【完結】貴方と貴方のとなりのあの子を見倣います!

文字の大きさ
13 / 15

あれから

しおりを挟む
あれから。




私とマリウス様はお互いの話をした。
私が人形姫と呼ばれるきっかけを話したら、何故かマリウス様は「それも私のせいだったのか」とかなんとかブツブツ言いながら項垂れていた。どうしたんだろう。

でも私もマリウス様にあの時の話を聞いて凄く驚いたの。
だって!

あの日はいつも冷静なレーナが好きな人と上手くいっている事に浮かれて、マリウス様から私への言伝を伝え忘れていた事に苦言を申していたらしい。



正確には
「レーナきにしないで。常に冷静沈着な君がミスをするなんて微笑ましいよ(一度だけのミスならしょうがない)。でも普段のキミ冷静沈着なの方が好ましいから(次同じ様なミスをしたらわかってるよね)これからも頑張ってね」
らしい。

あまりの勘違いに頬が熱くなってしまったの。



「私はローズが好きだよ。勿論人形姫と呼ばれるのが本当の君自身ならそれでいい。でも私の為に本当の自分を偽らないでくれ。昔も今もローズ。君を愛してるよ」

「マリウス様。私もマリウス様の事大好きです。今まで私はマリウス様に妹の様にしか見てもらえてないって。リーチェ様を見た時言葉にできないもやもやがあって、私もっと頑張らなきゃって」

思いかえせば、
今まで独りよがりな努力をしてきたけど、本当は私の気持ちを素直に伝えたら良かったのね。
言葉で伝えずに気づいてほしいって思ってたのね。

思わず自分の浅はかさに涙が溢れてしまう。



マリウス様は目を見開き、優しく私をつつんでくれた。
そして昔の様に優しく背中を摩りながら静かに私が落ちつくのを見守ってくれている。

「ローズ。私も君の気持ちを理解せず勝手に君の為といいつつ、結果不安にさせてしまいすまなかった。これからはお互いに話をして聞いていこう。そして努力も不安も2人で分かち合っていこう」












私は言葉にせず、マリウス様の背にそっと手をのばした。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

頑張らない政略結婚

ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」 結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。 好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。 ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ! 五話完結、毎日更新

【完結】探さないでください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
私は、貴方と共にした一夜を後悔した事はない。 貴方は私に尊いこの子を与えてくれた。 あの一夜を境に、私の環境は正反対に変わってしまった。 冷たく厳しい人々の中から、温かく優しい人々の中へ私は飛び込んだ。 複雑で高級な物に囲まれる暮らしから、質素で簡素な物に囲まれる暮らしへ移ろいだ。 無関心で疎遠な沢山の親族を捨てて、誰よりも私を必要としてくれる尊いこの子だけを選んだ。 風の噂で貴方が私を探しているという話を聞く。 だけど、誰も私が貴方が探している人物とは思わないはず。 今、私は幸せを感じている。 貴方が側にいなくても、私はこの子と生きていける。 だから、、、 もう、、、 私を、、、 探さないでください。

身代わりーダイヤモンドのように

Rj
恋愛
恋人のライアンには想い人がいる。その想い人に似ているから私を恋人にした。身代わりは本物にはなれない。 恋人のミッシェルが身代わりではいられないと自分のもとを去っていった。彼女の心に好きという言葉がとどかない。 お互い好きあっていたが破れた恋の話。 一話完結でしたが二話を加え全三話になりました。(6/24変更)

あなたが遺した花の名は

きまま
恋愛
——どうか、お幸せに。 ※拙い文章です。読みにくい箇所があるかもしれません。 ※作者都合の解釈や設定などがあります。ご容赦ください。

彼はヒロインを選んだ——けれど最後に“愛した”のは私だった

みゅー
恋愛
前世の記憶を思い出した瞬間、悟った。 この世界では、彼は“ヒロイン”を選ぶ――わたくしではない。 けれど、運命になんて屈しない。 “選ばれなかった令嬢”として終わるくらいなら、強く生きてみせる。 ……そう決めたのに。 彼が初めて追いかけてきた——「行かないでくれ!」 涙で結ばれる、運命を越えた恋の物語。

君を自由にしたくて婚約破棄したのに

佐崎咲
恋愛
「婚約を解消しよう」  幼い頃に決められた婚約者であるルーシー=ファロウにそう告げると、何故か彼女はショックを受けたように身体をこわばらせ、顔面が蒼白になった。  でもそれは一瞬のことだった。 「わかりました。では両親には私の方から伝えておきます」  なんでもないようにすぐにそう言って彼女はくるりと背を向けた。  その顔はいつもの淡々としたものだった。  だけどその一瞬見せたその顔が頭から離れなかった。  彼女は自由になりたがっている。そう思ったから苦汁の決断をしたのに。 ============ 注意)ほぼコメディです。 軽い気持ちで読んでいただければと思います。 ※無断転載・複写はお断りいたします。

あなたを愛する心は珠の中

れもんぴーる
恋愛
侯爵令嬢のアリエルは仲の良い婚約者セドリックと、両親と幸せに暮らしていたが、父の事故死をきっかけに次々と不幸に見舞われる。 母は行方不明、侯爵家は叔父が継承し、セドリックまで留学生と仲良くし、学院の中でも四面楚歌。 アリエルの味方は侍従兼護衛のクロウだけになってしまった。 傷ついた心を癒すために、神秘の国ドラゴナ神国に行くが、そこでアリエルはシャルルという王族に出会い、衝撃の事実を知る。 ドラゴナ神国王家の一族と判明したアリエルだったが、ある事件がきっかけでアリエルのセドリックを想う気持ちは、珠の中に封じ込められた。 記憶を失ったアリエルに縋りつくセドリックだが、アリエルは婚約解消を望む。 アリエルを襲った様々な不幸は偶然なのか?アリエルを大切に思うシャルルとクロウが動き出す。 アリエルは珠に封じられた恋心を忘れたまま新しい恋に向かうのか。それとも恋心を取り戻すのか。 *なろう様、カクヨム様にも投稿を予定しております

変人令息は悪女を憎む

くきの助
恋愛
「ブリジット=バールトン。あなたを愛する事はない。」 ああ、ようやく言えた。 目の前の彼女は14歳にしてこれが二度目の結婚。 こんなあどけない顔をしてとんでもない悪女なのだ。 私もそのことを知った時には腹も立ったものだが、こちらにも利がある結婚だと割り切ることにした。 「当初話した通り2年間の契約婚だ。離婚後は十分な慰謝料も払おう。ただ、白い結婚などと主張されてはこちらも面倒だ。一晩だけ付き合ってもらうよ。」 初夜だというのに腹立たしい気持ちだ。 私だって悪女と知る前は契約なんて結ぶ気はなかった。 政略といえど大事にしようと思っていたんだ。 なのになぜこんな事になったのか。 それは半年ほど前に遡る。

処理中です...