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三章 ケリュネオン参戦編
壊れゆく平和の学都で笑う古竜
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こちらは「月が導く異世界道中」8巻のダイジェストその2になります。
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ロッツガルドの街に異形の怪物、変異体が現れ始めて既に何日かが経過した。
街の被害は甚大の一言。
都市としての機能はほぼ麻痺している上に、周辺都市との連絡も満足に取れていない。
極めて深刻な事態だった。
この場所、学園のシェルター内に設けられた対策本部に入ってくる情報も苦しいものばかり。
歴史上ただの一度も戦火に晒された事がないこの街が日に日に焼かれ、滅びに近づいている事は明白だった。
各国の要人とともに避難しつつ、当代学園長と学園の動きを観察していた一人の青年が小さく嘆息したのも無理はない。
ただそれは悲観からではなく、呆れから吐き出されたものであり、彼の目の奥に現状への恐怖らしきものは一切なかった。
(この学園も、長い時間の中で淀み過ぎたか。今の様子を初代が見れば嘆きのあまり化けて出るかも。平和過ぎるってのも考え物だね。ともすれば有事への備えを怠る。削りに削った防衛予算、見事に逆効果だ)
青年の名はファルス。
もっともその名は数ある彼の偽名の一つに過ぎず、本名はルト。
人ですらなく、今や僅かにその名を語り継がれるのみとなった太古の上位竜だ。
ランサーやグロント、リュカなどが人々の口によくあげられる上位竜だが、ルトは位置づけとして彼らの頂点として存在する竜の長。
かつては調和を是とし、人の世にも度々干渉を繰り返した“万色”と呼ばれた竜だ。
しかしそれも今は昔のこと。
現在のルトは冒険者ギルドの長などをやりながら、どこに加勢するという宣言もなく、ただのんびりと世界の行末を眺めている。
表向きは。
(さてと。うちのギルドはここでは事務仕事担当しか置いてないから出来る事はないって事になる。出払った直属の実働部隊は実は振りだけで呼び戻してないしね~。で、今動いてるのは学園の虎の子である精鋭部隊パープルヘイズと商人ギルドが構築した傭兵部隊のみ。状況は壊滅的に劣勢と)
ルトは悲観的な要素しかない現在の状況を淡々と頭に並べていく。
イルムガンドの変異を皮切りに、街では数体の変異体の出現が確認され、討伐は殆ど進んでいない。
そして変異体の数は徐々に数を増し、街に設けられた避難所も幾つかが壊滅している。
この場に集まる情報とは別に、独自の情報網からルトが把握している被害状況では既に街の三割以上の人が死、または行方不明の状態にある。
かなりの惨事だった。
(魔族もよくやるよ。本来、ここを“起爆”させるのはもっと後の予定だった筈だろうに。それだけ勇者が目障りな存在になりつつあるって事か。ここまでの両者の成長の度合いを考えれば……狙いは七三でリミア王国の彼女の方かな。何せ頭が良い。あの子は遠からず魔族への最も効果的な戦略に気付く)
魔族の仕業であり、そしてその狙いがこの街そのものではない事も彼は知っていた。
冒険者ギルドの長だから、ではなくルト自身の世との関わりによっての事だ。
ルトは上位竜であって神ではない。
魔族の味方でもないが、ヒューマンの味方でもないのである。
敢えていえば今の彼は冒険者の味方であり、彼らの後見人のようなもの。
ヒューマンが魔族を制そうが、魔族がシューマンを制そうが、どちらの側も冒険者という仕組みに文句を言うつもりはない。
それを彼は既に知っている。
だから集まる様々な情報からこの先世界で何が起き、どれだけの被害が出て、どんな未来を選ぶのかを高い精度で予測できた所で、それを誰かに話す気はないのだった。
当然、ルトが今一番気に入っている真に対してもその考えは基本的には変わらない。
求められるのなら問答の形で答えに近い事を話す事はあるだろうが、進んでその未来を口にするつもりは少なくともなかった。
「ファルス殿、少しよろしいかしら?」
「おや彩律様。もちろん構いませんよ。ここでは話しにくい事でも?」
「……少しだけ」
「……素直ですね。良いでしょう、では参りますか」
「こちらにお願いします」
同じくその場で苦々しい顔をしていた学園祭の来賓、ローレル連邦の要職にある女性がルトに声を掛ける。
