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本編

29話『刺激的な悪夢』☆彡 その①

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もう、一人で寂しい思いをしなくてもいいんだという安心感から、彼の腕の中に包まれて眠りについた。
そんな千隼が静かに寝息をたてた頃、康煕は横になったまま自分のステータスを事細かに解析し始めた
。今のままではレベルも上がらず、大切な想い人を守れないからだ。
そっと吐息を漏らし、千隼の髪を撫でながら己のすべきことを思案するのだった。






※眠りに落ちた千隼は、またしても夢の中にポツンと立っていた。

誰かに追いかけられるような夢でもなく、どこまでも真っ白な空間の中にいる。


「ここ、どこだろ?」


一人だというのに、怖いという思いはないし不安もない。
ただ、不思議な空間・・・。
ふと遠目にだが、見知った男がこちらに向かって歩いてくる。


「あれは・・・、お父さん・・・?」


幼い頃、『お父さん』と呼ぶと怖い顔をして母が留守中に躰を好き勝手触りまくる人。
父は躾だと言うが、成長すれば違うと分かるような内容だった。
僕の目の前まで来ると、案の定、目を吊り上げて腕を捻り上げられ衣服を剥ぎ取られる。


「お父さん!何するの⁉離して!やめてよ!!!?」


男は無言のまま淡々と服を脱がし終えると、いつの間にか用意されたベッドへ千隼を括り付けた。
成長した白い柔肌に手を這わせ、舌で全身を舐め回し、濡れもしない性器に触れ扱き始める。
康煕の時と違うのに、何故か体は刺激で快楽を呼び起こした。


「・・・・・・あぁ・・・・・・っ!」


他の男に無理矢理刺激を与えられてるというのに、素直に反応を示す躰に困惑する。
例え現実と違うと、夢だから覚めれば悪夢を回避できると思っていても、なかなか覚めてくれない。
一度発動したスキルが、途中で解除されるはずもない。

言葉を発しない男は、千隼に刺激を与え続け、思う存分歪んだ感情をぶつけてきた。


「・・・・・・あ・・・・・・やめ・・・・・・ああ・・・・・・っ」


下肢からは、くちゅっくちゅっという音が響き、そして生温かい口でしゃぶられた。


「・・・・・・やだ・・・・・・ああ・・・・・・っ」


手淫と口淫で同時に刺激されて、躰の芯から鋭い快感が走る。


「・・・・・・お願い、もう・・・・・許して・・・・・・」


千隼の口から、かすれた声が勝手に漏れた。














〔結局悪夢になるんだけど、多少は軌道修正できたかな・・・?〕



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