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手際良くまたモーリスさんがお茶の準備をしてくれる。
その間、ジルの横にべったりと座ったキャロルはにこにこしながらおれを見上げていた。
こうやってみるとやっぱり小さいな、四つくらいかな?小柄なだけかな?ジルとはあまり似てない、強いて言うなら少しウェーブの掛かった髪くらいか。
「今日はユキが作ってくれたんだよ」
「すごい!ユキにいさまはおかしをつくれるのね」
「殆どアンヌさんの力ですよ」
「わあ!キャロ、アンヌのつくったおかしすきよ」
「あ、でも無理はしないでいいですからね」
「むり……?」
「ユキはこの黒髪を気にしているらしいんだ」
「ジル!」
まさか暴露されるとは思わなかったから焦ってしまう。その通りなのに。
キャロルはきょと、とした顔をして、それからすぐににっこりと笑顔を作った。
「ハルヒにいさまもいっていたわ、キャロもとてもきれいだとおもいます!びろーどみたいね」
天鵞絨。一瞬変換に迷ってしまった。
そんな上等のものではないんだけど。おれからしたらよくある髪色だし。
「ユキにいさま、ぜんぜんこわくないわ」
似てないと思ったけど、前言撤回、笑った顔はなんとなくジルと似ている。
髪色なんかはティノと近いのに、ティノのこんな笑顔を見てないからかな、ジルの方を思い出してしまう。
暫くして、お茶を用意したモーリスさんが戻ってきて、失礼します、とおれの横に座る。
どうやらキャロルとお茶をする時は一緒に食べるようだ。キャロルのお願いなんだろうな。
「おいしい!」
「キャロル、ゆっくり食べなさい、ほら口の横が汚れてるよ」
「ごめんなさい、でもこのケーキ、すっごくおいしいの」
「簡単なやつですよ、そんな凝ったの作れないし」
「ううん、キャロこれすっごくすき、まえアンヌのたべたときよりおいしい、なんで?」
「うーん、アンヌさんの腕前が上がったんですかね」
「こっちもたべていーい?」
「どうぞ」
「……!おいしい!」
次々口に運んではおいしいおいしいと瞳を輝かせるキャロルがかわいくて、皆して目尻を下げてしまう。一生懸命無理をしてお嬢様然とした話し方をしているのに、時折崩れるのがまたかわいい。
妹なんていないから知らなかった、なんてかわいい生き物なんだろう。
「そんなに喜んで貰えたら嬉しい、また作ってくるね」
「いいの?うれしいです」
「おれ暇だし、いつでも」
「……ねえ、ユキにいさまはあの、おはながいっぱいのおうちにすんでるのよね?」
「お花?中庭のことかな」
「キャロ、あそこいきたいの。おはなみにいってもいーい?」
「おれは別に……構いませんけど、ジルたちがいいなら」
「やったあ」
きゃっきゃと喜ぶキャロルとは反対に、ジルは少し苦笑いといった感じだ。
何かまずいのかな、そう思ったけど、こんなに喜んでるキャロルの前で話すことではないな、と口を噤む。
「時間だ、残念だが俺は戻ろうかな」
「ジルにいさまもういっちゃうの」
「ああ、この休憩ももぎ取ってきたんだ、どうする?一緒に執務室に行くか?」
「……ううん、じゃましないっておかあさまとやくそくしたの、いそがしいときはいかない」
「そうか」
「……ユキにいさまもかえっちゃう?」
縋るような寂しそうな、青みがかったグレーの瞳がおれを見つめる。
仲の良い兄妹だな~と見惚れてたおれへの流れ弾に、返答に困ってしまう。
おれは全然暇なんですけど。いいのかな。
「ユキが嫌じゃなければ相手をしてやってくれると嬉しい」
「いや、全然おれは……」
「すぐ帰っても構わないし、もし長居するようなら仕事を片付けた後で様子を見に来るよ」
「あー……じゃあもうちょっとキャロルとおはなししようかな」
目線を下げると、もじもじしていたキャロルがぱあっと笑顔になった。うーん、かわいい。
こんなかわいいのと生活しておいておれのことをかわいいかわいい言っていたのか、やっぱりジルはちょっと、いや大分趣味が悪い。
ジルにいさままたあとでね、と手を振るキャロルの額にキスをして、ジルはキャロルの部屋を後にした。
残されたおれたちは残りのおかしに手をつける。
「モーリス、せきかわって」
「はい」
「えへへ、ユキにいさまのとなり~」
びっくりするほどかわいい。こんな子の為ならそりゃ召喚だってするわ。
おれの隣に来たキャロルは、ジルにしていたようにぴったりとくっつく。
本当は、こういうの、マナー的に駄目なんだと思う。
だけどこの子が寂しいのがわかってるから、皆許してしまうんだろう。
「キャロルはいつも遥陽といるの?」
「いつもじゃないわ、ハルヒにいさまもいそがしいもの」
「そっか……」
「みーんないそがしいの、おかあさまもおとーさまも、おにーさまたちも」
「……」
「キャロ、おともだちもいないから、ユキにいさまがきょうきてくれてとってもうれしい」
「キャロル……」
「またきてくれる?」
「……うん、お兄ちゃん暇なこと多いんだ、またすぐに来るね、てか許されるならいつでもあっちのおうちおいで」
「うん!」
不安そうな声が明るくなる。
こんな小さな子が……と思うと、不満ばかり口にしていた自分を殴りたくなる。再度反省した。
「あっちのおうちね、いっかいだけしかいったことないの」
「へえ」
「キャロはすごくいきたいんだけど、みんなだめって。なんでかな?」
あれ、もしかしてジルが苦笑してたのはやっぱり呼んじゃだめだってことなの、言ってよわかんないよ!