この数日でルトはリミア王と彼に同席していた王子、グリトニア帝国の勇者付きの皇女であるリリとも密談の場を設けている。
残る大国アイオンとローレルともその場を持って不思議ではない。
学園の職員、各国の来賓からのそれなりの視線に見送られながら、二人は対策本部を離れた。
「ご用件は? 言っておきますが、私はあの生徒達とは関わりもありませんし、講師のライドウ君ともさしたる繋がりはまだありませんよ」
「……学園祭で何度か一緒に居られるところを見た者もいるようですが、その件ではありませんよ。あの生徒達の方は……イクサベの家の者が中にいましたからそちらから話を聞く予定ですし」
「イズモ君、でしたっけ。分家の彼があれだけの力を蓄えたとなるとお国では嬉しいばかりでもないのではありませんか? 本来、力ある者が増える事は喜ばしい事の筈ですが、ね」
ルトが冗談とも皮肉とも取れる言葉を彩律に放つ。
軽いジャブのようなものだった。
彼の立場なら、そういうだろうという言葉。
冒険者ギルドの長として、「成りきった」発言である。
(リミアはリミアで闘技場で活躍してたアベリアとかって娘の事を気にかけていたし、あの学生パーティも色々しがらみがあるみたいだね。ま、僕としては真君の関係者はとりあえず言葉の上だけでも庇ってあげるということで。もしかしたら僕の株も上がるかもしれないしね)
リミアやグリトニアと会った時はアベリア=ホープレイズの話を切り出されていたルトは、その折にも彼女に多少の援護をしていた。
少なくとも注目されている学生パーティは真側にいるのは確実で、ルトとしては基本的にフォローする方針を決めていたのだ。
彼らの基本的な情報は既にルトの頭に入っている。
「……ふぅ。そこは頭の痛い所ですね。私も、個人的にはファルス殿のお考えに近い考えを持っていますけれど。今時、血筋だけが全てではないと」
「ローレルは賢人の血統も含めて、そういった所がお難しいようで。そうそう、ちなみにライドウ君もその件では少し困っていました。新顔ながら彼の友人として私からもお手柔らかにお願いしますよ」
「ライドウ殿、ですか。彼は……本当に未知の存在ですね。どの国からも注目され、そして冒険者ギルドの長とお友達ですか」
「面白い人ですよ。とにかく一緒にいて飽きない」
「……そんな今や多くの繋がりを持つ気鋭の商人が、驚くほど経歴不明という点については、どうお考えですか? お友達としては」
「彼の経歴が不明、ですか? そんなことありませんよ、全部はっきりしてます」
「っ!?」
思わぬ発言に彩律が息を?む。
ローレルの情報網ではライドウは現状まさしく「謎の商人A」なのだ。
未だ短い期間ではあるが国の情報収集力を駆使しての結果としては、異常そのものである。
「ライドウ=ミスミ。とある国の官僚と神官の間に生まれ、幼少時に世界の果て、荒野の奥深くにある街に養子に出される。彼が育てられた家は大きな商家で、彼もそこの跡取りとして商人を目指す。ツィーゲを足がかりにレンブラント家の協力を得て現在修行中と」
「……」
「荒野とより深く繋がりを持ちたいレンブラント家はミスミ家との関係を歓迎し、ライドウ君はレンブラント商会の後ろ盾を得ることが出来たって訳だ。ほら簡単なものでしょう?」
「生まれについては初耳でしたし、興味深いですね。でも……荒野云々からはどうでしょう? 単語そのものを賢人の世界と置き換えても違和感がありませんね?」
「あれ、本当ですね」
「ちなみに荒野の奥深くの街、と仰いましたけど、そんな場所は今は無き最奥のベースである絶野までのどのルートにも存在しない筈ですわね?」
「もっと奥だそうですから」
彩律の追求にルトは涼しくかわし続ける。
口調にも乱れがない。
「人から聞いた話ですけれど一番上手な嘘のつき方は、真実の中にほんの一握りの嘘を混ぜる、というやり方だそうですよファルス殿」
「そうですか。参考になりますね。私などは、いっそ嘘をつくなら全部それで固めた方がばれにくいんじゃないかと思ったりしますが、なるほど」
「あらそれも面白いご意見です」
「でしょう。あははは」
「うふふふ」
一頻りの愛想笑いが生まれ、そして止む。
「それで? 中宮たる君が私に何の話かな。まさか彼が本題じゃないでしょう?」
「似ているけど、違いますね。ごめんなさい、脱線が少々不愉快にさせてしまったみたいで」
「いや、そもそも振ったのはこっち。気にしなくていいですとも。似ているって事は本題は巴の刀? それともクズノハ商会ですかね?」
