【完結】人魚姫は今世こそ結ばれたい

鯖猫ちかこ

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 やっぱり躊躇って、意を決して、もう一度皇輝のジャージに手を伸ばす。
 少し指先が震えて、またごくんと唾を飲み込む音が聞こえた。
 自分の意思で皇輝のものを触るのは初めて。当然だけど。

「……おっきい」
「……そういうのは口に出さなくていいから」

 えっ、こないだこんなに大きかったっけ?こんなにまじまじと見てないから記憶があやふやなだけ?えっ?え、でっか……

「いやこれ挿入らないよ!」
「だから少しずつ慣らすって言ってんだろ……」
「こんなの挿入れたらしんじゃうよ……」
「……煽ってるみたいになるのやめて」
「煽ってないい」

 皇輝も更に反応するのやめろ。
 手の中でびくびくしている。生き物みたい。生き物だけど。
 僕のと全然違う。体格とかも違うから当たり前だろうけど。
 でもいつかこんな感じになるのかな?想像出来ないけど。

「こ、これどうしたらいいの……」
「えー……碧がやるって言ったんじゃん」
「だってわかんないんだもん……」
「……くそ、かわいい」
「なんで今」
「あー、その、手、動かすだけでいいから」
「そんなんでいいの」

 ゆっくり手を動かす。ぴくりと皇輝の腰が動いて、眉が寄った。
 ……楽しいかもしんない。えっいや楽しい。
 僕の手に反応してる皇輝かわいい。

「碧の手、ちっせーから自分でやってる時と全然違うな」
「皇輝の手が大きいだけでしょ」
「いや碧の手が小さい」
「……」
「いいじゃん、かわいいって言ってんだよ」
「佐倉だって……女子だって小さいよ」
「今その名前出してくるかね……別に女子と比べた訳じゃなくて、碧だからかわいいんたけど」

 確かに僕は顔はその、結構かわいい寄りの自覚はある。
 でもそれはあくまでも男性としてで、やっぱり女子とは違うのもわかってる。
 人魚姫の前世と比べると、どこもかしこも柔らかさが足りない。
 ……今の皇輝にその記憶はないから、比べられることはないだろうけど。でも代わりに他の女子はたくさんいるから。

「碧」
「んー……」
「またなんか変なこと考えてるな」
「……て、ない」
「考えてんじゃん」

 ほら、と寝転がっていた僕を起き上がらせて、皇輝の足の上に乗っけられる。近い。顔が近い。
 普段座ってても身長差でどうしても距離が出来ちゃうんだけど、膝に乗ったらこんなに近くなるんだ。
 頑張らなくても、このままキスできちゃいそうな……
 ……してほしい、なあ。

「したいの?」
「うん……」
「じゃあしていいよ」
「えっ僕から」
「だって碧がしたいんでしょ」

 その言い方は皇輝はしたくないみたいでずるい。
 でもそう言って拗ねることはなかったのは、まだ皇輝のものが反応してるからかもしれない。
 ……嫌だったら萎えてるもんね。

「……目ェ閉じてて」
「やだ」
「やだじゃない、僕だってやだ、閉じてて!」
「はいはい」

 仕方なさそうに目を閉じた皇輝を、暫くじっと見つめる。
 はー……かっこいー……
 こんなにゆっくり見てられることなんてそうそうない。
 触っていいかな、あ、でも僕皇輝の触っちゃったし、その手で顔、触られるの嫌だよね……

「しないなら目ェ開けるけど」
「あっだめ!」

 慌てて皇輝の唇に自分の唇をくっつける。
 色気も何もないただ唇をくっつけただけのもの。
 一瞬で離れてしまう。

「……終わり?」
「……」
「満足した?」
「……してない」
「もうしなくていいの?」
「……なんかちがう」

 なんかちがう?
 違う、僕が下手くそなだけだ。どうしていいかわからないだけ。
 そんな言い方はなんか皇輝を責めてるみたい。ずるい言い方だった。

「……」
「感情が忙しいね、碧は」
「……僕だってなんも考えてない訳じゃない」
「考えた結果は?」
「……言い方が悪かったです、ごめんなさい」
「よし」
「やっぱり皇輝から……その、ちゅーしてほしい、です」
「……」
「なんで笑うの」

 いやそこまで言うとは思ってなかったから、と笑いながら言う皇輝。
 悔しいけど、でも笑ってるとこもかっこいい、すき。

「まあいいや、かわいいの貰ったから許しましょう、はいお口開けて」
「んあ」
「そこまで大きく開けなくていいんだけど」
「……ぁ」

 恥ずかしくて、小さく開く程度になおしておく。
 だってまだ昨日と今日しかしたことないんだもん、どんなもんかなんてわからなくても仕方ないでしょ……

「んう、ぅ」

 大きな口で、噛みつかれるようなキス。
 でも全然こわくはなくて、もっともっととまた欲が出てくる。
 やっぱり気持ち良くて、躰も頭もとろとろに溶けてしまいそう。

「……ふあ」
「碧、手が止まってる」
「……?」
「碧がやるって言ったのになあ、てか碧もまた勃ってんじゃん、やってるのに興奮してんのかキスに反応したのか、どっち?」
「……どっちも?」
「あーもう、頭回らなくなるの早いな」

 なんかぶつぶつ言ってるのはわかる。近いし。
 怒んないで、と言うと、怒ってねーし、と返された。

「ンあ、えっ、あ、え、や、ぼくじゃないっ……こうきのばんっ……や!」
「このままじゃ寝れないだろ?これで最後な」

 プールの時を思い出す。
 皇輝のものと、一緒に触られてる。熱くてびくびくしてるのが嫌でもわかる。
 あの時と違うのは、皇輝がずっと近くて、何回も、何回も唇を重ねてくれて、優しい言葉を掛けてくれること。

「んッ、んうう、んー……ッ」

 キスをしながら達するのは、流石に全身溶けてなくなってしまうかと思った。
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