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第十八話【過去との出会い】
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かれこれ三十分は経っただろうか。もうだいぶ前から気になっている。大音量で音楽を聴いてるこいつは何をしに来たんだ。イヤホンから音がダダ漏れしてて集中出来ない。チラッと田中を見ると、普通に勉強している。慣れてるんだな。
それからまた三十分。流石に限界だ。俺は山下のイヤホンを耳から外す。
「おい、勉強やる気ないならせめて音楽の音小さくしろよ」
「何よ、どうしてたって私の勝手でしょ!」
「こっちは受験勉強しに来てるんだ。邪魔するなら帰れよ」
「何よ、それ。私を除け者にする気? だいたいあんただって、私の告白聞いたまま何も答えてないじゃない」
「それは今と関係ないだろ! そもそもそんな言い方じゃ本当に好きだなんて信じられねぇんだよ」
「何それ、乙女に対してそんなこと言うなんて、信じらんない!」
売り言葉に買い言葉が続き、俺は頭に血が上ってさらに拍車をかけてしまう。
「だいたいなんなんだよその態度。見た目がちょっと可愛いからって、中身は俺俺じゃねぇか。だから恋人いねぇんじゃねぇのか?」
「何それ、ヒドイ。頭来た」
山下は急に席を立ち、教室から出て行く。
「おい、どこ行くんだよ」
「トイレよ、馬鹿」
静まり返る教室の中、俺は田中に謝った。勝手に喧嘩始めて、勝手に場を荒らして、この場を用意してくれた田中に申し訳なかった。
「ごめん、喧嘩して」
「大丈夫ですよ。すぐ戻って来ますから」
まるで母親が子供を見るように優しい目をしていた。通じ合ってるってこういう感じなんだろうな。いつも安心を寄せているというか、何か友達以上な感じもする。俺は気になって聞いてみた。
「なぁ、あいつと田中は小学校からずっと同じ学校なんだよな? いつもこんな感じなのか?」
田中はノートに書いていた数式を止めて、顔を上げた。
「んー、だいたいあんな感じですけど、世中先輩の時はちょっと違う感じがします。きっと本当に好きになったから、感情が強く動いてるんだと思います。私はそんな彼女が羨ましいです」
「にしても強すぎじゃないか?」
「一美ちゃんにも色々あるんですよ」
「色々って何だよ」
「色々は、色々です」
田中は何かを隠すように、数式を書き始めた。色々って言ったって、こんな気持ちじゃ相手の誠意にだって答えられない。確かに会った時間は短いけど、こんなに合わない性格の人と普通に接していられる田中に興味が湧いた。そしてしばらくしてから俺は切り出した。
「すまん田中、俺やっぱりその色々って話聞きたいんだ」
「んー、それは一美ちゃんのことですから」
困った顔をしている田中には悪いけど、本音を言うことしにした。両手を合わせて頭を下げる。
「俺さ、告白されたのって実は初めてなんだ。だからどうして良いか分からない。でも本当に好きという気持ちで言ってくれたんだとしたら、ちゃんと向き合って答えを出したいと思ってる。でもあんな感じで言われると、馬鹿にされてるだけな気がして。ムッとして話が進まないんだ。あいつが本当のことを言っているのか分からないんだ」
田中はまた手を止めて俺を見た。しばらく考えた後、何かを心に決めたように頷いた。そして立ち上がり、窓の方へ歩いた。
「一美ちゃんは、両親がいないんです」
俺は田中の方を見た。彼女は窓の外を見たまま話し続ける。
「正確には、彼女が小学六年の時、交通事故で亡くなったんです。一美ちゃんは後ろに乗っていたから何とか一命をとりとめました。それからはおばあちゃんと二人暮らしです。もともと裕福な家庭だったので、遺産で一生暮らしていけるそうです。でも幼い彼女にはそんなことどうでも良い。世界に一人しかいないお父さんとお母さんが、急にどこにもいなくなったんです。本当に辛かったと思います。それから一美ちゃんは、周りの人へ強く当たるようになりました。私はどうすることも出来ず、変わってく彼女を見ていることしか出来なかった」
