞きますね。素直に答えて下さいまし。……絵はどこです?」
リサはとても冷たい目で尋問した。
健在であった頃の彼女を思い出してパトリックは感無量になり、また涙をこぼしそうになった。
が、少なくとも彼女の怒りを把握したモリスが脇腹をつついた事で踏みとどまり、尋問に応じる。
「描き上がったものか? それともまだ描かせている最中の――」
「りょ・う・ほ・う!」
リサではなくシフの力強い言葉がパトリックの言葉をぶった切った。
「一体どうしたんだ、お前たちは。納品済みのものは家の二番倉庫だ。まだ描き上がってないものは絵師の工房だから……あれはどこだった、モリス?」
「彼の工房はレニー通りの職人街です。直接のやりとりはマルタが担当しておりますので詳細な住所は彼が」
「彼って……。描いたの男なんだ。あぁ……もう……!」
ユーノが頭痛に苦しむような仕草で部屋の外に出て侍女に何事か伝える。
侍女は真剣な表情で聞き取ると、スカートをまくって全速力で廊下を駆け出していった。
「まさか、お父様。ライドウ様もそれを見ていないでしょうね?」
シフが何かに思い至ったようにとある人物の名をあげる。
それは、彼女らにとって恩人の名だ。
醜く、人外ともいえる姿になり果てた姿を見られた数少ない人物でもある。
既に見られたのだから今更構わないではないか、とは当然ならない。
なるわけがない。
むしろ余計に見られたくないというのが三人の心情だった。
これがライドウならば、自身の大抵の姿なら誰に見られても別に構わない、となったのだが。
「いや、彼がロッツガルドに発ってから仕上がったものが殆どだからまだ一枚も見せてはいないな。今頃はロッツガルドで臨時の入学試験をやってもらっている頃だと思うが……」
「ほっ」
誰かの安堵の吐息が漏れた。
リサもシフもユーノも頷いている。
「お嬢様がたのお望みでもありましたから。彼ならば落ちる事はありますまい」
モリスも主人の言葉を肯定する。
「あの、申し訳ございません。少々よろしいでしょうか?」
「……なんだ? そのまま言え」
家族の集まる部屋に異なる声が響く。
空気を読めと思いながらも、パトリックはドアの向こうに用件を言うよう促した。
入室の許可は与えなかった。
勿論、正座をしたままだったからである。
「クズノハ商会の巴様より、伝言を預かっております」
「巴殿から? どうして来てもらわなかった。クズノハ商会の者なら通してもよいと伝えてあるだろう?」
「今日は家族の祝いの場だろうから言づてで構わないと、早々にお帰りになりました。ただその言づてが少々気になりましたので……」
「続けなさい」
一旦言葉を区切った使用人にリサが声をかけた。
「は、はい。レンブラント氏の粋な心遣いに感謝する。主ライドウは無事にロッツガルドに到着し、“臨時講師として”無事に採用された、とのことでした」
『……』
沈黙。
室内にいた五人は、揃って沈黙した。
理由は簡単だ。
非常におかしな単語が伝言に含まれていたからである。
「こう、し?」
シフがしばしの沈黙の後、何とか言葉を発した。
「うん、そう言ったね」
ユーノが姉の言葉に頷いた。
パトリックとモリスはポカンとしている。
リサは静かに肩を落とした。
「……どういう、ことですか?」
「いや、何がどうなったのか」
「皆目見当も」
間の抜けた返答で、リサの目に強い光が満ちた。
「試験の書類の手配をしたのは!?」
静かにモリスが手を挙げた。
「書類をまとめたのは!?」
またもモリスが手を挙げる。
「最後にそれを確認したのは!?」
パトリックが恐る恐る手を挙げた。
二人を見下ろす三人が、互いを見てアイコンタクトで全てを決定した。
「まさか、こんな祝いの日に世にも珍しいうっかりモリスを見ることになるなんて思ってもいなかったけど」
とシフ。
「命の恩人に。こちらがお願いして学園に通って頂こうという話の筈でしたのに」
とリサ。
「なんでそれが学生じゃなくて先生になってるの!」
最後はユーノ。
「二人とも。諸々まとめて……覚悟はよろしいわね?」
そして母がまとめた。
不穏な、しかし抗いがたい威圧の空気が部屋に満ちる。
「ま、待て! どう考えてもおかしいだろう!? もし我々が用意した書類に手違いがあったとしてもだ! ライドウ殿や彼の従者がその旨を確認した段階で、学園に対応を求めたり私の所に連絡が来るのが普通だろう!?」