「クズノハ商会です。単刀直入に伺いますが、彼らは何故動かないのでしょうか? 最初に変異体となった青年を倒したのはライドウ殿の生徒、と聞いていますし、であればその程度の力がライドウ殿やその側近にない訳が無い、と私は思うのですけど……ファルス殿はどうお考えでしょうか?」
「ああそっち。ここ何日か大人しすぎるから気になる、と」
「この一件、魔族の干渉は明らか。まるで呼応したようなクズノハ商会の今の沈黙は、まさか、と考えてしまうんです。貴方は少なくとも私よりライドウ殿を知っている様子。どうか、彼の立場について少しでもお教え願えればと考えた次第です」
「ぷっ。彼が魔族と?」
「決しておかしい推理ではないと思います。が、貴方はそう笑うのなら私の見当違いでしょうか。なら、とても嬉しい結論ですね」
「……テプラソダイ商会」
「え?」
ルトは彩律の推理に思わずふきだし、そして彩律はルトの様子に安堵した表情を浮かべた。
そして唐突に名前が挙がった商会の名に、彼女にしては珍しく間の抜けた声を出した。
ルトはすっかり笑顔を浮かべている。
先ほどまでの真面目な顔はもうそこにはなかった。
(それにしてもリミアもグリトニアも、それにローレルもか。どこもかしこもクズノハ商会は魔族についているのか、ときた。もしそうならとっくに戦争は終わってるよ。彼らは人的にも物的にも全くロスがない転移を行えるんだから。それは隠密性がどうのこうのっていう魔族の技術を遙かに凌ぐ代物だ。ま、ここでライドウ君が魔将と会ってましたね~とか口にしても面白いけど、悪ふざけじゃ済まなくなりそうだから止めとこっか。彼女には素直に真相の一部を教えてあげようかな……それも実は面白いし)
「ご存知では?」
「え、ええ。私の叔父が懇意にしているロッツガルドの商会の名前ですが」
「ロッツガルドの商人ギルドでも相当な力をお持ちの、ね。確か薬品がご専門」
「はい。ローレルでもテプラソダイ商会は出店していますし、うちの独自製薬技術を基に作られた薬もそれなりにありますので。ここでの競争では優位に立っているようですが」
「ええ、流石にお詳しい。それで……知っていますか? クズノハ商会も、分類はよろず取り扱い、何でも屋ですが薬を主に扱ってるんですよ」
「もちろん知っていますが、まだ両者では規模がまるで違います。 まさか、ファルス殿は二つの商会が競合していると? 価格を見ても客層を見ても噛み合わないかと……」
すっと。
彩律の思考に黒いモヤが生まれた。
それはあっという間に大きくなり、彼女の中で凄まじい速度で推論を生んでいく。
(ちょっと、まさか。冗談でしょう? テプラソダイがクズノハ商会を、ライドウを潰して吸収しようとしていたとでも? いえ、ちょっと待って。そうなると先日あそこの代表と会った時の話……違う、それよりも前の……)
「最初は、クズノハ商会の傷薬についての効能と価格の乖離について。それから近隣の店との摩擦について。商会代表のギルドへの貢献と忠誠への疑問。そしてローレル連邦中宮のロッツガルド来訪に関してかの国からクズノハ商会の魔族との関わりを問う旨の質問状が」
「まさか、そこまで。……嘘でしょう?」
「もちろん、色々な商会から出された問い合わせや苦情ですよ。その全部にテプラソダイ商会の糸がくっついてましたけどね」
「あぁ……なんて愚かな」
「最後のはテプラソダイ商会の代表自らがお持ちになったようです。何でも、繋がりなどまるでない筈の新入り商会が学園祭の宴席に乗じて中宮彩律様と親しげに面談などしていた、直後だそうで」
「……それで、この街の商人ギルドとクズノハ商会の関係は」
額を抑えながら彩律は足に力を込め、何とか直立を保つ。
「最悪です。店を畳んでツィーゲに失せろ、だそうで。ライドウ君、それでかなり参っている様子で。こんな事があってもすぐに動く気になれないんでしょうね。今は側近も全員揃ってますから各々の意見も彼に告げているでしょうしね」
「う。でも、確かに申し訳ない事ですが。それでもここまでの被害が出ているのに動かないなんて、やはり」
「中宮様が申し訳ない、か。ははは、これはテプラソダイ商会も大変だ。ま、ライドウ君については彼はあれで貴女が思うよりずっと……純粋な人ですから」
「純粋……ですか」
「まあ、でもそろそろ動くでしょうから状況の悲観はしなくていいですよ。貴女ほどの人ならかの商会に対してもしかるべく動くでしょうし、私が言う事はもう何もありません」