田中の頬に涙がつたう。もしかして俺は、聞いてはいけない事を聞いてしまったのかも知れない。
「もちろん私にもきつく当たってきました。両親がいなくなったことを信じたくない気持ちが、いつしか人が信じられない気持ちへと変わっていったんです。中学生の時、彼女は学校へ来なくなりました。でも私はまた仲良くなりたくて、毎日学校が終わってから一美ちゃんの家へ行きました。でも毎回インターホンでおばあちゃんが、『今日も会いたくないって、ごめんね』って。それでも毎日行きました」
田中は窓ガラスを指でなぞる。その指には儚さを感じだ。
「そして夏休みに入って初めて家に入れてもらえました。一美ちゃんは部屋の中で泣いていました。その姿を見て私はゾッとしました。彼女はガリガリに痩せて、髪は真っ白になり、目は酷いクマで生きてる感じがしなかったんです。テーブルにはノートが何冊もあり、書きかけのノートは『ごめんなさい』という文字で埋め尽くされていました。私は彼女を抱き寄せました。でも、来ないでって突き飛ばされました。『私の近くに来ると死んじゃうから』って。あの子は両親が死んだ事を、自分のせいだと思ってたんです。自分が遊びに行きたいって言わなければ、あの時自分が後ろに座ってなければ、って、ずっと一人で抱えてたんです」
田中の頬に涙の跡が乾く暇はなかった。俺は一字一句聞き逃さないように聞いた。
「だから私は、何度も何度も、突き放される度に彼女を抱き寄せました。もう大丈夫だよ、私がいるよって。それ以外何も言葉は出て来ませんでした。でも感じたんです。この子はこのままじゃ本当に壊れてしまう。誰か救ってくれる人を待ってるって。それからも時間の許す限り毎日会いに行きました。ただただ彼女を抱き抱えるために。それから少しずつ、話せるようになってきて、中学三年の時には学校に来れるようにまでなりました」
「その間ずっと山下の家に通い続けたのか?」
田中は振り返り、笑顔を作る。
「だから、一美ちゃんのこと、嫌いにならないで欲しいんです。あの子は誰よりも人が、自分が怖いんです。映画を観たあの日、車から救ってくれたあなたは、きっとあの子にとって特別なんです」
俺はもう何も言えなかった。こんなことを言わせてしまった事を悔やむ。人にはそれぞれの人生がある。その人だと思って見ているのは氷山の一角にしか過ぎない。馬鹿にして良い人生なんて一つもないんだ。
「これは世中先輩だから言いました。先輩は不思議な力があると思います。人の心を溶かすような、何かが。だから今の話は誰にも言わないで下さいね。もちろん、一美ちゃんにも」
「分かってる。話してくれてありがとう」
「一美ちゃん、たぶんトイレには行ってないと思いますよ。こういう時はソフトクリームを買ってるか、人のいないところにいます。たぶん屋上だと思います」
「恩に着る」
俺は教室から出た。
屋上には風に吹かれる山下が街並みを眺めていた。俺は駆け寄り、謝ろうとした。
「山下、さっきは」
それより先に、山下は言葉を風に乗せた。
「さっきはごめん。急に怒って」
「山下?」
「私も悪いクセだと思ってる。でもなかなか直らなくて、いっつも後で反省するんだけど、また元に戻っちゃう。嫌になっちゃうよね。こんな性格だと人から嫌われちゃうのも分かってる。私だってわざと避けて通る道もあるの。でもあんたは何故か真っ直ぐ向かってきてくれる。それが嬉しかったわ」
ちょいちょい、とこっちに来るように手招きされた。そして手を掴み身体を引き寄せられる。そのまま彼女は、俺の頬にキスをした。
「順番が逆だったかな。まぁ良いか」
山下は手を後ろに組み、まっすぐ目を見つめてくる。
「私、やっぱりあんたのことが好き。あの時助けてくれたあんたは、ヒーローみたいだった。ありがと」
強い風が吹き、山下の髪は無造作に揺れる。俺の気持ちのように。
