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アニラジを聴いて笑ってる僕らは略(乗り換え連絡通路)
32、職人の報告会
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「えっ!?」
更に続くトークに、響季はまたボリュームを、大きくせずに自分の耳をスピーカーに近づける。
くりすぴ「♪バールのようなもーのたいそーっていうやつで。知ってるかなみんな。ちっちゃい子が見る番組でやってるやつなんだけど。ワタシ、昔幼稚園の先生さんやってたから、うわーなつかしーと思って」
ぱるふぇ「(頷く)」
くりすぴ「…ぱるちゃん」
ぱるふぇ「あ、うん(笑)そうだね」
くりすぴ「(笑)で、たぶんその女の子は、おっきい女の子の方はワタシ達のことどうやら知らないでライブを見てくれたみたいなんだけど、横通り過ぎる時に、おねーさんたちライブ良かったよって、こう、グーをどーん!って突き出して言ってくれて。Yo!brotherメーン?みたいな感じで」
ぱるふぇ「うん(笑)」
くりすぴ「だからワタシも、そっちもダンス、イカしてたゼみたいに親指びしっ!って立てて返したんだけど」
ぱるふぇ「(笑)」
くりすぴ「嬉しいよね。ワタシ達知らない人達があーやってライブ見て良かったよーって言ってくれるのって。で、あのダンスと歌見たら懐かしくなっちゃって、移動のさ、えとなんだっけ。リムジンバス?」
ぱるふぇ「リムジンハマー?」
くりすぴ「そうっ、ハマーだ!それでワタシ達はいつも移動してるって設定に、この前この番組でなったんですけど(笑)らぐじゅありーな。その中でずっとバールのようなもの体操をワタシ歌って、そして踊って」
くりすぴ「ライブ終わりに(笑)」
ぱるふぇ「みんななにそれしらなーいとか言うんだけど、最後はみんなフッフー!ってなって。リムジンの、フッカフカのソファで飛び跳ねながら」
くりすぴ「ワイングラス片手に」
ぱるふぇ「あ、うん。そう(笑)ワイン零しながら」
「うわ、うわ、うわ」
胸元で両の拳を握り、響季がその場でバタバタ足踏みをする。
恥ずかしくて嬉しくて、どうにかなってしまいそうだった。
自分のことをラジオで話してくれている。いじってくれている。
向こうもライブを見てくれて嬉しいと言ってくれて。
自分は全く知らなかったわけではなく、だが実力は知らなかったも同然で。
こちらがそんなこと言われるのは勿体無いくらい良いライブで。
リムジンハマーが移動車という出来たてホヤホヤの設定があまりにフワフワし過ぎて、それも面白くて。
様々な想いが消化しきれず、胸の内で暴れ回った。
くりすぴ「というわけでCMのあとは、おねむ前ドルチェのコーナーです。今日のドルチェはなにかな?」
ぱるふぇ「んー。おなかすいたぁー」
くりすぴ「おおーっ、めずらしぃー」
ぱるふぇ「きのうからなにもたべてなーい」
くりすぴ「ええーっ!?(笑)」
その後はああいったライブでの独特の楽しさや大事さを語り、はたらかないくるま展で見た新幹線がドクターイエローだったことを伝え忘れた、ミニバスを衣装のケツポッケに入れてたため、座ると痛くて最終的に出番までマネージャーさんが持ってくれてたことなどを喋り忘れたとCrispy―Naが悔やんだ後。
続いては深夜のおやつコーナーだと告知してCMに入った。
「ふわあああ」
そこまできっちり聴いて、ようやく響季はベッドに寝転がってゴロゴロして嬉しさを消化する。
誰かに言いふらしたい。
でも誰に?
こんなマニアックな嬉しさを、誰に伝えればいい?