「当然、です。罪滅ぼしではありませんが、この件でも今後についても、ライドウ殿やクズノハ商会にはある程度の協力は必要でしょうね。そしてその愚かな商会と、関与次第では叔父にも……罰を受けて頂きませんと。私の言葉を不当に歪め、国益を乱した者として」
「おお恐い。貴女も今の今まで黙認していた事でしょうに」
「あら。それはあくまで政と担う者と、物と金を担う者、お互いに利がある上で、の事でしょう。私の言葉を使い国益に背かぬようどこぞの商会が利益を上げるのは構いませんが、私の言葉を歪め国益を損なう事は許さない。ただ、それだけの事です」
「確かにね。仰る通りです。だから私はローレルが好きなんですよ。柔軟万歳」
「ありがとうございます。私も、クズノハ商会にどう接するべきか、わかった気がします」
「それは良かった」
ルトと彩律はお互いに別方向に進む。
会話の終わり。
彩律はルトから思いがけぬ、だが極めて有用な情報を得た。
害する気などまるでない相手を、結果的に傷付ける。
彼女がいる世界ではよくある事でもある。
取り返しがつかない事も、ままある。
だが今、彩律はルトに感謝している。
そう、彼女はまだライドウとの関係が修復可能だと考えていた。
そして彼女の考えはルトにも、その決意の瞳を通じて伝わった。
「あれは、黙って処理する気だろうね。まあライドウ君達もそうそう突っ込まないだろうし、いずれ知った所でその後の彼女の対応もまとめて知る事になる、と。策士だね。歴代中宮でもかなり優秀だ。さ、クズノハ商会は今日から動くだろうけどこの街はどうなるかなあ。少なくともテプラソダイ商会は消滅確定っと。代表と有力な後援者が同時に消されたらどうにもならないだろうからねえ。ローレルでひっそりと出直しってとこかな。この街では五本の指に入る大商会だったのに、残念残念」
ルトは楽しげに呟く。
その原因はある程度自業自得だとはいえ、ライドウこと真を追い詰めた切っ掛けの一つを、自分の言葉が葬った事を確信していたからだ。
大分曲がりくねっている上に性別と種族を超えてはいるものの。
ルトもまた真に強い愛情を向けている一人だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
何事を始めるにせよ、最適な時期というものがある。
クズノハ商会が動き出したのはまさにそういう時だった。
連絡が途絶えたままながら、各国の救援が始まる、ほんの数日前の事だ。
ルトが読んだ通りの日にライドウとクズノハ商会は行動を開始した。
街に溢れ、学園と商人ギルド主導の傭兵部隊が全力で何体かを討伐しただけの変異体を、吟遊詩人が語る英雄譚の如く狩り始めたのだ。
それはまさに狩り。
圧倒的な力による蹂躙。
たった一日で。
避難所に集まった住民達はクズノハ商会の名を深く心に刻んだ。
避難に協力し、一緒に生活をし、その名に馴染んだ者はそれまでもいたものの。
十分な量ではないながらも食料を配り、避難所の安全を確保し。
跋扈する変異体に対策を練り、そして学園と協力してこれを次々に討伐し。
街の救世主として、その名が刻まれていったのはその日からだった。
「にしても。真君が商人ギルドでやりこめられたの、そこまで怒ってたんだお前たちは。商人ギルドはレンブラントが尽力して風向きも変わりつつあるようだし」
夜空に輝く真の術、街を照らした光の雨を見たルトは、しばらく前まで同じ場所にいた巴に対して呟く。
今は彼一人がそこにいる。
つまり独り言だ。
「ただの一撃、それで魔族達が心血注いだ工作の上に設置した数千もの念話の妨害装置を全滅させる真君も凄いけど、お前達の怒りもまた凄いよねえ……これでロッツガルドでクズノハ商会は救世主様だ。住民は下手をすれば女神の神殿よりクズノハ商会に手を合わせて祈りかねないよ。くくく」
それだけの功績をクズノハ商会はロッツガルドであげた。
ただそれは、誰にも知られずにやれば一片の感謝も生まず、こうして甚大な被害が出てからやれば拝まれるほどに感謝される。
そんな人の世の暗い部分を嘲るような巴のやり方によって明らかになった功績。
もし真が純粋に知っている人を助ける「ついで」に街を救ってしまえば。
恐らく一番尊く讃えられるだろうその行為は、この街での彼とクズノハ商会を逆に追い詰めてしまう。
それが、ルトにはおかしかった。
「いや。それでもやっぱり一番凄いのは真君か。彼の放ったこの一撃の、このタイミング。巴にも言ったけど、神さえ縛り付け服従を強いるような『運命』ってやつが、実は本当に存在するんじゃないかって思うようなこのタイミング。凄いよ、君は。巴の企みでほぼ満点の結果を出せた筈なのに、さらに上乗せで得点を積むんだからね……」
