昴の輝く空の下で

ジャンマル

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五節/弾む会話

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 その後も会話は弾み盛り上がってしまってか気がつくと夜の20時を回っていた。そして流石に長居も、ということで解散することになったが。しかし一応は全員同じ駅で同じ電車に乗るということでその場でという訳ではなく電車の中で解散という形になった。

「いやぁ、今日は楽しかったよ冴城さん」
「こちらこそありがとう。淺霧さん」
「よかったなぁ。相談してきてその日に友達が出来て」
「ええ。まあでも......これからなのかも」

 これからというのは多分まだ友達が出来たに過ぎず仲をたもてなければ......みたいな事だろう。冴城が特別なにかしない限りは仲なんて壊れる気がしないけど......それでも彼女にとっては初めての友達。心配になるのも無理はないだろう。そこはまあ僕がなんとか上手くやって行くことに決めたけど。
 とりあえずは1日目は友達が出来て......そして表情もどこか変わってと。ある意味で変化のある一日だったのでは無いなろうか?

「ところでまだ言ってなかったわね」
「ん?」
「その......今日はありがとう」
「いいって。お礼は淺霧にでもしとけ?」

 と、まあ冗談半分で言ったつもりだったのだが......聞いた話によると後日淺霧の家に本当に庶民が触れるのを躊躇うような高級なお菓子が届いたという......
 そこはまあお嬢様らしくはあるのだが。

「あ、じゃあ私ここだから」
「おう、また明日な。淺霧~」
「また明日」

 途中の駅で淺霧は降りたがそう言えば良く考えれば冴城の家を僕は知らない。どの駅で降りるのかも。というかお嬢様って電車で登校するものなのか......?

「冴城って普段から電車なのか?」
「ええ。まあその辺は車とかだと変に思われるし」
「そうか? お嬢様っぽいけどそっちのが」
「私なりに庶民の気持ちをしろうとしてるつもりだし」
「あ~なるほどな」

 意外と努力家なんだな、冴城は。普段はお堅い上に重度の潔癖。さらにはお嬢様とかなり近寄り難い人だと思っていたけど......話してみると意外と楽しいし何故友達が居ないのか不思議なレベルだ。
 そんな友達が居ないという彼女の印象も今日限りなのだが。

「あー、じゃあ俺ここだから」
「そう......また明日、ね」
「おう。また明日~」

 そうして電車の中で別れたのはいいが後々になって彼女が家に帰れたのかとても心配になったのはそのあとの寝る直前の事だった......
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