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しおりを挟む「おねえちゃん、ハルにいまってよ~!」
「もう、美咲ったらおそい!おいてくよ~」
「やっ、やだ!みさきのことおいていかないでっ。うっぅ」
「ほら、美咲まってやるから落ちつけ。あんまり泣くとまた苦しくなっちゃうよ」
「花梨もちょっとそこでまてよ!今美咲といくから!」
「わかった!美咲ゆっくりおいで~」
「うっ、ゔん。ハルにい。おねえちゃんありがとう。ひっひっく」
「あーあーあー」
「ほら、そんな泣いてばっかいるとまた顔がまっかになんぞ!手繋いでやるから一緒にいくぞ!」
「うん!!」
優しい彼の言葉に差し出された右手を見上げれば、彼の顔は既に姉を追っていた。
いつもそう。
自由な姉と姉をフォローする彼。そんな二人に憧れてついて回る私。
いつからか彼に対する憧れは時を重ねる度に熱い思いに変わり同時に辛く冷える様にも思えた。
だって、彼は、自由な姉が好きだから____________。
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これでもかって程空が黒くなってから、やっとわたしは家に帰る決意をした。
「ただいま~」
さっきとは違い大きな声で帰宅を告げる。
「美咲おかえり~遅かったね?」
姉が部屋着でゆっくりと階段を下りてくる。
(良かった。お姉ちゃん一人みたい)
「お姉ちゃんただいま。今日はちょっと友達と遊びにいってたの!」
「そうなんだ?さっきまでハルも居たのに~。入れ違いだったね」
思わずその名前に顔がこわばるのがわかる。
「はる兄来てたんだね!会いたかったなあ」
その後は両親が帰ってきて夕食に呼ばれたが、今はお姉ちゃんの顔をみるのがなんだか怖くてお腹がすいていないと嘘をついた。
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