ルトの、ただただ感嘆した言葉が再び暗闇に包まれたロッツガルドの街に溶けた。
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ロッツガルドの街に異形の怪物、変異体が現れ始めて既に何日かが経過した。
街の被害は甚大の一言。
都市としての機能はほぼ麻痺している上に、周辺都市との連絡も満足に取れていない。
極めて深刻な事態だった。
この場所、学園のシェルター内に設けられた対策本部に入ってくる情報も苦しいものばかり。
歴史上ただの一度も戦火に晒された事がないこの街が日に日に焼かれ、滅びに近づいている事は明白だった。
各国の要人とともに避難しつつ、当代学園長と学園の動きを観察していた一人の青年が小さく嘆息したのも無理はない。
ただそれは悲観からではなく、呆れから吐き出されたものであり、彼の目の奥に現状への恐怖らしきものは一切なかった。
(この学園も、長い時間の中で淀み過ぎたか。今の様子を初代が見れば嘆きのあまり化けて出るかも。平和過ぎるってのも考え物だね。ともすれば有事への備えを怠る。削りに削った防衛予算、見事に逆効果だ)
青年の名はファルス。
もっともその名は数ある彼の偽名の一つに過ぎず、本名はルト。
人ですらなく、今や僅かにその名を語り継がれるのみとなった太古の上位竜だ。
ランサーやグロント、リュカなどが人々の口によくあげられる上位竜だが、ルトは位置づけとして彼らの頂点として存在する竜の長。
かつては調和を是とし、人の世にも度々干渉を繰り返した“万色”と呼ばれた竜だ。
しかしそれも今は昔のこと。
現在のルトは冒険者ギルドの長などをやりながら、どこに加勢するという宣言もなく、ただのんびりと世界の行末を眺めている。
表向きは。
(さてと。うちのギルドはここでは事務仕事担当しか置いてないから出来る事はないって事になる。出払った直属の実働部隊は実は振りだけで呼び戻してないしね~。で、今動いてるのは学園の虎の子である精鋭部隊パープルヘイズと商人ギルドが構築した傭兵部隊のみ。状況は壊滅的に劣勢と)
ルトは悲観的な要素しかない現在の状況を淡々と頭に並べていく。
イルムガンドの変異を皮切りに、街では数体の変異体の出現が確認され、討伐は殆ど進んでいない。
そして変異体の数は徐々に数を増し、街に設けられた避難所も幾つかが壊滅している。
この場に集まる情報とは別に、独自の情報網からルトが把握している被害状況では既に街の三割以上の人が死、または行方不明の状態にある。
かなりの惨事だった。
(魔族もよくやるよ。本来、ここを“起爆”させるのはもっと後の予定だった筈だろうに。それだけ勇者が目障りな存在になりつつあるって事か。ここまでの両者の成長の度合いを考えれば……狙いは七三でリミア王国の彼女の方かな。何せ頭が良い。あの子は遠からず魔族への最も効果的な戦略に気付く)
魔族の仕業であり、そしてその狙いがこの街そのものではない事も彼は知っていた。
冒険者ギルドの長だから、ではなくルト自身の世との関わりによっての事だ。
ルトは上位竜であって神ではない。
魔族の味方でもないが、ヒューマンの味方でもないのである。
敢えていえば今の彼は冒険者の味方であり、彼らの後見人のようなもの。
ヒューマンが魔族を制そうが、魔族がシューマンを制そうが、どちらの側も冒険者という仕組みに文句を言うつもりはない。
それを彼は既に知っている。
だから集まる様々な情報からこの先世界で何が起き、どれだけの被害が出て、どんな未来を選ぶのかを高い精度で予測できた所で、それを誰かに話す気はないのだった。
当然、ルトが今一番気に入っている真に対してもその考えは基本的には変わらない。
求められるのなら問答の形で答えに近い事を話す事はあるだろうが、進んでその未来を口にするつもりは少なくともなかった。
「ファルス殿、少しよろしいかしら?」
「おや彩律様。もちろん構いませんよ。ここでは話しにくい事でも?」
「……少しだけ」
「……素直ですね。良いでしょう、では参りますか」
「こちらにお願いします」
同じくその場で苦々しい顔をしていた学園祭の来賓、ローレル連邦の要職にある女性がルトに声を掛ける。
この数日でルトはリミア王と彼に同席していた王子、グリトニア帝国の勇者付きの皇女であるリリとも密談の場を設けている。
残る大国アイオンとローレルともその場を持って不思議ではない。
学園の職員、各国の来賓からのそれなりの視線に見送られながら、二人は対策本部を離れた。
