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空気
しおりを挟む「あ、あの。どういう事でしょう。マリウス様が悩んでいた私の態度とは?」
ふうー。
マリウス様は目を閉じ息を吐くとゆっくりと口を開いた。
「人形姫」
「ふぇ?」
「ローズ。君の事だよ?人形姫」
「私ですか?」
「そう。昔の君は無邪気で好奇心旺盛でおっちょこちょいで。そして誰よりも笑い周りと笑いあうのが好きな子だったよね」
うっ。
やっぱりおっちょこちょいだと思われていたのですね。
「それがいつからか、完璧となり笑顔を見せず、1人で過ごすことが多くなった。理由もきっかけも分からない私はローズが無理をしている様にも見えて辛かった。君に距離をとられた様で、昔の様に過ごせない事も寂しかったんだよ」
「そんな時にリーチェと出会って、昔の君の様な無邪気さに思わずローズの事を話したら協力してくれると言ってくれたんだ」
「ふーん。失礼ですが、僕から見てもあなた達の関係性は友人を越えているように見えましたが何故あんなことを?」
「昔のローズと私を演じていたんだ。勿論友人として普段は節度ある付き合いをしていた。ローズが入学して、私とリーチェの接している所を見たら、少しは意識してくれるんじゃないかとリーチェが話してくれてね。それでローズと過ごした頃を再現するかの様に見せていたつもりだったんだ」
「結果君は友人のお陰で笑顔を取り戻してくれた様だ。やはり私はもう不要かな」
「そ、そんな!私昔も今もマリウス様の事を信じて、マリウス様へ認めて頂きたくて頑張っていたのに。私にとってマリウス様が不要だなんてある訳ないじゃないですか!」
「そうなのかい?私はてっきりローズに好かれていなくて今回も君に私以外の大切な人ができたのかと」
「もちろん!ヴェル様が大切な友人である事ら変わりありません。
でもマリウス様は昔も今も私の婚約者で大切な人です。私マリウス様にリーチェ様を見習う様に言われて、それで振る舞いや表情をリーチェ様を見て勉強しましたの!そしたらヴェル様という素敵な友人もできて、最近は周りの方々からも話かけて頂ける事が多くなりましたの!これもマリウス様のおかげですね」
「ローズ。そうか。君の今回の振る舞いは私がきっかけだったんだね」
何故かマリウス様が項垂れている様に見える。
なんでだろ?コテッ
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