それを伝えるべき相手を思い浮かべるより早く、
♪ロボットロボットレストラン、サクラドーリニオープン
「わっ」
響季のケータイにメールが届いた。
もはや耳慣れたメロディ。
すぐにメールを見ると、
『いいなー ♪フッフー』
と、だけ書かれていた。
何がとは書かれていない。
ただ何かに対していいなーと羨ましがっていた。
番組内でいじられていいなー。
おもしろディーヴァ達にいじられていいなー、と。
自分は途方も無いくらいに面白い火種を投げ込んで、公式コメントと萌えドラムロールまで引き出させたというのに。
響季は嬉しさでにやけっぱなしなまま、
『いいだろー』
と、だけ返した。
(了)
更に続くトークに、響季はまたボリュームを、大きくせずに自分の耳をスピーカーに近づける。
くりすぴ「♪バールのようなもーのたいそーっていうやつで。知ってるかなみんな。ちっちゃい子が見る番組でやってるやつなんだけど。ワタシ、昔幼稚園の先生さんやってたから、うわーなつかしーと思って」
ぱるふぇ「(頷く)」
くりすぴ「…ぱるちゃん」
ぱるふぇ「あ、うん(笑)そうだね」
くりすぴ「(笑)で、たぶんその女の子は、おっきい女の子の方はワタシ達のことどうやら知らないでライブを見てくれたみたいなんだけど、横通り過ぎる時に、おねーさんたちライブ良かったよって、こう、グーをどーん!って突き出して言ってくれて。Yo!brotherメーン?みたいな感じで」
ぱるふぇ「うん(笑)」
くりすぴ「だからワタシも、そっちもダンス、イカしてたゼみたいに親指びしっ!って立てて返したんだけど」
ぱるふぇ「(笑)」
くりすぴ「嬉しいよね。ワタシ達知らない人達があーやってライブ見て良かったよーって言ってくれるのって。で、あのダンスと歌見たら懐かしくなっちゃって、移動のさ、えとなんだっけ。リムジンバス?」
ぱるふぇ「リムジンハマー?」
くりすぴ「そうっ、ハマーだ!それでワタシ達はいつも移動してるって設定に、この前この番組でなったんですけど(笑)らぐじゅありーな。その中でずっとバールのようなもの体操をワタシ歌って、そして踊って」
くりすぴ「ライブ終わりに(笑)」
ぱるふぇ「みんななにそれしらなーいとか言うんだけど、最後はみんなフッフー!ってなって。リムジンの、フッカフカのソファで飛び跳ねながら」
くりすぴ「ワイングラス片手に」
ぱるふぇ「あ、うん。そう(笑)ワイン零しながら」
「うわ、うわ、うわ」
胸元で両の拳を握り、響季がその場でバタバタ足踏みをする。
恥ずかしくて嬉しくて、どうにかなってしまいそうだった。
自分のことをラジオで話してくれている。いじってくれている。
向こうもライブを見てくれて嬉しいと言ってくれて。
自分は全く知らなかったわけではなく、だが実力は知らなかったも同然で。
こちらがそんなこと言われるのは勿体無いくらい良いライブで。
リムジンハマーが移動車という出来たてホヤホヤの設定があまりにフワフワし過ぎて、それも面白くて。
様々な想いが消化しきれず、胸の内で暴れ回った。
くりすぴ「というわけでCMのあとは、おねむ前ドルチェのコーナーです。今日のドルチェはなにかな?」
ぱるふぇ「んー。おなかすいたぁー」
くりすぴ「おおーっ、めずらしぃー」
ぱるふぇ「きのうからなにもたべてなーい」
くりすぴ「ええーっ!?(笑)」
その後はああいったライブでの独特の楽しさや大事さを語り、はたらかないくるま展で見た新幹線がドクターイエローだったことを伝え忘れた、ミニバスを衣装のケツポッケに入れてたため、座ると痛くて最終的に出番までマネージャーさんが持ってくれてたことなどを喋り忘れたとCrispy―Naが悔やんだ後。
続いては深夜のおやつコーナーだと告知してCMに入った。
「ふわあああ」
そこまできっちり聴いて、ようやく響季はベッドに寝転がってゴロゴロして嬉しさを消化する。
誰かに言いふらしたい。
でも誰に?
こんなマニアックな嬉しさを、誰に伝えればいい?
それを伝えるべき相手を思い浮かべるより早く、
♪ロボットロボットレストラン、サクラドーリニオープン
「わっ」
響季のケータイにメールが届いた。
もはや耳慣れたメロディ。
すぐにメールを見ると、
『いいなー ♪フッフー』
と、だけ書かれていた。
何がとは書かれていない。
ただ何かに対していいなーと羨ましがっていた。
番組内でいじられていいなー。
おもしろディーヴァ達にいじられていいなー、と。
自分は途方も無いくらいに面白い火種を投げ込んで、公式コメントと萌えドラムロールまで引き出させたというのに。
響季は嬉しさでにやけっぱなしなまま、
『いいだろー』
と、だけ返した。
(了)
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