「いくら何でもただ諾々と講師の試験を受けて、しかも採用など、わ、わけがわかりません!!」
「学園とて、突然入学試験の受付に事務室を訪れたりしたら書類の種類が違うと気がつくはず!」
「推薦状まであるのにそんな馬鹿な!」
パトリックとモリスはチェックがまともに働いていない不思議と、試験結果の不思議に次々と言い訳を始める。
しかし、そんなものに効果は……清々しいほどに全くなかった。
外の様子に気付いたユーノが少しだけドアを開け、何度かやりとりをすると手紙を一通手にして部屋に戻ってきた。
再び、ドアは閉められた。
「……へえ。この時期に元々集まっていた講師試験の行列に何日も従者の人が並んだんだって。その後受付で推薦状を見せて、そっか、その後もまた待たされて。……っ!? “色々”あって結局実技のみの試験を通過して、臨時講師になった!?」
手紙は、内容からしてライドウの試験について語っているもののようで、クズノハ商会かライドウからのものだとパトリックとモリスにも推察できた。
「……お父様。不思議ですわね。まるで推薦状の効果がないような報告のようですけれど?」
「いや、間違いなくレンブラント商会からの推薦状は渡した。間違いない」
「……今は、臨時講師の募集時期でもあったようですけど、こちらは?」
「……そ、そこまでは把握していない。臨時の入学受付だから推薦状を添えたのであって。断じて講師に推薦したわけではないぞ」
「ライドウ様、色々って書いてるけどさ。ボクが知る限り。ロッツガルドの講師試験で実技のみって、最高中の最高難易度だよ。なんで推薦状を持ったあの方が何日も並んだ挙句一番難しい試験を受ける事になってるの? 思うんだけどこれって恩返しどころか、物凄い嫌がらせだよね?」
まさにその通りである。
ライドウ以外の従者面々には納得の講師試験だったが、ライドウにとってはそこに至るまでの流れは極めて不本意であったことだろう。
「なぜだか従者の方には喜ばれているようですし、あなたは、私と娘たちと、そしてあなた自身の恩人でもあるライドウ様に対して……何を企んだのですか?」
凍てつく波動を全身から吹き出す三人の最愛の家族に対して、パトリックはぶんぶんと首を横に振るばかりだ。
「よからぬ事は、何も企んでおらん! むしろ全力でサポートしている! 彼は私にとっても恩人なんだぞ!? 大体、ユーノ! パパ宛ての手紙を当然のように開封するのはどうかと思うぞ!!」
「……どうして、こうなったのか」
足掻くパトリックと悟ったモリス。
こうして、二人は深く深く反省することになった。
その夜開催された祝いの席に、パトリックとモリスの姿はなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ライドウの手紙(要約)
レンブラントさん、お元気でしょうか。
私を学園に推薦して頂き、ありがとうございました。
おかげさまで私はロッツガルドで順調なスタートをきることができております。
まさか講師として推薦していただいていたとは気付かず、従者に注意を受けることもありましたが……。
実技のみの試験というのは私には合っていたようで、週に一コマの講義を担当できることになりました。
こちらではもう一人、私に使えてくれている識という従者に頼りながら頑張っています。
次にそちらに戻る際、彼の事も紹介させて頂きますね。
そうそう、最近通うようになった店も出来まして、そこの鍋料理というものは是非一度レンブラントさんにも味わってほしい興味深い美味です。
なんとか作り方も覚えて戻りたいと考えているところです。
ところでここロッツガルドとツィーゲは遠く、そちらに残した巴と澪が何かとご迷惑をおかけすることもあるやもしれません。
できる限りの恩返しをするつもりでレンブラントさんとレンブラント商会の従業員の方々に接するように、と申し伝えてはあるのですが情けないながら彼女たちに目が届かぬ部分も多々あるのが私の現状です。
己の未熟を棚にあげてレンブラントさんに頼らせてもらう、随分と甘えた事だと恥じるばかりです。
しかしどうか、やむえぬ事情であの二人がご相談に上がった時には、話だけでも聞いてやってもらえませんでしょうか?
