昴の輝く空の下で

ジャンマル

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三十節/それぞれの思いは

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 告白をしてからお互いに自分の気持ちはひた隠しにしている。いつかこの思いは届くのだと信じて。だけど……僕は正直迷っている。本当に彼女でいいのか。本当に自分でいいのか。お互いのことを思うほどその疑念が頭の中に残り続け、しつこく呼びかけられる。今はまだ学生だから楽しんだ方がいいとか……そんな綺麗事でも言ってすがっていないとどこかで道を踏み違えそうで。

 どの選択を選ぶのか。どれが正しいのか。きっとまだまだ分からないからこそこれから分かっていくのだろう。でもやっぱり文化祭までは、せめて文化祭という1番思い出になる日までは……やはり結論は出してな行けない気がして。結論を出してしまったらそこでこの日常が終わってしまうのではないかと思って。

「あのさ、やっぱり待って欲しい」
「文化祭終わるまで?」
「うん……」

 正直手一杯だ。文化祭のこと以外のことを今は考えるほどの余裕が無いのだ。確かに、お互いに付き合って好きという気持ちを通じ合わせれば文化祭の準備から楽しいかもしれない。だけど、なにか大事な物も無くしてしまいそうで……
 かけがえのない時間。今だからこそ体験出来るそれは正しく学生生活ということだろう。冴城さんには自分の気持ちに嘘をつけ……とは言えなかった。言ってしまっては傷つけてしまう。選択を先延ばしにしているだけ。解決できる問題を先延ばしにしているだけかもしれない。気持ちを留めておく。それは伝えてしまった後から色々と考えたりするはずなのに、それがわかっていながらーー答えを出すのに迷っている。だからこそ先延ばしにしたかった。しなくてはいけなかった。

「酷かもしれない。辛いかもしれない。伝えてしまった言葉を待ち続けることは……」
「整理する時間が欲しいの?」
「それは違う。生理の時間じゃない……今だけ、今だけは自由になりたいから」
「そ、う……」

 ああーー僕は、最低だ。
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