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館を出たエドワードは、
「待て、この館の警護体制はどうなってるんだ?リーアに専任の護衛は付いてるのか?」
(いくら領主の館といえど家庭教師に専任護衛は付けないだろ、普通)
「今は戦時中じゃないしハワード殿は立派な領主です、そんな心配は無用です」
「だがリーアがいるんだぞ?もし懸想してる奴でもいたら__やっぱり俺が、」
「今さっき きっぱりはっきり断られた人が何言ってんですか、護衛なら私がさっき手配しときましたから」
「お前、いつの間に?!」
「貴方とアルスリーア嬢が舌戦繰り広げてる間にですよ、暇でしたからね!」
「暇ってお前仮にも上司のプロポーズに__」
「するならもっと他にあるでしょう、町が綺麗に見下ろせる丘の上とか花が盛りの湖畔とか!何相手の勤務先に突撃プロポーズとかやっちゃってんですか!そんなだからフラれるんですよ?!」
「や、やり直したら受けてくれるのか?」
「さあ?私はアルスリーア嬢ではないので。とりあえず貴方がこの事に関してへっぽこだということはわかりました」
「へっぽこ……」
部下であるディーンに首根っこを引きずられるように帰って行ったエドワードはその夜たっぷり説教される事になるが、アルスリーアもまた雇い主である夫妻に非常に気不味い説明と詫びを入れることになった。
尤も、ハワードは「後悔しない選択をしなさい」と生温い目で言っただけだったが。
因みに夫人は「結婚式には呼んでね?」と目を輝かせて言って来たので遠い目をして返事に詰まった。
一方エドワードの方は、
「髪をばっさり切って売らせるなんて俺はなんてことを……」
「守るって約束したのに」
「傷心旅行って、別れてないのになんで?」
「まさか旅行先で運命の相手に会ったとか?いや、ゼネビア大学は共学だからまさかそいつと__どこの馬の骨だ?」
「ていうか相変わらずリーア可愛い」
「俺の脳内よりずっと綺麗になってた」
等々、帰り道ずっとブツブツ呟いてディーンを辟易させた。
(自分の脳みそが皺ひとつない綺麗な人間みたいな台詞吐くな!)
(確かに、美しい令嬢ではあった)
髪を引っ詰めて家庭教師らしく地味に全身を覆っていたが、あの髪を結い上げてドレスを着せれば美しい令嬢に仕上がるだろうしこの美丈夫の上司の隣に立つに足りる人物に育っているのは間違いない。
平民家庭の主婦でも娼婦でもなく、貴族の館の家庭教師として凛とした立ち居振る舞いの出来る女性に育っていたことは喜ばしいが、問題は当の本人がエドワードを「知らない人」カテゴリに入れているということだ。
自分達は戦場にいたとはいえ彼女には彼女の戦いがあったのだろうし、「八年放置している間に立派な嫁に育った、良かった良かった」で済むわけがない。
けど彼女に本気でフラれたら多分この上司壊れるだろうな~と容易に想像のついたディーンは、(とことん付き合うしかないか……)と覚悟を決めた。
「待て、この館の警護体制はどうなってるんだ?リーアに専任の護衛は付いてるのか?」
(いくら領主の館といえど家庭教師に専任護衛は付けないだろ、普通)
「今は戦時中じゃないしハワード殿は立派な領主です、そんな心配は無用です」
「だがリーアがいるんだぞ?もし懸想してる奴でもいたら__やっぱり俺が、」
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「お前、いつの間に?!」
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一方エドワードの方は、
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「傷心旅行って、別れてないのになんで?」
「まさか旅行先で運命の相手に会ったとか?いや、ゼネビア大学は共学だからまさかそいつと__どこの馬の骨だ?」
「ていうか相変わらずリーア可愛い」
「俺の脳内よりずっと綺麗になってた」
等々、帰り道ずっとブツブツ呟いてディーンを辟易させた。
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(確かに、美しい令嬢ではあった)
髪を引っ詰めて家庭教師らしく地味に全身を覆っていたが、あの髪を結い上げてドレスを着せれば美しい令嬢に仕上がるだろうしこの美丈夫の上司の隣に立つに足りる人物に育っているのは間違いない。
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自分達は戦場にいたとはいえ彼女には彼女の戦いがあったのだろうし、「八年放置している間に立派な嫁に育った、良かった良かった」で済むわけがない。
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