よろしくお願い致します。
追伸。
奥様とお嬢様のお加減はいかがでしょうか?
順調に回復しておられるとは聞いているのですが、一日も早く日常に帰ることができるよう祈っております。
あの……最後にひとつお聞きしたいのですが貴族や大きな商会では早婚がはやっているのでしょうか?
参考までにレンブラントさんのご結婚の時期や当時の女性関係など、差し支えない範囲でお聞かせ願えないでしょうか。
また次にお会いした時にでも、よろしかったら。
本当に大したことではないのですが少々混乱していることがありまして……。
それでは、レンブラントさんもお体に気をつけて。
ロッツガルドから、クズノハ商会代表ライドウ=ミスミより
************************************************
長らく更新が滞ってしまい、申し訳ありません。
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深澄真のロッツガルド入りを皮切りに、クズノハ商会の面々が忙しく動き始めた頃。
辺境都市ツィーゲ。
この街もまた一層発展の速度を上げていた。
それは窓から街の様子を眺める男、レンブラント商会代表のパトリックが浮かべている満足気な表情からも見て取れた。
だが、この日は普段の彼の様子からするとやや様子が違った。
どこかそわそわとして落ち着きがなく。
けれど期待に満ちた。
例えるなら祭りの日に夜を待つ子供のような雰囲気である。
そんな彼の部屋にノックの音が響く。
「入れ!」
目を大きく開いたパトリックが間髪入れずに入室の許可を与えた。
「失礼致します、旦那――」
「モリス!」
入ってきた執事、モリスの言葉を遮って彼の名を呼ぶパトリック。
対して、長い付き合いであるモリスは一瞬苦笑を浮かべ、後に満面の笑顔で主に頷いて見せた。
「すぐに、参られます」
「そうか! そうか!!」
「……まこと、長うございましたなあ」
「これも彼のおかげだ――!」
感慨深くこれまでを振り返ろうとするモリスに、大きく頷いたパトリック。
彼がここにはいない誰かへの感謝を口にしたその時。
ツィーゲで実質最も力を持つ商人、パトリック=レンブラントはその口を閉じた。
侍女に付き添われて新たに入室してきた三人を見てのことだった。
この瞬間、彼は頭の中で思い浮かべていた考えを全部投げ捨てた。
彼女たちの言葉を待ち、自分が言葉を述べ、一人一人順番に抱きしめて……。
パトリックはそんな流れにするつもりでいた。
「リィィサァァーー!! ジィフッ! ゥーーノォーー!!」
太く良く通る声で彼が叫んだのは愛しい妻と二人の娘の名。
体は既に動き出していて、部屋に入って数歩の場所にいた三人に向けて突進し、妻と娘たちまとめて抱き締めていた。
一瞬で顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになり、普段の彼を知る者なら唖然とするか悶絶するだろう、つまりとても見られない代物になっている。
そもそも妻の名であるリサはともかく、二人の娘、シフとユーノについてはまともに呼べてすらいない。
大商会の代表としての貫禄はゼロになっていた。
リサは自身に抱きついて泣いている夫を見て、こちらも泣き出しそうな笑顔で応じている。
シフとユーノは若干恥ずかしさを浮かべながら、それでも満更ではない笑顔を浮かべていた。
レンブラント一家に何年かぶりに訪れた幸せの瞬間であり、一番それを待ち望んでいたパトリックが無様を晒したのも仕方ない事とも言えた。
部屋の外で待機している侍女の中は涙を浮かべている者か、喜びで笑顔を隠しきれない者のどちらかであったし、部屋の中にいたモリスは不動でありながら感無量の表情で主人とその家族の抱擁を見つめていた。
パトリックは一向に抱擁をやめる様子もなく、妻や娘を見ながらこれまでの事をそれはもう言葉にもならない言葉で延々と語っている。
最早、最初のプランだとか計画だとかは全く消し飛んでいた。
「あ、あなた。そろそろ……」
侍女の表情は苦笑に変わっていき、妻は困った様子に、娘二人の表情は少々うんざりした顔に変わりつつあってもなお、パトリックは止まらない。
