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引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。(LEVELZERO)

死んだはずの少女

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「総統、準備が出来ました」
「うむ。でははじめたまえ」
「御意!」
「うむ……」

 一人の少女がいた。レビスト財団現総統。レビスト・クレア。しかし――その姿は、どこか、一人の少女に似ていた――瓜二つ。その言葉で称えていいほど、似ていた。それは、裏切りなのか。使命なのか。わからなかった。
 かりそめの姿が本物の姿だったかもしれない。かりそめの姿がかりそめだったかもしれない。それでも、変わらないものはあった――好意。それだけは変わってはいなかった。

「……翔……ごめんね……」

 少女は謝った。始まりの少年に。すべての始まりの少年に。彼が――天然としての能力者の根源と知っていたから。すべての始まりだと知ってたから。だから――誤った。その少女は。

「でも、これが私の役目なの。これが私の使命なの」

 その少女が見つめる先は、果たしてどこなのだろうか。彼女を見て、始まりの少年はどうなるのだろうか。
 ずっと能力者を見つめ続けてきた始まりのLEVELZERO――癒しの力。すべてをいやすその力は、もっともレベル5に近く、もっともレベル5から遠かった。
 その少女は力を受け入れた。なんなく、受け入れた。監視役。そんな言葉で飾られた能力を手にし、少女は観察をしていった。散りゆく能力者を。

「総統、来たようです」
「うむ。これよりレビスト財団は能力者を狩る!! 研究対象以外は潰せ!!」
「御意!!」

 少女に従うのはレベル3以下の研究対象。その内容は――人類の進化だった。
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