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勇者覚醒
勇者の才能
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「だが美雨くん。彼の加入は総意と認めるが、1週間以内に彼が才能の存在に気づかなければーー」
「はい。分かってます。だからこそ……こんな行動をしているんですから」
協会が彼の才能を欲するように、美雨も彼の才能を欲して、求める。彼の才能が、世界だけでなくーー木山春斗を救えるかもしれないから、だ。
彼女が春斗に受けた恩は計り知れない。だが、その中ではっきりしているのは、彼女は木山春斗により救われた命であること。
そして、そんな彼女だからこそ、春斗の望みを知っている。
誰よりも救済を求めているのだ。
数十年前、たった1人……いや、彼は仲間と共に第三次世界大戦へと発展するそれを防いだ。彼自身の功績はそれほど大きいが、世間からは嫌われ、恵まれたとも言えない環境下で勇者を育成し始めた。
「今、私たちがこうしてあなたの元で働かせられているのはーーあなたが止めたはずの1件が水面下で再び動いているから……でしょう?」
「ああ。いずれ、世界は発達した科学による競争で衰退していくが……もし、全世界が望むような科学を、一国が買収により密かに手にしていたら……」
「それを求め……戦火となる」
「そうだ。だが、君たち協会のメンバーには普通の人間とは違う、五感の急激な発達がある」
彼は、その五感の急激な発達、「才能」を見極める力でメンバーを集めてきた。
短期的とは言え、急激に筋力を引き上げる三国エルザやーー約10km先まで見渡せてしまう視力の発展系である七瀬。
そしてーー感覚が一定の状況下で研ぎ澄まされる花沢姉妹。
彼の集めたメンバーは全員、協力し合うことでその才能をお互いに刺激し合う。
そして、才能があるものから無いものへーーその力のあり方を伝達していく。
「脳の発達はいずれ全ての人間に訪れる。……あの時、湖の妖精の加護を浴びた僕を初めとしてね」
信じられないかもしれないが、春斗は世界大戦への最悪のストーリーを避けるため、湖の妖精と契約した。
そして、脳の発達ーー人類のいずれ到達しうるステージへ、唯一到達した。
「いずれ僕を世界が求めるだろう。脳の発達は人類の進化。だが、今はまだ分からないことが多すぎる。超能力だってもしかしたら使えるかもしれないしね」
「正直、あなたには感謝している一方で、余計なことに巻き込んでくれたな、とも思っています。まあ……あなたに受けた恩に比べたらそんなものどうでもいいんですがね」
「……美雨くん。君は僕と伊勢谷の関係を知っているだろ?」
「はい」
美雨には、春斗の言葉が分かってしまった。彼女は、それでも、彼の言葉に頷いた。
「はい。分かってます。だからこそ……こんな行動をしているんですから」
協会が彼の才能を欲するように、美雨も彼の才能を欲して、求める。彼の才能が、世界だけでなくーー木山春斗を救えるかもしれないから、だ。
彼女が春斗に受けた恩は計り知れない。だが、その中ではっきりしているのは、彼女は木山春斗により救われた命であること。
そして、そんな彼女だからこそ、春斗の望みを知っている。
誰よりも救済を求めているのだ。
数十年前、たった1人……いや、彼は仲間と共に第三次世界大戦へと発展するそれを防いだ。彼自身の功績はそれほど大きいが、世間からは嫌われ、恵まれたとも言えない環境下で勇者を育成し始めた。
「今、私たちがこうしてあなたの元で働かせられているのはーーあなたが止めたはずの1件が水面下で再び動いているから……でしょう?」
「ああ。いずれ、世界は発達した科学による競争で衰退していくが……もし、全世界が望むような科学を、一国が買収により密かに手にしていたら……」
「それを求め……戦火となる」
「そうだ。だが、君たち協会のメンバーには普通の人間とは違う、五感の急激な発達がある」
彼は、その五感の急激な発達、「才能」を見極める力でメンバーを集めてきた。
短期的とは言え、急激に筋力を引き上げる三国エルザやーー約10km先まで見渡せてしまう視力の発展系である七瀬。
そしてーー感覚が一定の状況下で研ぎ澄まされる花沢姉妹。
彼の集めたメンバーは全員、協力し合うことでその才能をお互いに刺激し合う。
そして、才能があるものから無いものへーーその力のあり方を伝達していく。
「脳の発達はいずれ全ての人間に訪れる。……あの時、湖の妖精の加護を浴びた僕を初めとしてね」
信じられないかもしれないが、春斗は世界大戦への最悪のストーリーを避けるため、湖の妖精と契約した。
そして、脳の発達ーー人類のいずれ到達しうるステージへ、唯一到達した。
「いずれ僕を世界が求めるだろう。脳の発達は人類の進化。だが、今はまだ分からないことが多すぎる。超能力だってもしかしたら使えるかもしれないしね」
「正直、あなたには感謝している一方で、余計なことに巻き込んでくれたな、とも思っています。まあ……あなたに受けた恩に比べたらそんなものどうでもいいんですがね」
「……美雨くん。君は僕と伊勢谷の関係を知っているだろ?」
「はい」
美雨には、春斗の言葉が分かってしまった。彼女は、それでも、彼の言葉に頷いた。
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