ふざけんな! と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった 旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫(8/29書籍発売)

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あとがきという名の補足(最終話まで読了後の参照推奨)

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どれが一番堪えるかは人それぞれ、と書きましたが如何だったでしょうか。
説明不足というかできるだけ簡潔に を心がけた結果、伝わっていない部分があるみたいなのでちょっと補足。

ルイスが元凶?というお声についてですが、これ、違うんですよね……

番の観念や恩寵、魔法等が根付いてるのはペンタスだけで、他の国からしたら御伽話、童話の世界です。
原作にも魔法は登場していません。
というか、そもそも原作でマリーローズとルイスは一度も邂逅してません。
ルイスはマリーローズの死後、悲劇の話を聞いて呆れただけで、その頃にはエルローゼを妃として迎えていますが、原作では「王女を妃として迎えた王子」としか語られておらず、カザムに来たこともない完全な脇役モブでした。

彼が登場したのは、
現・マリーローズが実家に助けを求めた結果→これに応えた兄のロシエルがSOS→親友の頼みついでにそういやカザムにも妃候補いたな、ついでに探ってくるか、な感じでルイス潜入→陰でこそこそやるのでなく、正面から斬り込んでいくマリーローズに好感を持つ という感じ。
外面がいくらよくても裏では陰湿な真似をする連中を炙り出す役目をずっと担ってきたので、色々溜まってた元社畜の行動力が鮮烈などストライクだったというだけで、現・マリーローズの行動の結果であり、要するに原・マリーローズを死なせなければよかったという話。
死なせてしまったうえ、別の人格が入ったマリーローズ爆誕→ルイス好みの令嬢出来上がり
なのでこれも死なせた側の因果応報、中身が原・マリーローズのままだったらルイスはロシエルの願いで助けはしても恋には落ちなかった。

ルイスは自分の懐に入った人間には手厚いけれど、逆にそうでない人間には非常に淡白かつ冷徹。
原作で候補の中の誰にも心が動いていなかった彼の妃選びは消去法でした。
だから「特にマイナス要素がなかった」エルローゼを受け入れたわけですが、それでも妃として大事にされることを知ったエルローゼは「本来、正妻はこんな風に大事にされるものなのだ」と実感し、引き換えマリーローズの扱いは?と漸く思い至ったわけで。

“幼い頃の婚約“についてですが、正直、“子供の口約束“の域を出ないのですが、「おたくの息子うちの娘に求婚したよね?ね?」的にカザムが粘ったので「じゃあ候補のひとりにしておくね」くらいな感覚。
実際、ルイスの恩寵の力は王を狙えるほど強かったので伴侶選びに慎重になる必要があり、“裏の顔がやべぇ“とルイスが感じない令嬢は一旦候補にしておいて、そこから篩にかけていった感じです。

カザムでエルローゼ王女の評判は悪くなかったし、容姿的に“可愛い“と思っていたのも確か。
けれど一切候補を表沙汰にしないのはエルローゼのように妃の座を狙った襲撃から候補たちを守る狙いもありました。
そんな企みをした時点で候補になり得ない(もしくは外される)のですが、ルイスの恩寵が何かなんて向こうも知りませんから、なんとかライバルを減らしてペンタス王族の仲間入りをしようと必死だったわけです。
じゃあなんでエルローゼが頻繁に襲撃にあっていたかというと作中にあるように「王女はいずれペンタスに嫁ぐ」などと王がちょいちょい調子こいて発言していたからだったりします(笑)

あと、カザムは武の国でも大国でもなく、狙いやすかったのもあるし、そもそもカザムの国王も人望のある人ではなかったので単に“カザムの国王の愛娘“狙いの襲撃も混じっていたのでペンタスのせいのみでもないです。
カザムの王は口は回るけれど人の差配が上手い人ではないですから。

実際、王はアベルには「マリーローズ嬢に見合いの話がある」と婚姻を決心させ、セントレイ伯爵家には「本人が自分のタイミングで話したいと言ってるからアベルが自分で話すまで令嬢には言わないでやってくれ」と言いながらアベル本人には「王女が嫁ぐまで他言は許さぬ」と口止めをするというペテンを働いています。
為政者の方便といえば聞こえは良いですが、国の為ではなく、ただ王女の我儘と自己都合の二枚舌どころか三枚舌、そしてマリーローズ当人には最後まで沈黙。
そりゃ、セントレイ伯爵はじめ家臣にも見捨てられます😅

王女とアベルに意外と同情が集まったのも驚きましたが、この二人はもっと相手の気持ちを尊重した言動さえ出来ればどっちのマリーローズであっても関係なかったんですよね。
相手のためと言いつつ、自分の考えの中では相手は幸せなはずという原理でしか行動しない自己中フルスイングだったから現・マリーローズ(with強い母ズ)から鏡返しをくらい、ルイスの目の前で化けの皮がバリバリ剥がされていき、似たもの同士らしい末路を辿った。

あと、何故王宮の夜会でルイスの正体に国王が気付かなかったかですが、国王もエルローゼも会ったのはその幼い頃の一度きりで成長した姿を知らないのと、ルイスが見た目を変えていたからです。
基本、クラウン・ブルーの色で覚えてますからね。

こういった説明を物語の中に入れると異常に長くなってしまうので省いてしまいましたが、ルイスは本来ならメインキャラクターではなかったんです。
セントレイ伯爵家兄妹の行動力に引っ張りだされた感じ?
ペンタスが舞台の話ではないのであちらの国事情は本編ではかなり割愛させていただきました。
原作では国名すら出て来るのはほんの数回の国なので。

結果、原・マリーローズは「あなたのいない世界がいい」と願ってこの世界から飛び立ってしまい、アベルの願いは「自分の手で」とは言わなかったので、マリーローズは他人の所ではあるものの幸福自体は叶い、ハンナさんは何故か戦闘力マシマシで願いを叶えた形に(笑)

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m

カザム国王の末路が見たい、というコメントもいただきましたので、機会がありましたら書いてみたいです。









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