昴の輝く空の下で

ジャンマル

文字の大きさ
19 / 50
共通ルート

十九節/琳の特別修行

しおりを挟む
 時は変わり土曜日の早朝。今日はゆっくり休もうと思い平日は起きるこの時間帯に起きないで寝ていたのだが……七時過ぎ。突如電話が鳴る。最初は迷惑電話だと思い出ないようにしていたのだが、スルーして数分後。再び電話がなった。
 さすがにこれ以上は無理だろ……そう確信し電話に出ることにした。電話の主は淺霧さん。

「……はい、もしもし」
『やっと出た! 今から学校ね! 八時半過ぎたら許さないから! じゃあね!』
「ん、んん?」

 そう言って一方的に電話を切られた後、メールにお好み焼きのレシピが送られてきた僕は全てを悟る。ああ、僕も準備で忙しいとか関係なくこき使われるんだな……と。今の時間は七時半。1時間ほどしかないが、学校へはまあ間に合うだろう。そして僕の身体が勝手に学校へ足を向けるあたり逃げることは難しいのだろう……

「はあ、つくづくついてないなぁ……」

  とは悪態をつくものの、結局のところ楽しければ許せてしまうのだ。まあ、そうでも無いときっと体力的にも精神的にも持たないだろうから、本当に楽しくないことなんてやりたくはない。
 急いで制服に着替えると家に少し余っていたキャベツ等使いそうな具材を持参して行くことに決めた。
 一応広島焼き、とか基モダン焼きさという事で麺類の扱いがあるため、そこだけ注意が必要だろう。

 電車の中。たまたまこの時間帯に人が少なかったのが唯一の救いで、電車の中で数十分だけだが仮眠を取った。ほんとに気持ち程度だけど……
 特に何もアクシデントもなく最寄り駅に到着し、そのまま学校へ向かう。もう時期ゴールデンウィークに突入ししばらく休みが続くのでその時もまた突然呼ばれるだろうけれど、今日基本的なものを覚えてしまえば多分関係ないだろう。

「おはよー」
「遅い! 何分遅刻してると!?」
「いや、10分前に来たんだけど!?」
「うるさい! もうちょい早く来れたでしょ!」

 やけに機嫌が悪い……なにかあったのか……? それを聞くのは少し抵抗というか、怖いと感じたのか。聞かないでおく事にした。

「あれ、僕だけ?」
「ううん、あと数人くるわ」

 委員会とかそういうのではない生徒から数人募って今日練習がある、と言って誘っているらしい。だけど、時間を少しすぎても揃う様子は一向にない。
 逃げたのか、はたまた来る気など最初から無かったのか。元から機嫌の悪かった淺霧さんは余計に機嫌が悪くなっていた。

「あーもう! 二人で始めるわよ!」
「う、うん」

 口は少し荒いけれど、教える時の教え方はとても丁寧で、一つ一つの工程をしっかりと覚えていくことが出来た。彼女と二人切りというシチュエーションに、僕はどこか緊張を覚えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

レオナルド先生創世記

ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

夫に愛想が尽きたので離婚します

しゃーりん
恋愛
次期侯爵のエステルは、3年前に結婚した夫マークとの離婚を決意した。 マークは優しいがお人好しで、度々エステルを困らせたが我慢の限界となった。 このままマークがそばに居れば侯爵家が馬鹿にされる。 夫を捨ててスッキリしたお話です。

妹のために愛の無い結婚をすることになりました

バンブー竹田
恋愛
「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった」 愛するラルフからの唐突な通告に私は言葉を失ってしまった。 婚約が破棄されたことはもちろんショックだけど、それだけじゃない。 私とラルフの結婚は妹のシエルの命がかかったものでもあったから・・・。 落ちこむ私のもとに『アレン』という大金持ちの平民からの縁談が舞い込んできた。 思い悩んだ末、私は会ったこともない殿方と結婚することに決めた。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

「やはり鍛えることは、大切だな」

イチイ アキラ
恋愛
「こんなブスと結婚なんていやだ!」  その日、一つのお見合いがあった。  ヤロール伯爵家の三男、ライアンと。  クラレンス辺境伯家の跡取り娘、リューゼットの。  そして互いに挨拶を交わすその場にて。  ライアンが開幕早々、ぶちかましたのであった。  けれども……――。 「そうか。私も貴様のような生っ白くてか弱そうな、女みたいな顔の屑はごめんだ。気が合うな」

処理中です...