この日の為に彼が作らせた三人のドレスは既に揉みくちゃにされて涙なども多々ついてしまっている。
モリスがいつ止めに入ろうか、と真剣に考え始めた頃。
ようやくそれなりに聞き取れるレベルになったレンブラント商会代表の言葉に、リサ、シフ、ユーノ、三人の顔が揃ってぴくりと反応した。
「……あなた。今なんて仰いました?」
「お父様? 私も詳しく聞きたいと思いました」
「ねえお父様。もう一回言ってくれない? ボクの聞き間違いかもしれないから」
全員が聞き返してきた事でパトリックも一度言葉を止めた。
そして弱まった抱擁を三人が優雅な所作でほどくと、妻と娘は彼を見つめ返した。
「ん。今か? そうそう、今夜は早速盛大に皆を集めてだな」
「その前です、あなた」
「その前? おお、おお! この日に至るまでの忌まわしい事件とお前たちの様子は何人もの絵師に描かせ、今仕上げさせている所だ。お前たちが如何に苦しい試練を乗り越えこうして立っているのかを、決して忘れぬ為にな」
「……っ」
「っ!?」
「っっ!?」
「無論、それを入れる額も、部屋も一流の職人に作らせているぞ。なあ、モリス!」
「はい、旦那様。レンブラント商会に降りかかった最大にして最悪の不幸が如何にして大団円を迎えたか。二十枚の連作でございます」
「流石にそれだけで展覧会はやらんが、次にツィーゲで大きな絵画展でもあれば、その時にうちの権限で特別コーナーを作らせてだな――!?」
パトリックとモリスが、レンブラント商会に降りかかった呪病事件とその顛末を絵にしている件を嬉しそうに語る。
男二人が盛り上がる中、部屋の外まで聞こえたその内容を聞いた侍女はどん引きの表情で「うわぁ……」とか「あぁ……」とか口に手を当てて嘆いていた。
そして主役ともいえる妻と娘はと言うと……。
「あなた、それはまさか、私とシフとユーノの姿を絵にした、ということではありませんよね?」
「いくら何でも違いますよね?」
「……」
リサは夫に最終確認をした。
シフは父親の暴走をほぼ確信しながらわずかな希望に懸けた。
ユーノは、全部悟って沈黙した。
「何を言っている! 主役はお前たちだぞ! ライドウ殿の登場から回復までの五枚はほぼ回復していくお前たちの姿を……、ん、ど、どうしたお前たち。まさかまだ体調が!?」
「ええ」
「はい」
「今なったんだけどね」
リサは有罪判決をした。
シフも有罪判決をした。
ユーノはもう有罪にしていた。
「な、なんだ? 怒っているのか? どうしてだ?」
パトリックは混乱した。
妻と娘はため息をついている。
「モリス、貴方がついていてどうしてこうなるんです」
「治ったばかりなのに、また倒れそうよモリス」
「せめてお父様の暴走をマイルドにしてよモリス」
「……は。え、あの、何かまずかったでしょうか?」
三人の冷たい目はモリスに向いた。
モリスはまだパトリックに感染している。
事態が飲み込めていない。
モリスも有罪になった。
「……ふぅ。残念ですけれど、あなた、モリス。そこに正座」
「おお?」
「は、はい」
「単刀直入に聞きますね。素直に答えて下さいまし。……絵はどこです?」
リサはとても冷たい目で尋問した。
健在であった頃の彼女を思い出してパトリックは感無量になり、また涙をこぼしそうになった。
が、少なくとも彼女の怒りを把握したモリスが脇腹をつついた事で踏みとどまり、尋問に応じる。
「描き上がったものか? それともまだ描かせている最中の――」
「りょ・う・ほ・う!」
リサではなくシフの力強い言葉がパトリックの言葉をぶった切った。
「一体どうしたんだ、お前たちは。納品済みのものは家の二番倉庫だ。まだ描き上がってないものは絵師の工房だから……あれはどこだった、モリス?」
「彼の工房はレニー通りの職人街です。直接のやりとりはマルタが担当しておりますので詳細な住所は彼が」
「彼って……。描いたの男なんだ。あぁ……もう……!」
ユーノが頭痛に苦しむような仕草で部屋の外に出て侍女に何事か伝える。
侍女は真剣な表情で聞き取ると、スカートをまくって全速力で廊下を駆け出していった。
「まさか、お父様。ライドウ様もそれを見ていないでしょうね?」
シフが何かに思い至ったようにとある人物の名をあげる。
