昴の輝く空の下で

ジャンマル

文字の大きさ
3 / 50
共通ルート

三節/カフェでの出会い

しおりを挟む
 うだうだとカフェで相談を聞いていたわけだけれど、そこで彼女が言い出したのが衝撃な言動だったので思わず記録に残してしまった。
 それは僕が食べ物を注文しようとした際のことだ。

「あっ、いつものワッフルも一緒で」
「ちょっと。値段よく見なさいよ」
「あっ、えっ? 値段がどうかした?」
「どうかした? じゃないわよ! 値段のきりが悪いじゃない!」

 と、まるで外食をしたことがないかのような衝撃発言が飛び出したのだ......! その発言の真意はよく分からないが彼女はお嬢様。確かに外食が高級レストランだろうと予想はできたけれど......だけれども高級レストランにしたって値段が揃ってるのって稀じゃないか?
 彼女曰く昔潔癖が祟ってか均等な値段の店でしか飲み食い出来なくなったと言う。それも値段が均等というのは全ての数字が商品毎に揃っている、と言うのではなく全ての商品の値段が同じ、ということらしい。いやいくらなんでも原価とか考えてもそれはかなり厳しいと思うんだけど......

「厳しいと思うから......とりあえず大人しくしてて......」

 と、やっとの事で彼女を静止するのが精一杯で、お嬢様も筋金入りだとな......というのが素直な感想だ。仮にもしも常識のある世間を知るお嬢様であればここまで手を焼くことは無いんだろうけどお嬢様で潔癖。それもかなり重症。そうなった時に取り押さえる人間はかなり苦労人だと思う。現に今その立場に居るであろう僕がそうなのだ。

「あのですね、まず常識のお話からさせていただきますね?」
「なによ、急に」
「これは常識知らないと多分友達なんて出来ないぞ、って事だよ......」
「難しいのね、庶民って」

 恐らくなのだが彼女自身の性格にも問題はあるけど1番問題なのは他人のことを庶民だと煽ってしまう点ではないだろうか......そこがきっと他の生徒との壁になってしまい結果的に友達が居ない。そういうのが続き指摘してくれる人も当然いない。結果として今の彼女になってしまうのだ......

「あのなぁ、まずはその庶民ってーー」

 僕が彼女に問題点を指摘するのと同じタイミングで隣の席から声が聞こえた。あれ? あんた達同じクラスの? と。
 見覚えのある顔で僕は彼女のことを知っているのだが......

「あら? 同じクラス......の?」
「やだなぁ。私だよ淺霧 惏あさぎり りんだよ~」

 淺霧惏。話したことは無い彼女ではあるが何故か僕達に興味を持ったらしい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

レオナルド先生創世記

ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

夫に愛想が尽きたので離婚します

しゃーりん
恋愛
次期侯爵のエステルは、3年前に結婚した夫マークとの離婚を決意した。 マークは優しいがお人好しで、度々エステルを困らせたが我慢の限界となった。 このままマークがそばに居れば侯爵家が馬鹿にされる。 夫を捨ててスッキリしたお話です。

妹のために愛の無い結婚をすることになりました

バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」 愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。 婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。 私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。 落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。 思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

「やはり鍛えることは、大切だな」

イチイ アキラ
恋愛
「こんなブスと結婚なんていやだ!」  その日、一つのお見合いがあった。  ヤロール伯爵家の三男、ライアンと。  クラレンス辺境伯家の跡取り娘、リューゼットの。  そして互いに挨拶を交わすその場にて。  ライアンが開幕早々、ぶちかましたのであった。  けれども……――。 「そうか。私も貴様のような生っ白くてか弱そうな、女みたいな顔の屑はごめんだ。気が合うな」

処理中です...