その間、ジルの横にべったりと座ったキャロルはにこにこしながらおれを見上げていた。
こうやってみるとやっぱり小さいな、四つくらいかな?小柄なだけかな?ジルとはあまり似てない、強いて言うなら少しウェーブの掛かった髪くらいか。
「今日はユキが作ってくれたんだよ」
「すごい!ユキにいさまはおかしをつくれるのね」
「殆どアンヌさんの力ですよ」
「わあ!キャロ、アンヌのつくったおかしすきよ」
「あ、でも無理はしないでいいですからね」
「むり……?」
「ユキはこの黒髪を気にしているらしいんだ」
「ジル!」
まさか暴露されるとは思わなかったから焦ってしまう。その通りなのに。
キャロルはきょと、とした顔をして、それからすぐににっこりと笑顔を作った。
「ハルヒにいさまもいっていたわ、キャロもとてもきれいだとおもいます!びろーどみたいね」
天鵞絨。一瞬変換に迷ってしまった。
そんな上等のものではないんだけど。おれからしたらよくある髪色だし。
「ユキにいさま、ぜんぜんこわくないわ」
似てないと思ったけど、前言撤回、笑った顔はなんとなくジルと似ている。
髪色なんかはティノと近いのに、ティノのこんな笑顔を見てないからかな、ジルの方を思い出してしまう。
暫くして、お茶を用意したモーリスさんが戻ってきて、失礼します、とおれの横に座る。
どうやらキャロルとお茶をする時は一緒に食べるようだ。キャロルのお願いなんだろうな。
「おいしい!」
「キャロル、ゆっくり食べなさい、ほら口の横が汚れてるよ」
「ごめんなさい、でもこのケーキ、すっごくおいしいの」
「簡単なやつですよ、そんな凝ったの作れないし」
「ううん、キャロこれすっごくすき、まえアンヌのたべたときよりおいしい、なんで?」
「うーん、アンヌさんの腕前が上がったんですかね」
「こっちもたべていーい?」
「どうぞ」
「……!おいしい!」
次々口に運んではおいしいおいしいと瞳を輝かせるキャロルがかわいくて、皆して目尻を下げてしまう。一生懸命無理をしてお嬢様然とした話し方をしているのに、時折崩れるのがまたかわいい。
妹なんていないから知らなかった、なんてかわいい生き物なんだろう。
「そんなに喜んで貰えたら嬉しい、また作ってくるね」
「いいの?うれしいです」
「おれ暇だし、いつでも」
「……ねえ、ユキにいさまはあの、おはながいっぱいのおうちにすんでるのよね?」
「お花?中庭のことかな」
「キャロ、あそこいきたいの。おはなみにいってもいーい?」
「おれは別に……構いませんけど、ジルたちがいいなら」
「やったあ」
きゃっきゃと喜ぶキャロルとは反対に、ジルは少し苦笑いといった感じだ。
何かまずいのかな、そう思ったけど、こんなに喜んでるキャロルの前で話すことではないな、と口を噤む。
「時間だ、残念だが俺は戻ろうかな」
「ジルにいさまもういっちゃうの」
「ああ、この休憩ももぎ取ってきたんだ、どうする?一緒に執務室に行くか?」
「……ううん、じゃましないっておかあさまとやくそくしたの、いそがしいときはいかない」
「そうか」
「……ユキにいさまもかえっちゃう?」
縋るような寂しそうな、青みがかったグレーの瞳がおれを見つめる。
仲の良い兄妹だな~と見惚れてたおれへの流れ弾に、返答に困ってしまう。
おれは全然暇なんですけど。いいのかな。
「ユキが嫌じゃなければ相手をしてやってくれると嬉しい」
「いや、全然おれは……」
「すぐ帰っても構わないし、もし長居するようなら仕事を片付けた後で様子を見に来るよ」
「あー……じゃあもうちょっとキャロルとおはなししようかな」
目線を下げると、もじもじしていたキャロルがぱあっと笑顔になった。うーん、かわいい。
こんなかわいいのと生活しておいておれのことをかわいいかわいい言っていたのか、やっぱりジルはちょっと、いや大分趣味が悪い。
ジルにいさままたあとでね、と手を振るキャロルの額にキスをして、ジルはキャロルの部屋を後にした。
残されたおれたちは残りのおかしに手をつける。
「モーリス、せきかわって」
「はい」
「えへへ、ユキにいさまのとなり~」
びっくりするほどかわいい。こんな子の為ならそりゃ召喚だってするわ。
おれの隣に来たキャロルは、ジルにしていたようにぴったりとくっつく。
本当は、こういうの、マナー的に駄目なんだと思う。
だけどこの子が寂しいのがわかってるから、皆許してしまうんだろう。
「キャロルはいつも遥陽といるの?」
「いつもじゃないわ、ハルヒにいさまもいそがしいもの」
「そっか……」
「みーんないそがしいの、おかあさまもおとーさまも、おにーさまたちも」
「……」
「キャロ、おともだちもいないから、ユキにいさまがきょうきてくれてとってもうれしい」
「キャロル……」
「またきてくれる?」
「……うん、お兄ちゃん暇なこと多いんだ、またすぐに来るね、てか許されるならいつでもあっちのおうちおいで」
「うん!」
不安そうな声が明るくなる。
こんな小さな子が……と思うと、不満ばかり口にしていた自分を殴りたくなる。再度反省した。
「あっちのおうちね、いっかいだけしかいったことないの」
「へえ」
「キャロはすごくいきたいんだけど、みんなだめって。なんでかな?」
あれ、もしかしてジルが苦笑してたのはやっぱり呼んじゃだめだってことなの、言ってよわかんないよ!
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