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1 幼馴染の王太子(エロなし)
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「という事でお前が婚約者だ。よろしくな」
「なんでぇ!!!」
目の前の王子様然としたこいつの発した言葉にボクは大声を上げた。
王子様然といったが、こいつは歴然とした王子様だ。
第一王子で王太子な彼はボクの幼馴染でもある。
気心知れた親友、だと思っていたが、何を血迷ったかボクを婚約者にしたらしい。
ボクの事情はすべて知っているくせに、正気か? と疑いたくなってしまう。
「なんでって、総合的に考慮した結果、お前を妻にするのが一番よろしいと判断したのだ。俺が」
「おかしいでしょ!!」
「何が問題なんだ?」
「先ずボクはキミのことを異性として好きじゃないし! 友達どまりだし! キミもそうでしょ!」
「え?」
「え?」
「ふむ、ひとまず証明してやるか」
「え、笑顔怖い! なんで近寄ってくるんむううううう!!!」
椅子から立ち上がった王太子殿は、ボクに近寄ってくるとそのまま強引に唇を奪った。
ぬめっとした生温かいものが唇を這う。
なんか変な感じだった。
キス自体は触れるだけのものであり、舌を入れたりはしてこなかった。
「ファーストキスだったのに!!」
「奇遇だな。俺もだ」
「それはそれでどうなのよ! ほら! 王族の寝屋の作法の勉強とかあるでしょ!」
「お前のためにとっておいた」
「ボク以外のためにとっておけよぉおおお!!!」
初めてでどうこういうほど精神的に若いわけではないが、目の前の彼が初めてというのに驚きである。
恋人の一人や二人、いたことがあると思っていたのだが……
むくれるボクを抱き上げて、膝に乗せるとしっぽを撫で始める王太子殿。
いつものことである。こいつはボクのモフモフが大好きらしい。
「知ってるか?」
「ん?」
「獣人のしっぽを触っていいのって、夫婦だけらしいぞ」
「今までそれ知ってて触ってたのか! へんたいっ!!」
慌てて膝から飛び降りて尻尾を抱きしめる。
毛づくろいされると気持ちいいから放置してたのだがそんな意味があっただなんて。
こいつ、いつからボクのことをそういう目で見てたんだ。
「いつからって初めてあったころからかな?」
「初めからかよ!」
「純情だろ?」
そう楽しそうに笑う王太子。
ボクは納得がいかなかった。
王太子と初めて会ったのはそれこそボクがこの世界に零れ落ちてすぐごろの話だ。
この世界の人間は、ほとんどが前世と同じく母親の腹から生まれるが、ごく一部の人間は宙から突然生まれる。
神力とか魔力とか、そういったものが合わさり偶然存在が生まれるらしい。
国に毎年一人ぐらいの割合だが、世界的に見たら数百ぐらいは毎年生まれている計算である。
中々の数である。
そんな風に10年前、ボクはこの世界に生まれた。
前世は地球の日本で会社員の男性をしていたボクは、こちらに生まれたらなぜか狐耳の美少女になっていた。
美少女に囲まれたいと思っていたことはあったが、美少女になりたいわけではない。
本当に解せぬ。
そんなボクを見つけたのが目の前の王太子だ。王宮の森は獣もいない小さな森で、そこを散歩中にボクを見つけたらしい。
そのまま王宮に連れていかれ、紆余曲折ありなんかすごい聖なる力があるとかで神殿の巫女になることになった。
つまり世界に落ちたときに、目の前の王太子に好かれていたという事だ。一目惚れかよ。
まあ確かに、一部の人間には好まれそうな外見である。
金髪は腰まで長く美しいが、身長は非常に低く体の凹凸は非常に薄い。身体年齢は生れ落ちたときで10歳前後という判断だったので、今では20歳だが、まったく育たない合法ロリだ。
当時10歳だった王太子は、出会った頃は同じ身長ぐらいの、美少女と見間違うほどの美少年だったが、10年経って立派なマッチョな美男子になってしまった。
いや、マッチョ好きだけどね。筋肉良いよね。
「お前が筋肉好きだから必死に鍛えたんだぞ」
「というかボクの考えてることよまないでよ」
「いや、だって読めるからな」
「何さ、ボクの考えてることが単純ってこと?」
「いや、お前のことをいつも考えてるからわかるだけだ」
「恥ずかしいこというの禁止!!!」
なんだこいつ、ボクのこと口説いているのか!
口説いてるんだろうな! 好きな子ができたらなりふりかまうなってアドバイスしたのはほかならぬボクだからな!
