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私の担当区域はどこですか?(改稿中)
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ミネルバさんは他の二人と比べて、比較的優しい印象がある。
そんな彼女が私の仕事の相棒をつけてくれたのだけど、タコ触手モップのシンディちゃんというタコなのか触手なのかモップなのか分からない生物(?)を渡された。
(……うん、他の二人と比べるから常識人に思えるだけでミネルバさんも結構アレな感じなんだな)
「ねぇ、ダーク。ヨシヨシちゃんの担当場所はどこにするの?」
「何を言ってるんだ、姉上。この魔王城の全部に決まっているじゃないか」
「ははっ、一部屋10秒で終わらせても一日じゃ終わらないね」
「汚部屋女子の私が出来る速さじゃないですよね!?」
この城全体なんて任されたら一日でハウスキーパー不適合と見なされて殺されてしまう。
(それにしても今更なんだけど……どうして私はこの城に来たんだろう? 何か理由があるのか、それとも本当に偶然でしかないのか……うーん)
「ヨシヨシちゃん、どうしたの? 悩む表情なんて美女にしか似合わないんだからやめなさい?」
「あ、はい……」
これこそ今更だけど、ミネルバさんってちょいちょい私が傷つくことを言ってくる。
けれど、それを言っても反論できないくらいの美女だから仕方ないのだけど。
「とりあえず比較的安全な南区を任せればいいんじゃない? 北区は宝物庫があるし……あ、ちなみに僕の部屋は自分で掃除するこら触んないで」
(宝物庫があるからって、別に私は宝物を盗んだりはしないんだけどな……)
当然ながら疑われていることに少しだけショックを受けている自分がいた。
それが態度に出てしまい、小さなため息を溢せば、アスティさんが不機嫌そうに私のおでこにデコピンをしてくる。
「イダァッ!?」
ちなみにされたのはデコピンなのに、威力は右ストレートを受けたくらいに痛くてその場に蹲ってしまう。
「言っとくけど、宝物庫の物を盗みれるとかは考えてないから」
「へ……」
「うふふ、アスティはヨシヨシちゃんを心配してるのよ。あそこには人間の魂が好きな鏡や身体を乗っ取ろうとする魔物もいたりするから」
ミネルバさんの言葉に少し驚いた。
辛辣チャイルドのアスティさんが私の心配をしてくれていたからだ。
「宝物庫にあるなは結構やお宝ばかりだから、人間なんかの臓物撒き散らされたら敵わないでしょ」
「あ、付き合いは短いですけどそれでこそアスティさんだって感じがします」
思わずツッコミをいれるとアスティさんはこれ以上ないくらいの険しい表情を見せてきた。
「おい、貴様。とりあえず仕事は明日からだ。母上は南国リゾートでバカンスを満喫中だから戻り次第挨拶をさせる」
(ま、魔王の母親か……きっとすごい人なんだろうな)
「ジャンヌ様なら君と気が合うんじゃない? 」
「そうかもしれないわね。お母様は元人間だから」
ミネルバさんの言葉に驚いた。
異世界に来たと思っていたけど、私が知らなかっただけで実はこの魔界とやらも現実に存在していたのかもしれない、と。
もしそうだとしたら、今すぐじゃなくても元の場所に戻れるのではないかと期待に胸が膨らむ。
「そういえば、母上はレール山の麓にある村から一目惚れした父上がさらってきたと言っていたな」
「レール山……?」
「人間の世界で一番高い山の麓よ」
ミネルバさんの言葉にやっぱりここは異世界なのだと認識した。
少なくとも私がいた世界で一番高い山はレールとかいう名前ではないからだ。
(僅かな期待すら打ち砕かれた……)
「とりあえずヨシヨシちゃんは自分の部屋を片付けて、明日からお城の掃除に取りかかればいいわ」
「わ、私の部屋を頂けるんですか?」
「適当にその辺で寝ろと言いたいところだが、我が魔王城には来訪客が多い。ハウスキーパーにうろつかれていると迷惑なのだ」
言われてみればその通りなのかもしれない。
私だって他の人(?)に会うのは遠慮したい。
事情を知らない人に問答無用で殺されそうな気もするから。
「南区にある物置でいいんじゃない? とりあえず寝れるだろうし」
「も、物置……」
ひくり、と表情がひきつるが部屋を与えてもらえるだけマシだとポジティブに考えよう。
「まずは自分の部屋を片付けろ。その片付け具合によっては即処刑するからな」
魔王さんの言葉にビシリと体が固まる。
(私、明日の朝日も拝めないかも……)
「ヨシヨシちゃん、この転移空間門を抜ければ物置につくから、シンディちゃんと頑張ってね」
「は、はい……」
目の前に現れた門の向こうからは奇怪な鳴き声が聞こえてきて足がすくんでしまう。
「シンディちゃん。もし何か襲われたら、ちゃんとヨシヨシちゃんを守ってあげてね」
「グギョッ!」
「鳴いた!?」
「貴様、何を言っている。シンディはタコ触手モップ族なのだから生物に決まっているだろう」
(生き物なんだ、これ……確かにウネウネしてるけど、でもこれを使って掃除って……)
ぐるぐると考えながら、私は門をくぐり、物置がある場所へと移動したのだけどーー……。
