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第二章 誇り高きルディラント
終話② 救世主に足りないもの
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「……その年で、“それ以外に理由がない”などと、寂しいことを言うな」
ランセムの声が穏やかに、静かに、優しく響いた。
「女神がお前さんにそれを許さぬというのなら、女神に千年逆らい続けたわしが許してやろう。お前さんは自分の命を自分のために使ってよいのだ。否、もっと言えば、自分のために戦わなければどうせ勝てんのだ」
今の総司では、己の欲望のために女神を敵に回すような、野望と執念に満ちた相手に勝てるはずがない。ランセムはかつて、二人きりの飲みの席でそう語った。
「“そうしなければならない”では足りんのだ。お前さんが “どうしてもそうしたい”のだと思える魅力が、千年経ったこの世界にも必ずあると、わしは確信しておる。そうなることで初めてお前さんの剣は、最後の敵の心臓に届くだろう」
かつて、レブレーベントの王女は憤慨した。リスティリアになんの愛着もない異世界の民に未来を預けてどうするのかと。それに対し、総司は、たとえ彼自身には愛がなくとも、これまで総司を助けてくれた人々への恩に報いるため戦うのだと、己の理由を定めた。
ランセムの言う通り、それでは足りないのだ。誰もがそれを見落としていた。総司は「リスティリアへの愛がなくても立ち向かうしかない」と決めつけていた。
今すぐには難しくとも、ゴールはごく単純だ。総司もリスティリアの民と同じように、この世界を愛せば良い。
いつの間にか、ランセムは総司の目の前まで歩を進めていた。
がっと片腕で総司の体に手を回し、力強く抱きしめる。
「見ておるぞぉ、ソウシ。見ておるぞぉ、リシア! 遥か天の彼方から、王はいつでも見ておる。見守るのではない、お前さんたちが、己の望みを探し叶える旅から逃げ出さぬよう見張っておるのだ」
「王ランセム……俺はっ……!」
「忘れるな。お前さんの命は、ただお前さんだけのものだ。好きに生き好きに死ね。誰にもその選択を預けてはならん」
「はいっ……!」
エルマに抱きしめられたまま、動けないでいるリシアから、エルマがそっと離れた。
リシアは涙にぬれた顔でエルマを見る。相変わらず、王妃エルマはにこやかに笑っていた。涙一つ見せず、穏やかに。
「エルマ様……」
「悲しむことはないのですよ」
そっとリシアの頬に触れ、その涙に触れ、エルマは心からそう言った。
「あるべき場所に帰るだけのことです。少し逆らい過ぎました」
「私たちが……私たちが来なければ、きっと……」
「きっと永遠に、あの優しい地獄に囚われたままだったでしょう」
リシアに次の言葉を言わせず、エルマが言う。
「これでよかったのです。それに私たちは幸せ者です。私たちの最後を見届けるのが――――私たちのために泣いてくれるあなたたちで、本当に良かった」
「時間だ」
ランセムが言った。
ランセムとエルマの体も、淡い金色の光が包む。別れの時を告げる優しくも非情な光。ランセムは総司から離れ、エルマの元へと歩く。エルマも静かに微笑みながら歩を進め、ランセムの隣に立ち、その肩を抱かれた。
「王の門出だ。笑えとは言わんがせめて見送れ。お前さんたちしかおらんのだ」
涙をぬぐって、総司がランセムとエルマを見る。リシアは立ち上がることが出来なかったが、それでも何とか二人を見た。
「おぉそうだ。良いか、ソウシ。お前さんが自分の目で確かめることだが、一つだけわしの予想を話しておこう」
ランセムが言う。総司はぐいっと涙を拭って、手を後ろ手に組み、傾聴の姿勢をとった。王族に対する礼儀作法など詳しく知らない総司がせめて示せる敬意の証である。リシアが、初めてアレインと総司が出会ったあの日、こういう姿勢でアレインに挨拶をしたのを覚えていた。
「わしが思うに“最後の敵”の目的は女神の制圧ではない。それは“手段”だ。目的は別にある」
「手段に過ぎない……?」
「ま、これも一介の国王の予想に過ぎん。だがまあ千年この世界におったのでな、わしの勘は多少あてになるかもしれん」
「囚われ過ぎぬように。先ほどの話と同じですよ」
