ふざけんな! と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった 旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫(8/29書籍発売)

文字の大きさ
28 / 29
連載

あとがきという名の補足(最終話まで読了後の参照推奨)

しおりを挟む




どれが一番堪えるかは人それぞれ、と書きましたが如何だったでしょうか。
説明不足というかできるだけ簡潔に を心がけた結果、伝わっていない部分があるみたいなのでちょっと補足。

ルイスが元凶?というお声についてですが、これ、違うんですよね……

番の観念や恩寵、魔法等が根付いてるのはペンタスだけで、他の国からしたら御伽話、童話の世界です。
原作にも魔法は登場していません。
というか、そもそも原作でマリーローズとルイスは一度も邂逅してません。
ルイスはマリーローズの死後、悲劇の話を聞いて呆れただけで、その頃にはエルローゼを妃として迎えていますが、原作では「王女を妃として迎えた王子」としか語られておらず、カザムに来たこともない完全な脇役モブでした。

彼が登場したのは、
現・マリーローズが実家に助けを求めた結果→これに応えた兄のロシエルがSOS→親友の頼みついでにそういやカザムにも妃候補いたな、ついでに探ってくるか、な感じでルイス潜入→陰でこそこそやるのでなく、正面から斬り込んでいくマリーローズに好感を持つ という感じ。
外面がいくらよくても裏では陰湿な真似をする連中を炙り出す役目をずっと担ってきたので、色々溜まってた元社畜の行動力が鮮烈などストライクだったというだけで、現・マリーローズの行動の結果であり、要するに原・マリーローズを死なせなければよかったという話。
死なせてしまったうえ、別の人格が入ったマリーローズ爆誕→ルイス好みの令嬢出来上がり
なのでこれも死なせた側の因果応報、中身が原・マリーローズのままだったらルイスはロシエルの願いで助けはしても恋には落ちなかった。

ルイスは自分の懐に入った人間には手厚いけれど、逆にそうでない人間には非常に淡白かつ冷徹。
原作で候補の中の誰にも心が動いていなかった彼の妃選びは消去法でした。
だから「特にマイナス要素がなかった」エルローゼを受け入れたわけですが、それでも妃として大事にされることを知ったエルローゼは「本来、正妻はこんな風に大事にされるものなのだ」と実感し、引き換えマリーローズの扱いは?と漸く思い至ったわけで。

“幼い頃の婚約“についてですが、正直、“子供の口約束“の域を出ないのですが、「おたくの息子うちの娘に求婚したよね?ね?」的にカザムが粘ったので「じゃあ候補のひとりにしておくね」くらいな感覚。
実際、ルイスの恩寵の力は王を狙えるほど強かったので伴侶選びに慎重になる必要があり、“裏の顔がやべぇ“とルイスが感じない令嬢は一旦候補にしておいて、そこから篩にかけていった感じです。

カザムでエルローゼ王女の評判は悪くなかったし、容姿的に“可愛い“と思っていたのも確か。
けれど一切候補を表沙汰にしないのはエルローゼのように妃の座を狙った襲撃から候補たちを守る狙いもありました。
そんな企みをした時点で候補になり得ない(もしくは外される)のですが、ルイスの恩寵が何かなんて向こうも知りませんから、なんとかライバルを減らしてペンタス王族の仲間入りをしようと必死だったわけです。
じゃあなんでエルローゼが頻繁に襲撃にあっていたかというと作中にあるように「王女はいずれペンタスに嫁ぐ」などと王がちょいちょい調子こいて発言していたからだったりします(笑)

あと、カザムは武の国でも大国でもなく、狙いやすかったのもあるし、そもそもカザムの国王も人望のある人ではなかったので単に“カザムの国王の愛娘“狙いの襲撃も混じっていたのでペンタスのせいのみでもないです。
カザムの王は口は回るけれど人の差配が上手い人ではないですから。

実際、王はアベルには「マリーローズ嬢に見合いの話がある」と婚姻を決心させ、セントレイ伯爵家には「本人が自分のタイミングで話したいと言ってるからアベルが自分で話すまで令嬢には言わないでやってくれ」と言いながらアベル本人には「王女が嫁ぐまで他言は許さぬ」と口止めをするというペテンを働いています。
為政者の方便といえば聞こえは良いですが、国の為ではなく、ただ王女の我儘と自己都合の二枚舌どころか三枚舌、そしてマリーローズ当人には最後まで沈黙。
そりゃ、セントレイ伯爵はじめ家臣にも見捨てられます😅

王女とアベルに意外と同情が集まったのも驚きましたが、この二人はもっと相手の気持ちを尊重した言動さえ出来ればどっちのマリーローズであっても関係なかったんですよね。
相手のためと言いつつ、自分の考えの中では相手は幸せなはずという原理でしか行動しない自己中フルスイングだったから現・マリーローズ(with強い母ズ)から鏡返しをくらい、ルイスの目の前で化けの皮がバリバリ剥がされていき、似たもの同士らしい末路を辿った。

あと、何故王宮の夜会でルイスの正体に国王が気付かなかったかですが、国王もエルローゼも会ったのはその幼い頃の一度きりで成長した姿を知らないのと、ルイスが見た目を変えていたからです。
基本、クラウン・ブルーの色で覚えてますからね。

こういった説明を物語の中に入れると異常に長くなってしまうので省いてしまいましたが、ルイスは本来ならメインキャラクターではなかったんです。
セントレイ伯爵家兄妹の行動力に引っ張りだされた感じ?
ペンタスが舞台の話ではないのであちらの国事情は本編ではかなり割愛させていただきました。
原作では国名すら出て来るのはほんの数回の国なので。

結果、原・マリーローズは「あなたのいない世界がいい」と願ってこの世界から飛び立ってしまい、アベルの願いは「自分の手で」とは言わなかったので、マリーローズは他人の所ではあるものの幸福自体は叶い、ハンナさんは何故か戦闘力マシマシで願いを叶えた形に(笑)

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m

カザム国王の末路が見たい、というコメントもいただきましたので、機会がありましたら書いてみたいです。









しおりを挟む
感想 791

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜

恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」 命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。 その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。 私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、 隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。 毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。 ……しかし、その手紙は「裏切り」だった。 夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。 身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。 果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。 子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。