「あ、でも返事は今じゃなくて良いよ。今のは私の感謝の気持ちだから。これで少しは信じてくれた?」
俺は何も言わず頷く事しか出来なかった。
「じゃあそろそろ戻ろっかな。美徳実が心配しちゃうから」
そう言って階段を駆け下りる彼女を背に、俺はしばらく屋上に立ちすくんでいた。
それからまた三十分。流石に限界だ。俺は山下のイヤホンを耳から外す。
「おい、勉強やる気ないならせめて音楽の音小さくしろよ」
「何よ、どうしてたって私の勝手でしょ!」
「こっちは受験勉強しに来てるんだ。邪魔するなら帰れよ」
「何よ、それ。私を除け者にする気? だいたいあんただって、私の告白聞いたまま何も答えてないじゃない」
「それは今と関係ないだろ! そもそもそんな言い方じゃ本当に好きだなんて信じられねぇんだよ」
「何それ、乙女に対してそんなこと言うなんて、信じらんない!」
売り言葉に買い言葉が続き、俺は頭に血が上ってさらに拍車をかけてしまう。
「だいたいなんなんだよその態度。見た目がちょっと可愛いからって、中身は俺俺じゃねぇか。だから恋人いねぇんじゃねぇのか?」
「何それ、ヒドイ。頭来た」
山下は急に席を立ち、教室から出て行く。
「おい、どこ行くんだよ」
「トイレよ、馬鹿」
静まり返る教室の中、俺は田中に謝った。勝手に喧嘩始めて、勝手に場を荒らして、この場を用意してくれた田中に申し訳なかった。
「ごめん、喧嘩して」
「大丈夫ですよ。すぐ戻って来ますから」
まるで母親が子供を見るように優しい目をしていた。通じ合ってるってこういう感じなんだろうな。いつも安心を寄せているというか、何か友達以上な感じもする。俺は気になって聞いてみた。
「なぁ、あいつと田中は小学校からずっと同じ学校なんだよな? いつもこんな感じなのか?」
田中はノートに書いていた数式を止めて、顔を上げた。
「んー、だいたいあんな感じですけど、世中先輩の時はちょっと違う感じがします。きっと本当に好きになったから、感情が強く動いてるんだと思います。私はそんな彼女が羨ましいです」
「にしても強すぎじゃないか?」
「一美ちゃんにも色々あるんですよ」
「色々って何だよ」
「色々は、色々です」
田中は何かを隠すように、数式を書き始めた。色々って言ったって、こんな気持ちじゃ相手の誠意にだって答えられない。確かに会った時間は短いけど、こんなに合わない性格の人と普通に接していられる田中に興味が湧いた。そしてしばらくしてから俺は切り出した。
「すまん田中、俺やっぱりその色々って話聞きたいんだ」
「んー、それは一美ちゃんのことですから」
困った顔をしている田中には悪いけど、本音を言うことしにした。両手を合わせて頭を下げる。
「俺さ、告白されたのって実は初めてなんだ。だからどうして良いか分からない。でも本当に好きという気持ちで言ってくれたんだとしたら、ちゃんと向き合って答えを出したいと思ってる。でもあんな感じで言われると、馬鹿にされてるだけな気がして。ムッとして話が進まないんだ。あいつが本当のことを言っているのか分からないんだ」
田中はまた手を止めて俺を見た。しばらく考えた後、何かを心に決めたように頷いた。そして立ち上がり、窓の方へ歩いた。
「一美ちゃんは、両親がいないんです」
俺は田中の方を見た。彼女は窓の外を見たまま話し続ける。
「正確には、彼女が小学六年の時、交通事故で亡くなったんです。一美ちゃんは後ろに乗っていたから何とか一命をとりとめました。それからはおばあちゃんと二人暮らしです。もともと裕福な家庭だったので、遺産で一生暮らしていけるそうです。でも幼い彼女にはそんなことどうでも良い。世界に一人しかいないお父さんとお母さんが、急にどこにもいなくなったんです。本当に辛かったと思います。それから一美ちゃんは、周りの人へ強く当たるようになりました。私はどうすることも出来ず、変わってく彼女を見ていることしか出来なかった」
田中の頬に涙がつたう。もしかして俺は、聞いてはいけない事を聞いてしまったのかも知れない。