ひとまず戦略的撤退だと慌てて立ち上がり、部屋から出ようとするが、カギがかかっていて開かない。
「えっ!?」
「なりふりかまっていられないからな」
「すとーっぷ!!」
王太子はボクを抱えると膝に乗せ、そのまま尻尾を撫で始めるのだった。
「なんでぇ!!!」
目の前の王子様然としたこいつの発した言葉にボクは大声を上げた。
王子様然といったが、こいつは歴然とした王子様だ。
第一王子で王太子な彼はボクの幼馴染でもある。
気心知れた親友、だと思っていたが、何を血迷ったかボクを婚約者にしたらしい。
ボクの事情はすべて知っているくせに、正気か? と疑いたくなってしまう。
「なんでって、総合的に考慮した結果、お前を妻にするのが一番よろしいと判断したのだ。俺が」
「おかしいでしょ!!」
「何が問題なんだ?」
「先ずボクはキミのことを異性として好きじゃないし! 友達どまりだし! キミもそうでしょ!」
「え?」
「え?」
「ふむ、ひとまず証明してやるか」
「え、笑顔怖い! なんで近寄ってくるんむううううう!!!」
椅子から立ち上がった王太子殿は、ボクに近寄ってくるとそのまま強引に唇を奪った。
ぬめっとした生温かいものが唇を這う。
なんか変な感じだった。
キス自体は触れるだけのものであり、舌を入れたりはしてこなかった。
「ファーストキスだったのに!!」
「奇遇だな。俺もだ」
「それはそれでどうなのよ! ほら! 王族の寝屋の作法の勉強とかあるでしょ!」
「お前のためにとっておいた」
「ボク以外のためにとっておけよぉおおお!!!」
初めてでどうこういうほど精神的に若いわけではないが、目の前の彼が初めてというのに驚きである。
恋人の一人や二人、いたことがあると思っていたのだが……
むくれるボクを抱き上げて、膝に乗せるとしっぽを撫で始める王太子殿。
いつものことである。こいつはボクのモフモフが大好きらしい。
「知ってるか?」
「ん?」
「獣人のしっぽを触っていいのって、夫婦だけらしいぞ」
「今までそれ知ってて触ってたのか! へんたいっ!!」
慌てて膝から飛び降りて尻尾を抱きしめる。
毛づくろいされると気持ちいいから放置してたのだがそんな意味があっただなんて。
こいつ、いつからボクのことをそういう目で見てたんだ。
「いつからって初めてあったころからかな?」
「初めからかよ!」
「純情だろ?」
そう楽しそうに笑う王太子。
ボクは納得がいかなかった。
王太子と初めて会ったのはそれこそボクがこの世界に零れ落ちてすぐごろの話だ。
この世界の人間は、ほとんどが前世と同じく母親の腹から生まれるが、ごく一部の人間は宙から突然生まれる。
神力とか魔力とか、そういったものが合わさり偶然存在が生まれるらしい。
国に毎年一人ぐらいの割合だが、世界的に見たら数百ぐらいは毎年生まれている計算である。
中々の数である。
そんな風に10年前、ボクはこの世界に生まれた。
前世は地球の日本で会社員の男性をしていたボクは、こちらに生まれたらなぜか狐耳の美少女になっていた。
美少女に囲まれたいと思っていたことはあったが、美少女になりたいわけではない。
本当に解せぬ。
そんなボクを見つけたのが目の前の王太子だ。王宮の森は獣もいない小さな森で、そこを散歩中にボクを見つけたらしい。
そのまま王宮に連れていかれ、紆余曲折ありなんかすごい聖なる力があるとかで神殿の巫女になることになった。
つまり世界に落ちたときに、目の前の王太子に好かれていたという事だ。一目惚れかよ。
まあ確かに、一部の人間には好まれそうな外見である。
金髪は腰まで長く美しいが、身長は非常に低く体の凹凸は非常に薄い。身体年齢は生れ落ちたときで10歳前後という判断だったので、今では20歳だが、まったく育たない合法ロリだ。
当時10歳だった王太子は、出会った頃は同じ身長ぐらいの、美少女と見間違うほどの美少年だったが、10年経って立派なマッチョな美男子になってしまった。
いや、マッチョ好きだけどね。筋肉良いよね。
「お前が筋肉好きだから必死に鍛えたんだぞ」
「というかボクの考えてることよまないでよ」
「いや、だって読めるからな」
「何さ、ボクの考えてることが単純ってこと?」
「いや、お前のことをいつも考えてるからわかるだけだ」
「恥ずかしいこというの禁止!!!」
なんだこいつ、ボクのこと口説いているのか!
口説いてるんだろうな! 好きな子ができたらなりふりかまうなってアドバイスしたのはほかならぬボクだからな!
ひとまず戦略的撤退だと慌てて立ち上がり、部屋から出ようとするが、カギがかかっていて開かない。
「えっ!?」
「なりふりかまっていられないからな」
「すとーっぷ!!」
王太子はボクを抱えると膝に乗せ、そのまま尻尾を撫で始めるのだった。
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