それは、彼女らにとって恩人の名だ。
醜く、人外ともいえる姿になり果てた姿を見られた数少ない人物でもある。
既に見られたのだから今更構わないではないか、とは当然ならない。
なるわけがない。
むしろ余計に見られたくないというのが三人の心情だった。
これがライドウならば、自身の大抵の姿なら誰に見られても別に構わない、となったのだが。
「いや、彼がロッツガルドに発ってから仕上がったものが殆どだからまだ一枚も見せてはいないな。今頃はロッツガルドで臨時の入学試験をやってもらっている頃だと思うが……」
「ほっ」
誰かの安堵の吐息が漏れた。
リサもシフもユーノも頷いている。
「お嬢様がたのお望みでもありましたから。彼ならば落ちる事はありますまい」
モリスも主人の言葉を肯定する。
「あの、申し訳ございません。少々よろしいでしょうか?」
「……なんだ? そのまま言え」
家族の集まる部屋に異なる声が響く。
空気を読めと思いながらも、パトリックはドアの向こうに用件を言うよう促した。
入室の許可は与えなかった。
勿論、正座をしたままだったからである。
「クズノハ商会の巴様より、伝言を預かっております」
「巴殿から? どうして来てもらわなかった。クズノハ商会の者なら通してもよいと伝えてあるだろう?」
「今日は家族の祝いの場だろうから言づてで構わないと、早々にお帰りになりました。ただその言づてが少々気になりましたので……」
「続けなさい」
一旦言葉を区切った使用人にリサが声をかけた。
「は、はい。レンブラント氏の粋な心遣いに感謝する。主ライドウは無事にロッツガルドに到着し、“臨時講師として”無事に採用された、とのことでした」
『……』
沈黙。
室内にいた五人は、揃って沈黙した。
理由は簡単だ。
非常におかしな単語が伝言に含まれていたからである。
「こう、し?」
シフがしばしの沈黙の後、何とか言葉を発した。
「うん、そう言ったね」
ユーノが姉の言葉に頷いた。
パトリックとモリスはポカンとしている。
リサは静かに肩を落とした。
「……どういう、ことですか?」
「いや、何がどうなったのか」
「皆目見当も」
間の抜けた返答で、リサの目に強い光が満ちた。
「試験の書類の手配をしたのは!?」
静かにモリスが手を挙げた。
「書類をまとめたのは!?」
またもモリスが手を挙げる。
「最後にそれを確認したのは!?」
パトリックが恐る恐る手を挙げた。
二人を見下ろす三人が、互いを見てアイコンタクトで全てを決定した。
「まさか、こんな祝いの日に世にも珍しいうっかりモリスを見ることになるなんて思ってもいなかったけど」
とシフ。
「命の恩人に。こちらがお願いして学園に通って頂こうという話の筈でしたのに」
とリサ。
「なんでそれが学生じゃなくて先生になってるの!」
最後はユーノ。
「二人とも。諸々まとめて……覚悟はよろしいわね?」
そして母がまとめた。
不穏な、しかし抗いがたい威圧の空気が部屋に満ちる。
「ま、待て! どう考えてもおかしいだろう!? もし我々が用意した書類に手違いがあったとしてもだ! ライドウ殿や彼の従者がその旨を確認した段階で、学園に対応を求めたり私の所に連絡が来るのが普通だろう!?」
「いくら何でもただ諾々と講師の試験を受けて、しかも採用など、わ、わけがわかりません!!」
「学園とて、突然入学試験の受付に事務室を訪れたりしたら書類の種類が違うと気がつくはず!」
「推薦状まであるのにそんな馬鹿な!」
パトリックとモリスはチェックがまともに働いていない不思議と、試験結果の不思議に次々と言い訳を始める。
しかし、そんなものに効果は……清々しいほどに全くなかった。
外の様子に気付いたユーノが少しだけドアを開け、何度かやりとりをすると手紙を一通手にして部屋に戻ってきた。
再び、ドアは閉められた。
「……へえ。この時期に元々集まっていた講師試験の行列に何日も従者の人が並んだんだって。その後受付で推薦状を見せて、そっか、その後もまた待たされて。……っ!? “色々”あって結局実技のみの試験を通過して、臨時講師になった!?」
手紙は、内容からしてライドウの試験について語っているもののようで、クズノハ商会かライドウからのものだとパトリックとモリスにも推察できた。
