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◆扉の前で右往左往する馬鹿の話
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医務室の廊下前を、唯一の人影が行ったり来たりしているのを呆れて見た。
「何やってるんです」
「うおっ・・・びっくりした・・・」
ちらりと扉に視線を向ける。
「・・・お嬢様はまだお目覚めにならない」
「・・・ええ、そうですね」
お嬢様が倒れたことでジョアンナ様はお心を乱され倒れてしまった。
お嬢様に治癒をかけてすぐベッドに引っ込んだジョアンナ様は、飛んできた専属医師と多くの使用人、そして旦那様に見守られ静かに過ごしておられる。
その輪の中にいつもいるはずの灰銀頭が無く、見に来てみればここにいた。
「・・・医者は、お嬢を見てくれませんか?」
思い詰めた顔でそんなことを言い出したステファーニエに呆れる。
「聖女たる奥様が診たのです、大丈夫に決まっています」
「でもッ・・・」
「それより、奥様が食べやすい食事を出して差し上げねば・・・ほら、お前は奥様のそばにいるかお嬢様を見ていなさい」
そう言って、去っていった廊下で。
物言いたげな顔をしたステファーニエが、己の主のいる部屋を静かに見上げた。
「何やってるんです」
「うおっ・・・びっくりした・・・」
ちらりと扉に視線を向ける。
「・・・お嬢様はまだお目覚めにならない」
「・・・ええ、そうですね」
お嬢様が倒れたことでジョアンナ様はお心を乱され倒れてしまった。
お嬢様に治癒をかけてすぐベッドに引っ込んだジョアンナ様は、飛んできた専属医師と多くの使用人、そして旦那様に見守られ静かに過ごしておられる。
その輪の中にいつもいるはずの灰銀頭が無く、見に来てみればここにいた。
「・・・医者は、お嬢を見てくれませんか?」
思い詰めた顔でそんなことを言い出したステファーニエに呆れる。
「聖女たる奥様が診たのです、大丈夫に決まっています」
「でもッ・・・」
「それより、奥様が食べやすい食事を出して差し上げねば・・・ほら、お前は奥様のそばにいるかお嬢様を見ていなさい」
そう言って、去っていった廊下で。
物言いたげな顔をしたステファーニエが、己の主のいる部屋を静かに見上げた。
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