追放された吸血姫はスローライフを楽しむ ~あるいは追放した国が最終的に不毛の地に帰すまでの一部始終~

みやび

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5 滅びゆく国

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リュカが消えたその日、王国は沸き立った。
護国の巫女を騙る悪魔を追い出したのだ。
搾取がなくなり、王国はさらなる発展を遂げる。
そう聖教の司教たちは謳う。
豊かなこの土地が、さらに豊かになる。
彼らはそう信じて疑わなかった。
そんな歓声の裏で、既に道の街路樹は枯れ始め、庭の草花は萎れている。
一面の緑の畑は既にくすみ始めている。
終わりが近づいているのは明らかだ。
しかし、熱狂した人々はそんな事実にはまるで気づかなかった。



一週間も経てば異常は疑いようもなかった。
既に草木はすべて枯れ、井戸も枯れつつある。
建物は風化しはじめ、砂が大地を覆い始めていた。
この時点で逃げ出せば、まだ間に合っただろう。現に、少数の人々は護国の巫女への仕打ちを懺悔しつつ他国へと移動をしていた。
ただ、大多数の者たちは神を信じていた。
聖教の司教たちは、悪魔が国を害していると盛んに宣伝をした。
黒の森産の新型の魔道具が発売され、それの発明者が黒の森に住んでいるリュカだと伝わった時、司教たちはリュカを糾弾した。
直ちに大魔王リュカと、神の意を汲まぬ黒の森の焦土化が決定された。
まだあった財産を魔王討伐へと市民たちは差出し、王国騎士団は意気揚々と出発していくのであった。


一年も経てば、手遅れになっていた。
地は荒れ果て、砂漠と化し、水は枯れ果てた。
他国への道も砂漠にのまれ、方角すら見失い彷徨うことになるため出国も不可能だ。
そして昼の熱波と夜の零下に、砂漠というものを知らずに豊かな地で育った国民は耐えきれなかった。
王国騎士団が魔王を討伐すれば、と残された国民は既に連絡がない騎士団を希望にしていた。
彼らは出発から一週間後、黒の森の植物の怒りを受け全滅し、養分としてじわじわと嬲り殺されているのは、国民は誰も知らない。

砂漠を超えて他国へと移動で来た者はまずいなかった。黒の森を傷つけられた精霊たちが、砂漠でいたずらをしているのだ。よほど心清らかな人間でなければ元の場所に追い返されるだけであった。
国王も、王太子も、貴族といった尊き人々も。
みな平等に飢えと渇きに苦しみ、砂の中に埋もれつつ、苦しみながら死んでいったという。
凍死か、餓死か、もしくは責任を押し付けあった上の殺し合いで死んだか。
それは記憶も記録も残っていないためにわからなかった。
ただ、国が滅びた。
国民は一人残らず亡くなった。
それが事実であった。

リュカはそんなことを知らず森で暮らしている。
最近は外から流れてくる肉に夢中である。マリアがリュカの術式を許可の上で売り、その対価で肉を仕入れているのだ。
5cmの厚さのローストビーフをかじるリュカ。彼女はとても幸せそうであった。
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みんなの感想(2件)

緋影 ナヅキ

もしかして…その肉は…まさか…?w((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
…そんなまさか…ね…

解除
penpen
2021.04.20 penpen

スローライフは永遠に☆

解除

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