「ご用件は? 言っておきますが、私はあの生徒達とは関わりもありませんし、講師のライドウ君ともさしたる繋がりはまだありませんよ」
「……学園祭で何度か一緒に居られるところを見た者もいるようですが、その件ではありませんよ。あの生徒達の方は……イクサベの家の者が中にいましたからそちらから話を聞く予定ですし」
「イズモ君、でしたっけ。分家の彼があれだけの力を蓄えたとなるとお国では嬉しいばかりでもないのではありませんか? 本来、力ある者が増える事は喜ばしい事の筈ですが、ね」
ルトが冗談とも皮肉とも取れる言葉を彩律に放つ。
軽いジャブのようなものだった。
彼の立場なら、そういうだろうという言葉。
冒険者ギルドの長として、「成りきった」発言である。
(リミアはリミアで闘技場で活躍してたアベリアとかって娘の事を気にかけていたし、あの学生パーティも色々しがらみがあるみたいだね。ま、僕としては真君の関係者はとりあえず言葉の上だけでも庇ってあげるということで。もしかしたら僕の株も上がるかもしれないしね)
リミアやグリトニアと会った時はアベリア=ホープレイズの話を切り出されていたルトは、その折にも彼女に多少の援護をしていた。
少なくとも注目されている学生パーティは真側にいるのは確実で、ルトとしては基本的にフォローする方針を決めていたのだ。
彼らの基本的な情報は既にルトの頭に入っている。
「……ふぅ。そこは頭の痛い所ですね。私も、個人的にはファルス殿のお考えに近い考えを持っていますけれど。今時、血筋だけが全てではないと」
「ローレルは賢人の血統も含めて、そういった所がお難しいようで。そうそう、ちなみにライドウ君もその件では少し困っていました。新顔ながら彼の友人として私からもお手柔らかにお願いしますよ」
「ライドウ殿、ですか。彼は……本当に未知の存在ですね。どの国からも注目され、そして冒険者ギルドの長とお友達ですか」
「面白い人ですよ。とにかく一緒にいて飽きない」
「……そんな今や多くの繋がりを持つ気鋭の商人が、驚くほど経歴不明という点については、どうお考えですか? お友達としては」
「彼の経歴が不明、ですか? そんなことありませんよ、全部はっきりしてます」
「っ!?」
思わぬ発言に彩律が息を?む。
ローレルの情報網ではライドウは現状まさしく「謎の商人A」なのだ。
未だ短い期間ではあるが国の情報収集力を駆使しての結果としては、異常そのものである。
「ライドウ=ミスミ。とある国の官僚と神官の間に生まれ、幼少時に世界の果て、荒野の奥深くにある街に養子に出される。彼が育てられた家は大きな商家で、彼もそこの跡取りとして商人を目指す。ツィーゲを足がかりにレンブラント家の協力を得て現在修行中と」
「……」
「荒野とより深く繋がりを持ちたいレンブラント家はミスミ家との関係を歓迎し、ライドウ君はレンブラント商会の後ろ盾を得ることが出来たって訳だ。ほら簡単なものでしょう?」
「生まれについては初耳でしたし、興味深いですね。でも……荒野云々からはどうでしょう? 単語そのものを賢人の世界と置き換えても違和感がありませんね?」
「あれ、本当ですね」
「ちなみに荒野の奥深くの街、と仰いましたけど、そんな場所は今は無き最奥のベースである絶野までのどのルートにも存在しない筈ですわね?」
「もっと奥だそうですから」
彩律の追求にルトは涼しくかわし続ける。
口調にも乱れがない。
「人から聞いた話ですけれど一番上手な嘘のつき方は、真実の中にほんの一握りの嘘を混ぜる、というやり方だそうですよファルス殿」
「そうですか。参考になりますね。私などは、いっそ嘘をつくなら全部それで固めた方がばれにくいんじゃないかと思ったりしますが、なるほど」
「あらそれも面白いご意見です」
「でしょう。あははは」
「うふふふ」
一頻りの愛想笑いが生まれ、そして止む。
「それで? 中宮たる君が私に何の話かな。まさか彼が本題じゃないでしょう?」
「似ているけど、違いますね。ごめんなさい、脱線が少々不愉快にさせてしまったみたいで」
「いや、そもそも振ったのはこっち。気にしなくていいですとも。似ているって事は本題は巴の刀? それともクズノハ商会ですかね?」
「クズノハ商会です。単刀直入に伺いますが、彼らは何故動かないのでしょうか? 最初に変異体となった青年を倒したのはライドウ殿の生徒、と聞いていますし、であればその程度の力がライドウ殿やその側近にない訳が無い、と私は思うのですけど……ファルス殿はどうお考えでしょうか?」