「あれ、何でここに人間がいるんだ?」
門を抜けた先の物置では何故か金髪イケメンが樽の中を漁っていたーー。
続く……
そんな彼女が私の仕事の相棒をつけてくれたのだけど、タコ触手モップのシンディちゃんというタコなのか触手なのかモップなのか分からない生物(?)を渡された。
(……うん、他の二人と比べるから常識人に思えるだけでミネルバさんも結構アレな感じなんだな)
「ねぇ、ダーク。ヨシヨシちゃんの担当場所はどこにするの?」
「何を言ってるんだ、姉上。この魔王城の全部に決まっているじゃないか」
「ははっ、一部屋10秒で終わらせても一日じゃ終わらないね」
「汚部屋女子の私が出来る速さじゃないですよね!?」
この城全体なんて任されたら一日でハウスキーパー不適合と見なされて殺されてしまう。
(それにしても今更なんだけど……どうして私はこの城に来たんだろう? 何か理由があるのか、それとも本当に偶然でしかないのか……うーん)
「ヨシヨシちゃん、どうしたの? 悩む表情なんて美女にしか似合わないんだからやめなさい?」
「あ、はい……」
これこそ今更だけど、ミネルバさんってちょいちょい私が傷つくことを言ってくる。
けれど、それを言っても反論できないくらいの美女だから仕方ないのだけど。
「とりあえず比較的安全な南区を任せればいいんじゃない? 北区は宝物庫があるし……あ、ちなみに僕の部屋は自分で掃除するこら触んないで」
(宝物庫があるからって、別に私は宝物を盗んだりはしないんだけどな……)
当然ながら疑われていることに少しだけショックを受けている自分がいた。
それが態度に出てしまい、小さなため息を溢せば、アスティさんが不機嫌そうに私のおでこにデコピンをしてくる。
「イダァッ!?」
ちなみにされたのはデコピンなのに、威力は右ストレートを受けたくらいに痛くてその場に蹲ってしまう。
「言っとくけど、宝物庫の物を盗みれるとかは考えてないから」
「へ……」
「うふふ、アスティはヨシヨシちゃんを心配してるのよ。あそこには人間の魂が好きな鏡や身体を乗っ取ろうとする魔物もいたりするから」
ミネルバさんの言葉に少し驚いた。
辛辣チャイルドのアスティさんが私の心配をしてくれていたからだ。
「宝物庫にあるなは結構やお宝ばかりだから、人間なんかの臓物撒き散らされたら敵わないでしょ」
「あ、付き合いは短いですけどそれでこそアスティさんだって感じがします」
思わずツッコミをいれるとアスティさんはこれ以上ないくらいの険しい表情を見せてきた。
「おい、貴様。とりあえず仕事は明日からだ。母上は南国リゾートでバカンスを満喫中だから戻り次第挨拶をさせる」
(ま、魔王の母親か……きっとすごい人なんだろうな)
「ジャンヌ様なら君と気が合うんじゃない? 」
「そうかもしれないわね。お母様は元人間だから」
ミネルバさんの言葉に驚いた。
異世界に来たと思っていたけど、私が知らなかっただけで実はこの魔界とやらも現実に存在していたのかもしれない、と。
もしそうだとしたら、今すぐじゃなくても元の場所に戻れるのではないかと期待に胸が膨らむ。
「そういえば、母上はレール山の麓にある村から一目惚れした父上がさらってきたと言っていたな」
「レール山……?」
「人間の世界で一番高い山の麓よ」
ミネルバさんの言葉にやっぱりここは異世界なのだと認識した。
少なくとも私がいた世界で一番高い山はレールとかいう名前ではないからだ。
(僅かな期待すら打ち砕かれた……)
「とりあえずヨシヨシちゃんは自分の部屋を片付けて、明日からお城の掃除に取りかかればいいわ」
「わ、私の部屋を頂けるんですか?」
「適当にその辺で寝ろと言いたいところだが、我が魔王城には来訪客が多い。ハウスキーパーにうろつかれていると迷惑なのだ」
言われてみればその通りなのかもしれない。
私だって他の人(?)に会うのは遠慮したい。
事情を知らない人に問答無用で殺されそうな気もするから。
「南区にある物置でいいんじゃない? とりあえず寝れるだろうし」
「も、物置……」
ひくり、と表情がひきつるが部屋を与えてもらえるだけマシだとポジティブに考えよう。
「まずは自分の部屋を片付けろ。その片付け具合によっては即処刑するからな」
魔王さんの言葉にビシリと体が固まる。
(私、明日の朝日も拝めないかも……)
「ヨシヨシちゃん、この転移空間門を抜ければ物置につくから、シンディちゃんと頑張ってね」
「は、はい……」
目の前に現れた門の向こうからは奇怪な鳴き声が聞こえてきて足がすくんでしまう。
「シンディちゃん。もし何か襲われたら、ちゃんとヨシヨシちゃんを守ってあげてね」
「グギョッ!」
「鳴いた!?」
「貴様、何を言っている。シンディはタコ触手モップ族なのだから生物に決まっているだろう」
(生き物なんだ、これ……確かにウネウネしてるけど、でもこれを使って掃除って……)
ぐるぐると考えながら、私は門をくぐり、物置がある場所へと移動したのだけどーー……。
「あれ、何でここに人間がいるんだ?」
門を抜けた先の物置では何故か金髪イケメンが樽の中を漁っていたーー。
続く……
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