引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由

ジャンマル

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勇者覚醒

構成員の秘密

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「エルザさん、もし状況を打開できる方法があるなら教えたください」

「うむ……こうなった以上隠すのは無理だろう。晴」

「はいはーい!」



晴ちゃんが取り出したのは何やら端末のようなもの。



「これは秘密裏の任務用の緊急スライドを表示する投影機だ。別に特別なものでは無い」

「あ、はい…」



絶対特殊じゃないはずがない……とは思ったのだが、それはまあ超技術的なのでなんとかなるとして……

問題はその中身である。吉と出るか凶と出るか……果たしてどちらか。



「で、その中身は……?」

「ああ。勇者育成協会の構成についてだ」

「構成について……? それって今必要なんですか……?」

「まあ聞け」



そういうと、手元の端末の投影機で何も無い空間に映像を映し出す。

これに関しては後でゆっくりと説明を聞こう……そうも考え込む間に、説明が始まる。



「いいか、私達は勇者たる所以が存在する」

「所以……そう言えば説明を受けたことってなかったな……」

「我々はどこかしら身体的は特徴が一つだけずば抜けている事が分かっている。それは春斗さんの集めたメンバー全員が同じだからな」

「身体的特徴……」

「もちろん、五感などの奴もいる。現に私は筋力が一時的に強まるし、七瀬は視力が常人より強い。そういうのが、勇者の特徴だ」



要するに、普通の人間とは違い、どこかしらが発達しすぎている、ということだろう。だけど、それが何故都合よく……?



「春斗さんは第三次世界大戦を止める際に湖の女神と契約していてな」

「えっ、ファンタジー…?」

「違う。現実だ」



スライド付きで説明されるが、あまり現実的な話ではなかった。それ故か、今の話の感じではまだ信用出来ない。



「その際に、人間が今後辿るべき進化を彼だけが経験した。五感の発達や、第六感だ」

「……第六感……」

「だからこそ、似たような進化をしている人間は彼の監視下に置かれ、必要と判断された物はこうして勇者育成協会の構成員となる」



要は、特殊の中でもさらに特殊の選ばれたメンバー。ということだ。

スペシャル……か。



「お前は、確定条件はわからんがある状況下で異常なほどの頭の回転をすると聞いている」

「覚えは……ないですね」

「そうか」



その一言で流されはしたが、説明は続く。



「私達はお互いの才能を刺激し合い、それを高めていく必要がある。そしてそれが、バディだ」

「2人1組の……」

「そうだ」



説明が続いていく中で、僕はとある言葉で、この一連の説明について本物かどうかを確信することになる。
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