王ランセムが総司とリシアに語った、前提そのものが違う話。エルマはそれを引き合いに出して優しく付け足した。
「“最後の敵”が女神と世界を害することを目的としている――――そういう見方だけでは、見えないものもあるということです。でももうあなた達には、偉そうに“教える”必要なんてないと知っていますけれどね」
「フン、当然だ。そうなるように国一つ使ったのだからな」
総司が力強く頷いた。
「王ランセム、王妃エルマ。ルディラントのこと、絶対に忘れないと誓います。お世話になりました」
「やめろ気持ち悪い。ディージングと同じだ。お前さんの畏まった態度は好かん。お前さんはわきまえるべき時をちゃんとわかっておる。そして今はその時ではない」
「……ああ。会えて良かった」
「上々。これ以上の褒美、望むべくもない」
「最高の終わりですね……私たちは、幸せ者でした……」
海風が吹く。心地よい風が総司の頬を撫で、ランセムとエルマをさらっていく。
「ルディラントの誇りを確かに預けたぞ、ソウシ。その誇りを胸に全力で駆け抜けてみせろ。いずれ、お前さんにも必ず答えが見つけられるはずだ」
「その聡明な頭脳と優しい心で、彼をこれからも助けてあげてくださいね、リシア。あなたの優しさは必ずや、苛酷なあなた達の旅路に差す一筋の光となるでしょう」
それぞれの最後の言葉を残し、ランセムとエルマは旅立った。金色の光が空へ昇り、やがて霞と消え失せる。
総司の膝が落ちた。肩を落とし、脱力したまま、左目を押さえる。
「……お前なら、何とでもできたはずじゃなかったのか……」
ここにいない誰かへ向けて、総司が静かに語り掛けた。リシアは顔を上げて総司を見る。涙を流し、膝をついて座り込んだままの総司の顔は――――怒りと悲しみで歪んでいた。
「すぐそこにいたのに、あんな無残な光景を、お前はただ見ているだけだったのか……? それが自然の流れだったから……それがお前の与えた、ルディラントの運命だったから……?」
小さなそのつぶやきを聞いて、リシアは悟った。総司が、誰に対して怒っているのか。
「……二つ目のオリジンに、辿り着いたぞ」
オリジンの在処はもう知っている。
サリア峠を超えた海岸に生い茂る木々の中にあった、強烈な魔力を発散し、他者の干渉を拒む遺体――――あの遺体こそ、王ランセムの亡骸だ。オリジンはそこにある。
「レブレーベントの時は……呼ばなくても出てきただろうが……!」
誰にもどこにもぶつけられない、どうしようもない感情が、ついに爆発した。気丈にも王の前では耐え続けた総司が、耐えきれなくなって、慟哭の叫びを上げる。
「出てきて俺の質問に答えろよ、レヴァンチェスカァ!!」
手に入れた二つ目の力、無敵の護りを宿す左目の周りを、爪が刺さりそうなほど強く押さえる。右手は傍らに横たわるリバース・オーダーの刃を何度も殴っていた。
「気まぐれも大概にしろ! 何が女神だ、国一つ救えもしねえくせに! 出てきて俺に、納得のいくように説明してみろ! 千年前のことも今起きていることも、テメェがバカみてえに隠してること全部だ!!」
滅多なことでは傷のつかない総司の体、その拳に血がにじむ。リバース・オーダーは女神の加護を受けた最強の剣である。総司の体に与えられた防御を無視できる、数少ない一つだ。
リシアが総司の元へと走り寄って、総司の拳を止めて、両手で優しく包み込む。
「ソウシ」
「……何が上々だ。何が良かっただ。あんな終わりで良かったはずがないのに……」
「最後のあのお二人の顔を見ただろう。笑っていらっしゃった」
陰りのない笑みを浮かべて、ランセムとエルマは旅立った。リシアが優しく、しかし力強く語り掛ける。
「王ランセムの仰る通りだ。私たちは何も知らないまま、狭苦しい視界の中で踊っていただけ。それでは足りないと私たちが気づいたから、王も王妃も笑っていらっしゃった」
「……もらうばかりで、俺は何も出来なかった」
「本気でそう言っているのか? お前は“この国”で、一体何を見ていたんだ?」
最後の歓声を思い出す。満足そうな王と王妃の顔を思い出す。総司にはその自覚がなかっただけだ。総司の来訪はルディラントにとって、物語の終わりを告げるものであると同時に、旅立つ彼らを見送る福音でもあった。
「進もう。そうしなければならないのではなく、私たちがそうしたくてたまらないからだ」