「ああそっち。ここ何日か大人しすぎるから気になる、と」
「この一件、魔族の干渉は明らか。まるで呼応したようなクズノハ商会の今の沈黙は、まさか、と考えてしまうんです。貴方は少なくとも私よりライドウ殿を知っている様子。どうか、彼の立場について少しでもお教え願えればと考えた次第です」
「ぷっ。彼が魔族と?」
「決しておかしい推理ではないと思います。が、貴方はそう笑うのなら私の見当違いでしょうか。なら、とても嬉しい結論ですね」
「……テプラソダイ商会」
「え?」
ルトは彩律の推理に思わずふきだし、そして彩律はルトの様子に安堵した表情を浮かべた。
そして唐突に名前が挙がった商会の名に、彼女にしては珍しく間の抜けた声を出した。
ルトはすっかり笑顔を浮かべている。
先ほどまでの真面目な顔はもうそこにはなかった。
(それにしてもリミアもグリトニアも、それにローレルもか。どこもかしこもクズノハ商会は魔族についているのか、ときた。もしそうならとっくに戦争は終わってるよ。彼らは人的にも物的にも全くロスがない転移を行えるんだから。それは隠密性がどうのこうのっていう魔族の技術を遙かに凌ぐ代物だ。ま、ここでライドウ君が魔将と会ってましたね~とか口にしても面白いけど、悪ふざけじゃ済まなくなりそうだから止めとこっか。彼女には素直に真相の一部を教えてあげようかな……それも実は面白いし)
「ご存知では?」
「え、ええ。私の叔父が懇意にしているロッツガルドの商会の名前ですが」
「ロッツガルドの商人ギルドでも相当な力をお持ちの、ね。確か薬品がご専門」
「はい。ローレルでもテプラソダイ商会は出店していますし、うちの独自製薬技術を基に作られた薬もそれなりにありますので。ここでの競争では優位に立っているようですが」
「ええ、流石にお詳しい。それで……知っていますか? クズノハ商会も、分類はよろず取り扱い、何でも屋ですが薬を主に扱ってるんですよ」
「もちろん知っていますが、まだ両者では規模がまるで違います。 まさか、ファルス殿は二つの商会が競合していると? 価格を見ても客層を見ても噛み合わないかと……」
すっと。
彩律の思考に黒いモヤが生まれた。
それはあっという間に大きくなり、彼女の中で凄まじい速度で推論を生んでいく。
(ちょっと、まさか。冗談でしょう? テプラソダイがクズノハ商会を、ライドウを潰して吸収しようとしていたとでも? いえ、ちょっと待って。そうなると先日あそこの代表と会った時の話……違う、それよりも前の……)
「最初は、クズノハ商会の傷薬についての効能と価格の乖離について。それから近隣の店との摩擦について。商会代表のギルドへの貢献と忠誠への疑問。そしてローレル連邦中宮のロッツガルド来訪に関してかの国からクズノハ商会の魔族との関わりを問う旨の質問状が」
「まさか、そこまで。……嘘でしょう?」
「もちろん、色々な商会から出された問い合わせや苦情ですよ。その全部にテプラソダイ商会の糸がくっついてましたけどね」
「あぁ……なんて愚かな」
「最後のはテプラソダイ商会の代表自らがお持ちになったようです。何でも、繋がりなどまるでない筈の新入り商会が学園祭の宴席に乗じて中宮彩律様と親しげに面談などしていた、直後だそうで」
「……それで、この街の商人ギルドとクズノハ商会の関係は」
額を抑えながら彩律は足に力を込め、何とか直立を保つ。
「最悪です。店を畳んでツィーゲに失せろ、だそうで。ライドウ君、それでかなり参っている様子で。こんな事があってもすぐに動く気になれないんでしょうね。今は側近も全員揃ってますから各々の意見も彼に告げているでしょうしね」
「う。でも、確かに申し訳ない事ですが。それでもここまでの被害が出ているのに動かないなんて、やはり」
「中宮様が申し訳ない、か。ははは、これはテプラソダイ商会も大変だ。ま、ライドウ君については彼はあれで貴女が思うよりずっと……純粋な人ですから」
「純粋……ですか」
「まあ、でもそろそろ動くでしょうから状況の悲観はしなくていいですよ。貴女ほどの人ならかの商会に対してもしかるべく動くでしょうし、私が言う事はもう何もありません」
「当然、です。罪滅ぼしではありませんが、この件でも今後についても、ライドウ殿やクズノハ商会にはある程度の協力は必要でしょうね。そしてその愚かな商会と、関与次第では叔父にも……罰を受けて頂きませんと。私の言葉を不当に歪め、国益を乱した者として」
「おお恐い。貴女も今の今まで黙認していた事でしょうに」
