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◆扉の前で硬直する馬鹿の話

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「・・・何をしているので?」

手にティーカップを持ったまま固まるジョアンナ様の娘の専属従者に声をかける。

「え・・・あ・・・」
「おや、遂にお嬢様に見限られましたか?」
「っ・・・そんな事っ・・・」
「お前のことです・・・またやらかしましたね?」

ついさっきフロントに立ちすくんでいたお嬢様を見れば・・・まあ、嫌でも分かりますが。

「・・・また、約束を破っちゃって・・・」
「お前は本当に物覚えが悪いですねぇ」

ジョアンナ様に心酔しすぎているのがこの男の悪いところです。
いくらと言って。

「仕えているお嬢様を無視していい訳ではありませんよ?」
「・・・わかってます」

まあ、気持ちは分かります。
ますから。
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