引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由

ジャンマル

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勇者覚醒

勇者とは

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 ーー

「さて、そろそろ教えてもらうよ、美雨くん。何故こんなにもことをしたのか」
「でも、薄々気づいてますよね? 春斗さん」
「そりゃね……君から『 私を誘拐してメンバー間の団結力をあげて欲しい』なんて言われた時はね」

 花沢美雨が、伊勢谷の加入後より考えていたものだ。今、協会メンバーは団結力が明らかに欠けており、全員で10人にもみたない組織とはいえ団結力がない、というのは組織のあり方に繋がってしまう。
 だからこそ、協会の総意により決定した伊勢谷の加入……それを見計らって彼女も動いたのだ。

「でも骨が折れたぞ。あの場で君を誘拐するのは」
「無茶ぶり過ぎましたね……晴とエルザさんを出し抜いて欲しい、って言うのは」
「そりゃそうさ。エルザくんの動体視力、晴くんの洞察力。どちらをとってもこの組織の主戦力だ。それを出し抜くのに準備する期間が1年あったのが救いだよ」

 伊勢谷の加入は一年以上前から計画が勧められていたが……伊勢谷自信が落ちぶれ無かったこと、彼自身が自分の本当の才能に気づいていないこと。その他諸々の要素が相まって、しばらく引き伸ばされてきた。
 だが、1年前より少しづつそれは現れ始めていた。

 突然の落第により彼は自身の過剰すぎる自身を見直し始めていた。エリート大学の落第故のショックか、次第に兆候は現れーー

「1年前、伊勢谷慎二は勇者としての素質を自覚はしていないが開花させていた」
「勇者には超能力、とまでは行かなくともそれぞれが一定の条件下のみで開花させる才能があります。春斗さんなら第六感……まあ、これは人類の進化に関わるものですが……」

 伊勢谷が目覚めた才能はIQの異常な発達だ。落第を経験して以後、彼の頭で密かにそれは芽生えていた。
 10億人に1人の確率ーーそれほど低い確率で開花するものだ。

 頭のキレ、それが一定の状況下で急激に発達する才能、発展途上である彼の能力は極限られた極限状態かつ、数秒間のみという短い間だけそれを見せる時がある。

「彼の才能は特殊な能力、身体能力こそないが、本当に勇者に相応しいものだけが持つ「世界を救う選択を出来るかもしれない」ものだ。英雄の中でも、その叡智で世界を救ったものはいる……超能力には程遠いものだが、判断力。それは人類を救うために最も必要な力だ」

 それ故に、協会全体は総意として彼の加入を受け入れた。
 そして先日、美雨の勧誘後、不幸にも計画になかった七瀬の行動により才能の片鱗が見えていた。

だがその才能をーー彼はまだ掌握できていない。
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