「あら。それはあくまで政と担う者と、物と金を担う者、お互いに利がある上で、の事でしょう。私の言葉を使い国益に背かぬようどこぞの商会が利益を上げるのは構いませんが、私の言葉を歪め国益を損なう事は許さない。ただ、それだけの事です」
「確かにね。仰る通りです。だから私はローレルが好きなんですよ。柔軟万歳」
「ありがとうございます。私も、クズノハ商会にどう接するべきか、わかった気がします」
「それは良かった」
ルトと彩律はお互いに別方向に進む。
会話の終わり。
彩律はルトから思いがけぬ、だが極めて有用な情報を得た。
害する気などまるでない相手を、結果的に傷付ける。
彼女がいる世界ではよくある事でもある。
取り返しがつかない事も、ままある。
だが今、彩律はルトに感謝している。
そう、彼女はまだライドウとの関係が修復可能だと考えていた。
そして彼女の考えはルトにも、その決意の瞳を通じて伝わった。
「あれは、黙って処理する気だろうね。まあライドウ君達もそうそう突っ込まないだろうし、いずれ知った所でその後の彼女の対応もまとめて知る事になる、と。策士だね。歴代中宮でもかなり優秀だ。さ、クズノハ商会は今日から動くだろうけどこの街はどうなるかなあ。少なくともテプラソダイ商会は消滅確定っと。代表と有力な後援者が同時に消されたらどうにもならないだろうからねえ。ローレルでひっそりと出直しってとこかな。この街では五本の指に入る大商会だったのに、残念残念」
ルトは楽しげに呟く。
その原因はある程度自業自得だとはいえ、ライドウこと真を追い詰めた切っ掛けの一つを、自分の言葉が葬った事を確信していたからだ。
大分曲がりくねっている上に性別と種族を超えてはいるものの。
ルトもまた真に強い愛情を向けている一人だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
何事を始めるにせよ、最適な時期というものがある。
クズノハ商会が動き出したのはまさにそういう時だった。
連絡が途絶えたままながら、各国の救援が始まる、ほんの数日前の事だ。
ルトが読んだ通りの日にライドウとクズノハ商会は行動を開始した。
街に溢れ、学園と商人ギルド主導の傭兵部隊が全力で何体かを討伐しただけの変異体を、吟遊詩人が語る英雄譚の如く狩り始めたのだ。
それはまさに狩り。
圧倒的な力による蹂躙。
たった一日で。
避難所に集まった住民達はクズノハ商会の名を深く心に刻んだ。
避難に協力し、一緒に生活をし、その名に馴染んだ者はそれまでもいたものの。
十分な量ではないながらも食料を配り、避難所の安全を確保し。
跋扈する変異体に対策を練り、そして学園と協力してこれを次々に討伐し。
街の救世主として、その名が刻まれていったのはその日からだった。
「にしても。真君が商人ギルドでやりこめられたの、そこまで怒ってたんだお前たちは。商人ギルドはレンブラントが尽力して風向きも変わりつつあるようだし」
夜空に輝く真の術、街を照らした光の雨を見たルトは、しばらく前まで同じ場所にいた巴に対して呟く。
今は彼一人がそこにいる。
つまり独り言だ。
「ただの一撃、それで魔族達が心血注いだ工作の上に設置した数千もの念話の妨害装置を全滅させる真君も凄いけど、お前達の怒りもまた凄いよねえ……これでロッツガルドでクズノハ商会は救世主様だ。住民は下手をすれば女神の神殿よりクズノハ商会に手を合わせて祈りかねないよ。くくく」
それだけの功績をクズノハ商会はロッツガルドであげた。
ただそれは、誰にも知られずにやれば一片の感謝も生まず、こうして甚大な被害が出てからやれば拝まれるほどに感謝される。
そんな人の世の暗い部分を嘲るような巴のやり方によって明らかになった功績。
もし真が純粋に知っている人を助ける「ついで」に街を救ってしまえば。
恐らく一番尊く讃えられるだろうその行為は、この街での彼とクズノハ商会を逆に追い詰めてしまう。
それが、ルトにはおかしかった。
「いや。それでもやっぱり一番凄いのは真君か。彼の放ったこの一撃の、このタイミング。巴にも言ったけど、神さえ縛り付け服従を強いるような『運命』ってやつが、実は本当に存在するんじゃないかって思うようなこのタイミング。凄いよ、君は。巴の企みでほぼ満点の結果を出せた筈なのに、さらに上乗せで得点を積むんだからね……」
ルトの、ただただ感嘆した言葉が再び暗闇に包まれたロッツガルドの街に溶けた。
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