リシアの言葉に、総司が頷く。
幻想の中で繰り広げられた、千年の時を超えた物語は、ここに一つの終わりを迎えたのだった。
ランセムの声が穏やかに、静かに、優しく響いた。
「女神がお前さんにそれを許さぬというのなら、女神に千年逆らい続けたわしが許してやろう。お前さんは自分の命を自分のために使ってよいのだ。否、もっと言えば、自分のために戦わなければどうせ勝てんのだ」
今の総司では、己の欲望のために女神を敵に回すような、野望と執念に満ちた相手に勝てるはずがない。ランセムはかつて、二人きりの飲みの席でそう語った。
「“そうしなければならない”では足りんのだ。お前さんが “どうしてもそうしたい”のだと思える魅力が、千年経ったこの世界にも必ずあると、わしは確信しておる。そうなることで初めてお前さんの剣は、最後の敵の心臓に届くだろう」
かつて、レブレーベントの王女は憤慨した。リスティリアになんの愛着もない異世界の民に未来を預けてどうするのかと。それに対し、総司は、たとえ彼自身には愛がなくとも、これまで総司を助けてくれた人々への恩に報いるため戦うのだと、己の理由を定めた。
ランセムの言う通り、それでは足りないのだ。誰もがそれを見落としていた。総司は「リスティリアへの愛がなくても立ち向かうしかない」と決めつけていた。
今すぐには難しくとも、ゴールはごく単純だ。総司もリスティリアの民と同じように、この世界を愛せば良い。
いつの間にか、ランセムは総司の目の前まで歩を進めていた。
がっと片腕で総司の体に手を回し、力強く抱きしめる。
「見ておるぞぉ、ソウシ。見ておるぞぉ、リシア! 遥か天の彼方から、王はいつでも見ておる。見守るのではない、お前さんたちが、己の望みを探し叶える旅から逃げ出さぬよう見張っておるのだ」
「王ランセム……俺はっ……!」
「忘れるな。お前さんの命は、ただお前さんだけのものだ。好きに生き好きに死ね。誰にもその選択を預けてはならん」
「はいっ……!」
エルマに抱きしめられたまま、動けないでいるリシアから、エルマがそっと離れた。
リシアは涙にぬれた顔でエルマを見る。相変わらず、王妃エルマはにこやかに笑っていた。涙一つ見せず、穏やかに。
「エルマ様……」
「悲しむことはないのですよ」
そっとリシアの頬に触れ、その涙に触れ、エルマは心からそう言った。
「あるべき場所に帰るだけのことです。少し逆らい過ぎました」
「私たちが……私たちが来なければ、きっと……」
「きっと永遠に、あの優しい地獄に囚われたままだったでしょう」
リシアに次の言葉を言わせず、エルマが言う。
「これでよかったのです。それに私たちは幸せ者です。私たちの最後を見届けるのが――――私たちのために泣いてくれるあなたたちで、本当に良かった」
「時間だ」
ランセムが言った。
ランセムとエルマの体も、淡い金色の光が包む。別れの時を告げる優しくも非情な光。ランセムは総司から離れ、エルマの元へと歩く。エルマも静かに微笑みながら歩を進め、ランセムの隣に立ち、その肩を抱かれた。
「王の門出だ。笑えとは言わんがせめて見送れ。お前さんたちしかおらんのだ」
涙をぬぐって、総司がランセムとエルマを見る。リシアは立ち上がることが出来なかったが、それでも何とか二人を見た。
「おぉそうだ。良いか、ソウシ。お前さんが自分の目で確かめることだが、一つだけわしの予想を話しておこう」
ランセムが言う。総司はぐいっと涙を拭って、手を後ろ手に組み、傾聴の姿勢をとった。王族に対する礼儀作法など詳しく知らない総司がせめて示せる敬意の証である。リシアが、初めてアレインと総司が出会ったあの日、こういう姿勢でアレインに挨拶をしたのを覚えていた。
「わしが思うに“最後の敵”の目的は女神の制圧ではない。それは“手段”だ。目的は別にある」
「手段に過ぎない……?」
「ま、これも一介の国王の予想に過ぎん。だがまあ千年この世界におったのでな、わしの勘は多少あてになるかもしれん」
「囚われ過ぎぬように。先ほどの話と同じですよ」
王ランセムが総司とリシアに語った、前提そのものが違う話。エルマはそれを引き合いに出して優しく付け足した。
「“最後の敵”が女神と世界を害することを目的としている――――そういう見方だけでは、見えないものもあるということです。でももうあなた達には、偉そうに“教える”必要なんてないと知っていますけれどね」
