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門兵は知らない女の命令に目を白黒させていたが、相手が王族を名乗る以上、強行手段をとるわけにもいかず、報告と指示を仰ぎに走り、事態に眉を顰めた王妃とそれを見た国王が顔を青くしたものの、「長引かせても面倒」という王妃の判断によりあのお茶会へと繋がったのだ。
王家の影を張り付け、「一挙一動全てを余さず報告なさい」「フェンティ夫人に害が及びそうなら捕縛して良し」との命令も出ていたが、レベッカは王宮への滞在が認められたことから自分の推測が正しいと確信し、早速メイドや兵士を懐柔するという行動に出たのだ。
全て筒抜けとは知らずに。
因みに庭園でアルスリーアに離婚を迫った時に捕縛されなかったのは、アルスリーアの返しが見事すぎて影が出るまでもなかったのと、その報告を受けた王妃が心底愉快そうに笑ったので問題にならなかっただけだと知る者は少ない。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
お茶会で初めて見たエドワードの幼馴染の娘は、鮮やかな赤い髪とエドワードよりもさらに濃い青い瞳を持っていた。
さぞ貧相な小娘だろう、いかに自分が矮小な存在なのか思い知らせて嘲笑してやると息巻いていたレベッカは驚愕した。
腰まで長くした赤い髪は太陽の下で明るく煌めいていて、瞳の青を殊更強調していた。
体つきも出るところはきっちり出ており、なのにウエストは細い。
着ているドレスも高級品なのがひと目でわかり、またそれを何でもない物のように着こなしているのを見てレベッカは歯噛みした。
粗が見つからない。
地味で貧相な小娘を想像していたのに、目の前にいる娘は華やかな容姿をしていた。
王族の自分の前ではもっと萎縮しているはずなのに堂々としていた。
お茶を飲む所作も美しく、王妃も親しげに声をかけている。
気に入らない。
何よ、これ。
その女、地方領主の妾だったんでしょう?
なのに何故ここの王妃も、友人だという公爵夫人までその娘を認めたような態度を取るの?
そんな女、エドワード様に相応しくないわ!
そう言ってやろうとしたら、私はその場から女性騎士の手によって強制的に退がらされてしまった。
それが許せず、頭の良い私はあの女が帰る際に通るだろう道を予測して待ち伏せた。
そして「早く離婚しなさい」と言ってやったのに、あの女ときたら!
貴女の名前など夫から聞いたことがない。
ミレスナなんて(小さな)国は(地図でしか)知らない。
貴女が本物の王女かどうかもわからない。
仮に本物だとしても、初めて会ったばかりの人間のいうことをきく道理がない。
そう言って私の言葉を流し、するりとその場を去ったのだ。
まるで私の存在など自分には関係ないモノのように___許せない。
身分低い娘のくせに、あんな豪華なドレスを着て、淑女然として振る舞うなんて。
動きにくいドレスを着ているはずなのに、あんなに優雅な所作で歩き去るなんて。
あの女の腰から下の布が翻る様を思い出し、レベッカは苛々する。
エドワード様が戻るまで、妾をしていたような女のくせにっ!
まともな教養なんか、身についていない女のくせに!
何故、あんなに優雅に振る舞うのよ?!
レベッカはこの感情の意味がわからず、不満を募らせ、物に当たり、やがてひとつの結論に辿り着いた。
「そうよ。あの女___ば、良いんじゃない?」
そう醜悪に笑いながら、父王に手紙を書いた。
以前エドワードに書く内容に戸惑っていたのと違い、すらすらとペンを走らせ、王家の封蝋をして早馬を走らせた。
あとはお父様がうまく取り計らってくれるだろう。
王家の影を張り付け、「一挙一動全てを余さず報告なさい」「フェンティ夫人に害が及びそうなら捕縛して良し」との命令も出ていたが、レベッカは王宮への滞在が認められたことから自分の推測が正しいと確信し、早速メイドや兵士を懐柔するという行動に出たのだ。
全て筒抜けとは知らずに。
因みに庭園でアルスリーアに離婚を迫った時に捕縛されなかったのは、アルスリーアの返しが見事すぎて影が出るまでもなかったのと、その報告を受けた王妃が心底愉快そうに笑ったので問題にならなかっただけだと知る者は少ない。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
お茶会で初めて見たエドワードの幼馴染の娘は、鮮やかな赤い髪とエドワードよりもさらに濃い青い瞳を持っていた。
さぞ貧相な小娘だろう、いかに自分が矮小な存在なのか思い知らせて嘲笑してやると息巻いていたレベッカは驚愕した。
腰まで長くした赤い髪は太陽の下で明るく煌めいていて、瞳の青を殊更強調していた。
体つきも出るところはきっちり出ており、なのにウエストは細い。
着ているドレスも高級品なのがひと目でわかり、またそれを何でもない物のように着こなしているのを見てレベッカは歯噛みした。
粗が見つからない。
地味で貧相な小娘を想像していたのに、目の前にいる娘は華やかな容姿をしていた。
王族の自分の前ではもっと萎縮しているはずなのに堂々としていた。
お茶を飲む所作も美しく、王妃も親しげに声をかけている。
気に入らない。
何よ、これ。
その女、地方領主の妾だったんでしょう?
なのに何故ここの王妃も、友人だという公爵夫人までその娘を認めたような態度を取るの?
そんな女、エドワード様に相応しくないわ!
そう言ってやろうとしたら、私はその場から女性騎士の手によって強制的に退がらされてしまった。
それが許せず、頭の良い私はあの女が帰る際に通るだろう道を予測して待ち伏せた。
そして「早く離婚しなさい」と言ってやったのに、あの女ときたら!
貴女の名前など夫から聞いたことがない。
ミレスナなんて(小さな)国は(地図でしか)知らない。
貴女が本物の王女かどうかもわからない。
仮に本物だとしても、初めて会ったばかりの人間のいうことをきく道理がない。
そう言って私の言葉を流し、するりとその場を去ったのだ。
まるで私の存在など自分には関係ないモノのように___許せない。
身分低い娘のくせに、あんな豪華なドレスを着て、淑女然として振る舞うなんて。
動きにくいドレスを着ているはずなのに、あんなに優雅な所作で歩き去るなんて。
あの女の腰から下の布が翻る様を思い出し、レベッカは苛々する。
エドワード様が戻るまで、妾をしていたような女のくせにっ!
まともな教養なんか、身についていない女のくせに!
何故、あんなに優雅に振る舞うのよ?!
レベッカはこの感情の意味がわからず、不満を募らせ、物に当たり、やがてひとつの結論に辿り着いた。
「そうよ。あの女___ば、良いんじゃない?」
そう醜悪に笑いながら、父王に手紙を書いた。
以前エドワードに書く内容に戸惑っていたのと違い、すらすらとペンを走らせ、王家の封蝋をして早馬を走らせた。
あとはお父様がうまく取り計らってくれるだろう。
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