上 下
47 / 47
傭兵団の聖女マロン

神の独白

しおりを挟む
『ああ······嗚呼』

『僕は正しい。そうだろう?』

『これはやっぱり正しいことなんだ』

『僕の愛し子も、僕と同じ気持ちなんだから、これはきっと正しいんだ』

『だってほら、あんなにも想いあっているのだから!』

『想い合う二人は結ばれるべきで』

『そこにはなんの邪魔も入っちゃいけない』

『これが最後なんだ』

『間違ったらいけないんだ』

『僕がそう定めた』

『これが最後だと、そう言ったんだ』

『始まりは間違ってしまったけど、今度こそ大丈夫なんだ』

『たくさん死んで、生き返して、その度に記憶を失って······』

『酷い死に方も沢山したし、すれ違ってばかりだったこともあったけど······』

『何度も何度もやり直して、その度に邪魔が入ったけど······』

『二人の物語には、僕たちの存在すら入り込んではならないんだよ』

『僕らはただ、見守るだけ』

『もうそれしかすることは出来ない』

『それが正しくて、それが普通なんだ』

『そうだろう?アドキナ······』

『僕の女神』



『憎たらしくて愛するきみ、今度こそ、僕らの愛し子に最上の祝福まじないを与えようじゃないか』
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

王妃となったアンゼリカ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:151,311pt お気に入り:8,039

あなたの愛なんて信じない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:117,882pt お気に入り:4,103

本当に愛しているのは姉じゃなく私でしたっ!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,435pt お気に入り:66

魔物の森に捨てられた侯爵令嬢の、その後。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:166

初恋の王女殿下が帰って来たからと、離婚を告げられました。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:39,490pt お気に入り:6,906

処理中です...