「……お父様。不思議ですわね。まるで推薦状の効果がないような報告のようですけれど?」
「いや、間違いなくレンブラント商会からの推薦状は渡した。間違いない」
「……今は、臨時講師の募集時期でもあったようですけど、こちらは?」
「……そ、そこまでは把握していない。臨時の入学受付だから推薦状を添えたのであって。断じて講師に推薦したわけではないぞ」
「ライドウ様、色々って書いてるけどさ。ボクが知る限り。ロッツガルドの講師試験で実技のみって、最高中の最高難易度だよ。なんで推薦状を持ったあの方が何日も並んだ挙句一番難しい試験を受ける事になってるの? 思うんだけどこれって恩返しどころか、物凄い嫌がらせだよね?」
まさにその通りである。
ライドウ以外の従者面々には納得の講師試験だったが、ライドウにとってはそこに至るまでの流れは極めて不本意であったことだろう。
「なぜだか従者の方には喜ばれているようですし、あなたは、私と娘たちと、そしてあなた自身の恩人でもあるライドウ様に対して……何を企んだのですか?」
凍てつく波動を全身から吹き出す三人の最愛の家族に対して、パトリックはぶんぶんと首を横に振るばかりだ。
「よからぬ事は、何も企んでおらん! むしろ全力でサポートしている! 彼は私にとっても恩人なんだぞ!? 大体、ユーノ! パパ宛ての手紙を当然のように開封するのはどうかと思うぞ!!」
「……どうして、こうなったのか」
足掻くパトリックと悟ったモリス。
こうして、二人は深く深く反省することになった。
その夜開催された祝いの席に、パトリックとモリスの姿はなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
ライドウの手紙(要約)
レンブラントさん、お元気でしょうか。
私を学園に推薦して頂き、ありがとうございました。
おかげさまで私はロッツガルドで順調なスタートをきることができております。
まさか講師として推薦していただいていたとは気付かず、従者に注意を受けることもありましたが……。
実技のみの試験というのは私には合っていたようで、週に一コマの講義を担当できることになりました。
こちらではもう一人、私に使えてくれている識という従者に頼りながら頑張っています。
次にそちらに戻る際、彼の事も紹介させて頂きますね。
そうそう、最近通うようになった店も出来まして、そこの鍋料理というものは是非一度レンブラントさんにも味わってほしい興味深い美味です。
なんとか作り方も覚えて戻りたいと考えているところです。
ところでここロッツガルドとツィーゲは遠く、そちらに残した巴と澪が何かとご迷惑をおかけすることもあるやもしれません。
できる限りの恩返しをするつもりでレンブラントさんとレンブラント商会の従業員の方々に接するように、と申し伝えてはあるのですが情けないながら彼女たちに目が届かぬ部分も多々あるのが私の現状です。
己の未熟を棚にあげてレンブラントさんに頼らせてもらう、随分と甘えた事だと恥じるばかりです。
しかしどうか、やむえぬ事情であの二人がご相談に上がった時には、話だけでも聞いてやってもらえませんでしょうか?
よろしくお願い致します。
追伸。
奥様とお嬢様のお加減はいかがでしょうか?
順調に回復しておられるとは聞いているのですが、一日も早く日常に帰ることができるよう祈っております。
あの……最後にひとつお聞きしたいのですが貴族や大きな商会では早婚がはやっているのでしょうか?
参考までにレンブラントさんのご結婚の時期や当時の女性関係など、差し支えない範囲でお聞かせ願えないでしょうか。
また次にお会いした時にでも、よろしかったら。
本当に大したことではないのですが少々混乱していることがありまして……。
それでは、レンブラントさんもお体に気をつけて。
ロッツガルドから、クズノハ商会代表ライドウ=ミスミより
************************************************
長らく更新が滞ってしまい、申し訳ありません。
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