「フン、当然だ。そうなるように国一つ使ったのだからな」
総司が力強く頷いた。
「王ランセム、王妃エルマ。ルディラントのこと、絶対に忘れないと誓います。お世話になりました」
「やめろ気持ち悪い。ディージングと同じだ。お前さんの畏まった態度は好かん。お前さんはわきまえるべき時をちゃんとわかっておる。そして今はその時ではない」
「……ああ。会えて良かった」
「上々。これ以上の褒美、望むべくもない」
「最高の終わりですね……私たちは、幸せ者でした……」
海風が吹く。心地よい風が総司の頬を撫で、ランセムとエルマをさらっていく。
「ルディラントの誇りを確かに預けたぞ、ソウシ。その誇りを胸に全力で駆け抜けてみせろ。いずれ、お前さんにも必ず答えが見つけられるはずだ」
「その聡明な頭脳と優しい心で、彼をこれからも助けてあげてくださいね、リシア。あなたの優しさは必ずや、苛酷なあなた達の旅路に差す一筋の光となるでしょう」
それぞれの最後の言葉を残し、ランセムとエルマは旅立った。金色の光が空へ昇り、やがて霞と消え失せる。
総司の膝が落ちた。肩を落とし、脱力したまま、左目を押さえる。
「……お前なら、何とでもできたはずじゃなかったのか……」
ここにいない誰かへ向けて、総司が静かに語り掛けた。リシアは顔を上げて総司を見る。涙を流し、膝をついて座り込んだままの総司の顔は――――怒りと悲しみで歪んでいた。
「すぐそこにいたのに、あんな無残な光景を、お前はただ見ているだけだったのか……? それが自然の流れだったから……それがお前の与えた、ルディラントの運命だったから……?」
小さなそのつぶやきを聞いて、リシアは悟った。総司が、誰に対して怒っているのか。
「……二つ目のオリジンに、辿り着いたぞ」
オリジンの在処はもう知っている。
サリア峠を超えた海岸に生い茂る木々の中にあった、強烈な魔力を発散し、他者の干渉を拒む遺体――――あの遺体こそ、王ランセムの亡骸だ。オリジンはそこにある。
「レブレーベントの時は……呼ばなくても出てきただろうが……!」
誰にもどこにもぶつけられない、どうしようもない感情が、ついに爆発した。気丈にも王の前では耐え続けた総司が、耐えきれなくなって、慟哭の叫びを上げる。
「出てきて俺の質問に答えろよ、レヴァンチェスカァ!!」
手に入れた二つ目の力、無敵の護りを宿す左目の周りを、爪が刺さりそうなほど強く押さえる。右手は傍らに横たわるリバース・オーダーの刃を何度も殴っていた。
「気まぐれも大概にしろ! 何が女神だ、国一つ救えもしねえくせに! 出てきて俺に、納得のいくように説明してみろ! 千年前のことも今起きていることも、テメェがバカみてえに隠してること全部だ!!」
滅多なことでは傷のつかない総司の体、その拳に血がにじむ。リバース・オーダーは女神の加護を受けた最強の剣である。総司の体に与えられた防御を無視できる、数少ない一つだ。
リシアが総司の元へと走り寄って、総司の拳を止めて、両手で優しく包み込む。
「ソウシ」
「……何が上々だ。何が良かっただ。あんな終わりで良かったはずがないのに……」
「最後のあのお二人の顔を見ただろう。笑っていらっしゃった」
陰りのない笑みを浮かべて、ランセムとエルマは旅立った。リシアが優しく、しかし力強く語り掛ける。
「王ランセムの仰る通りだ。私たちは何も知らないまま、狭苦しい視界の中で踊っていただけ。それでは足りないと私たちが気づいたから、王も王妃も笑っていらっしゃった」
「……もらうばかりで、俺は何も出来なかった」
「本気でそう言っているのか? お前は“この国”で、一体何を見ていたんだ?」
最後の歓声を思い出す。満足そうな王と王妃の顔を思い出す。総司にはその自覚がなかっただけだ。総司の来訪はルディラントにとって、物語の終わりを告げるものであると同時に、旅立つ彼らを見送る福音でもあった。
「進もう。そうしなければならないのではなく、私たちがそうしたくてたまらないからだ」
リシアの言葉に、総司が頷く。
幻想の中で繰り広げられた、千年の時を超えた物語は、ここに一つの終わりを迎えたのだった。
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