「もちろん私にもきつく当たってきました。両親がいなくなったことを信じたくない気持ちが、いつしか人が信じられない気持ちへと変わっていったんです。中学生の時、彼女は学校へ来なくなりました。でも私はまた仲良くなりたくて、毎日学校が終わってから一美ちゃんの家へ行きました。でも毎回インターホンでおばあちゃんが、『今日も会いたくないって、ごめんね』って。それでも毎日行きました」
田中は窓ガラスを指でなぞる。その指には儚さを感じだ。
「そして夏休みに入って初めて家に入れてもらえました。一美ちゃんは部屋の中で泣いていました。その姿を見て私はゾッとしました。彼女はガリガリに痩せて、髪は真っ白になり、目は酷いクマで生きてる感じがしなかったんです。テーブルにはノートが何冊もあり、書きかけのノートは『ごめんなさい』という文字で埋め尽くされていました。私は彼女を抱き寄せました。でも、来ないでって突き飛ばされました。『私の近くに来ると死んじゃうから』って。あの子は両親が死んだ事を、自分のせいだと思ってたんです。自分が遊びに行きたいって言わなければ、あの時自分が後ろに座ってなければ、って、ずっと一人で抱えてたんです」
田中の頬に涙の跡が乾く暇はなかった。俺は一字一句聞き逃さないように聞いた。
「だから私は、何度も何度も、突き放される度に彼女を抱き寄せました。もう大丈夫だよ、私がいるよって。それ以外何も言葉は出て来ませんでした。でも感じたんです。この子はこのままじゃ本当に壊れてしまう。誰か救ってくれる人を待ってるって。それからも時間の許す限り毎日会いに行きました。ただただ彼女を抱き抱えるために。それから少しずつ、話せるようになってきて、中学三年の時には学校に来れるようにまでなりました」
「その間ずっと山下の家に通い続けたのか?」
田中は振り返り、笑顔を作る。
「だから、一美ちゃんのこと、嫌いにならないで欲しいんです。あの子は誰よりも人が、自分が怖いんです。映画を観たあの日、車から救ってくれたあなたは、きっとあの子にとって特別なんです」
俺はもう何も言えなかった。こんなことを言わせてしまった事を悔やむ。人にはそれぞれの人生がある。その人だと思って見ているのは氷山の一角にしか過ぎない。馬鹿にして良い人生なんて一つもないんだ。
「これは世中先輩だから言いました。先輩は不思議な力があると思います。人の心を溶かすような、何かが。だから今の話は誰にも言わないで下さいね。もちろん、一美ちゃんにも」
「分かってる。話してくれてありがとう」
「一美ちゃん、たぶんトイレには行ってないと思いますよ。こういう時はソフトクリームを買ってるか、人のいないところにいます。たぶん屋上だと思います」
「恩に着る」
俺は教室から出た。
屋上には風に吹かれる山下が街並みを眺めていた。俺は駆け寄り、謝ろうとした。
「山下、さっきは」
それより先に、山下は言葉を風に乗せた。
「さっきはごめん。急に怒って」
「山下?」
「私も悪いクセだと思ってる。でもなかなか直らなくて、いっつも後で反省するんだけど、また元に戻っちゃう。嫌になっちゃうよね。こんな性格だと人から嫌われちゃうのも分かってる。私だってわざと避けて通る道もあるの。でもあんたは何故か真っ直ぐ向かってきてくれる。それが嬉しかったわ」
ちょいちょい、とこっちに来るように手招きされた。そして手を掴み身体を引き寄せられる。そのまま彼女は、俺の頬にキスをした。
「順番が逆だったかな。まぁ良いか」
山下は手を後ろに組み、まっすぐ目を見つめてくる。
「私、やっぱりあんたのことが好き。あの時助けてくれたあんたは、ヒーローみたいだった。ありがと」
強い風が吹き、山下の髪は無造作に揺れる。俺の気持ちのように。
「あ、でも返事は今じゃなくて良いよ。今のは私の感謝の気持ちだから。これで少しは信じてくれた?」
俺は何も言わず頷く事しか出来なかった。
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