昴の輝く空の下で

ジャンマル

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十八節/帰り道

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 みんなと解散した帰り道のことだった。夜遅かったこともあり、夜空がくっきりと輝いて見えていた。春も始まって空気が澄んできてるし何より夜の空も明るくはっきりと見えるため、天体観測もみんな始めている。僕の趣味は天体観測とかそういう訳ではないけど駿斗からの話が少し気になっていた。
 プレイアデス星団と呼ばれる星は調べれば冬によく見えるようになるらしい。そしてそれがいちばん明るくはっきりと見える日、願いが叶うという話だ。

「星が見えるだけでそんなことあるわけないと思うけど……」

 でも不思議とその話が噂だとは思えなかった。そんなことがあればロマンがあるなとかそういうふうに不思議と思ってしまう。昴星の伝説……気にしながら冬まで過ごそう。とはいえ、見えるのが冬だけれど。

 冴城さん、淺霧さん、ソフィさん、の三人。僕と駿斗の二人。色々あったけれどなんとか仲良くやっていけている。高校生としては最後の一年だけど……大事に大事にして行きたい。

「はぁ……一人暮らしも二年目か」

 僕は高校に入ると同時に親の元を離れ一人で暮らしている。もちろん親の支援だったりもあった上でだが。でも一番の理由としてはやはり一人でないと落ち着かなかったりするからだ。
 勉強や進路に専念する為、一人で色々とやってみて何か見えるかもしれないってそういう意味もある。

 進路は段々と固まってきていた。僕は記者になろうと思っている。記者……新聞記者では無く、ネット記者。稼ぎはいいか悪いかでいえば多分悪いだろう。でもそれでも、自分の記事が多くの人に読まれる。それは嬉しいことでありそういう心構えでどんどん面白い記事を作る。
 そういう楽しみを今は学校通信やWebのちょっとしたブログにまとめたりして頑張っている。
 いずれは……いろんな記事を描けるような記者になりたい。

「帰って今日も記事まとめなきゃな……今日は何がいいかな?」

 そんなこんなで僕の一日は終わるのだ。今日は大人しくWebでまとめよう……
 学校通信にまとめるかWebにまとめるかはいつも気分で決めている。今日はこっちのが良さそうとか、そういう感じだ。

 今日は……Webに昴星の伝説をまとめようと思う。
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