【完結】エス★まほ ~エスパーと魔法使い、出会う~

みなづきよつば

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9.エスパーガール

9-4

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「大きな……、石。緑色の……。
カエル色の。それが、目印」

 エマが目をつぶりながら、ぶつぶつとつぶやきだした。
 「大きな緑色の石」って、
 まさか、あのジュエルドラゴンが動かしちゃった、目印のことか⁉
 マナトも、食い入るようにエマを見つめている。

「それと……。桜。桜の木。 
幹に穴があいてる……。
腐ってたおれないか、心配……」

 あの、うろがあいている桜の木まで言い合ててる!
 いや、でも、できすぎじゃないか? 
 ズルとか、してないよな?
 おれは再びエマの心を読もうと集中する。

【これが……あれ……。そう、だから……。
目印……だよ。桜。大丈夫? ……腐らない? 
木の下に……。埋め……。緑色で……。カエル石。
……木と違って、石なら腐らない……。 
たおれない? 穴あいてる……。 
大丈夫だって……。この桜、うろがあるね】

 ぐわ~っと、何人もの人から一気に話しかけられた感覚。
 それだけじゃない。
 緑の石、うろのあいた桜、地面、楽しそうな人々、
 掘り返された土、空、とんでる鳥……。
 たくさんの写真をいっぺんに見せられた感覚もして、
 おれは思わず心を読むのを打ち切った。
 頭の中が、情報で爆発しそうだ。
 これが、今のエマの心の中⁉ 
 こんなヤツ、今まで出会ったことねーぞ!
 エマは目をぎゅっととじて、みけんにシワをよせている。

「インチキ? 本当? 緑の石の下にはなかった。
でも、本物のエスパーなら……。
……本物の、……エス、パー⁉」

 言いながら、ばちっとエマが目をあけた。
 瞬間、おれと目が合ったような気がして、あわてておれは目をそらす。

「どうしましたか、エマさん⁉」

 アナウンサーが近づいて、マイクを差し出す。
 エマは「あ、ええと……」と、なんだか言葉をにごしている。 

「タイムカプセルの場所は、わかったんでしょうか⁉ 
エマさんがしたことはいったい⁉」

 アナウンサーがたたみかけるように質問する。

「あの、え~……。
えっと、まずは落ち着いて! 今から話すよ~!」

 エマはにこっと笑顔をつくった。
 さっきのでつかれてるだろうに、すげえな……。

「ズバリ、緑の石と、うろのあいた桜の木。
それがタイムカプセルの目印でっす!」

 おお~とおとなたちがどよめく。

「そっか、そういえば、桜の木……」

「石のことばかり気にして、忘れてたな」

「思い出した! そういえばわたし、
うろがあいてるから、この桜の木がかれないか心配って思ったわ!」 

「でも、なんでわかったの?」

 あるおとなのひとことで、エマに注目が集まる。

「わたしは、探しものの一部から情報を読み取って、
その探しているもの本体を見つけることができるの」

 アナウンサーが、
「情報を読み取る、とはどういうことでしょうか?」と質問する。

「ものの一部をさわって集中すると、
声や映像がうかんでくるの。
それらを組み合わせて、探しものの場所をみつけるんだ」

「今回は、タイムカプセルの一部がなかったですが……。
それでも、場所がわかったのは、いったいなぜでしょうか?」

「タイムカプセルを埋めたみんなも、タイムカプセルの一部なの。
だからわたしは、みんなから情報を集めて、場所を特定したんだ! 
ほら、みんなに輪になってもらったでしょ? 
あれは、わたしが全員の情報を効率的に集めるために、そうしてもらったの」

 「なるほど、では~……」とアナウンサーが質問を続ける。
 カメラもエマに寄っていって、画面をエマが独占してる状態だ。
 おとなたちには
 「ちょっとお待ちください」と番組スタッフから、
 指示が出ている。
 そんななかで、あるおとなたちのグループが話をしているのが聞こえた。

「すごいわね、エスパーって」

「ああ。でも、おれたちから情報を読み取ったなんて……。
なんだか、ちょっと、気持ち悪い、かも」

「そうよね……。ちょっと……。気味が悪いよね」

 エスパーに対する、悪意のある言葉。
 ……久々に聞いたな。
 ま、普通はそう思うよな。しかたがない。

「すげーな、ホンモノのエスパー! 
タイムカプセルが見つかりそうで、よかったな!
ね、ミサさん!」

 ぎょっとするほどの、マナトのデカい声がした。
 どうやらおれの母さんと会話をしていたらしい。
でも、マナトのヤツ、
「ミサさん」と母さんに同意を求めてるみたいだけど……。
あきらかに、エスパーの悪口を言っていた人々に向かって言ってるな。

「そうねえ。エスパーってすごいわぁ。
見つけてもらえそうで、感謝しかないわね」

 ほんわかした、
 でもどこか有無を言わさない圧力みたいなのがある母さんの返答。
 ふたりのおかげで、
 悪口を言っていたおとなたちは気まずそうにその場を去っていったのだった。
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