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伊勢谷慎二/miu√
絶対防衛ライン上の勇者『上』
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アイドル護衛任務を任された伊勢谷慎二であります。仕事=デートなんてシャレにならない話。信じてみたくもない話だ……
さて。なぜ生きてるか疑問の奴もいるだろうが、あの天使たちの戦いの後、ジャンヌの遺産の力で眠っていた僕は急に解放されるように目覚めた。だけど、それだけじゃないんだ。ジャンヌの加護。それが能力になっていた。『呪い』はやがて『愛』へと姿を変えた。
「なんて話……中二病だよなあ」
「元からでしょ? 慎二さん?」
「げえ、美雨さんひでえ!」
『こらこら! 任務中はイチャイチャしない!!』
勇者に現役復帰した元・YIK日本支部のメンバーたち。nextと合併し、今は新・nextYIK支部という誰が考えた、このひどいネーミングセンス。状態なのだが……何せ、リーダーの圭が納得しちまったしな。リーダーが納得しちまった以上どうしようもねえしな。
「なあ、晴ちゃん」
『はい?』
「俺さ。色々あったけど、全部ひっくるめて、この世界が好きだ」
『まーた長い昔話ですかあ?』
「いや、そうじゃないよ――きっと」
そうだ。そうじゃない。今まで生きてきた意味を僕は見つけようとしていた。長い夢の中での戦い。忘れ去られた一週間の記憶。それもひっくるめて、父さんには本当に感謝してる。義理の父さんなんかじゃない。あの人は、間違いなく『本当の』父親だ。
「アイドル護衛任務かあ」
「ワクワクしちゃいますねぇ」
「そう?」
「ええ」
いつになくやる気の美雨さんだが、よりを戻すのは大変でした……うーん。あれが一番壮絶を帯びた戦いだったんじゃないだろうか。まあ、いっか。そんな事。今はどうでもいいとして。
「あ、慎二さん」
「んー?」
「怪しい人がッ」
「何!?」
こうして極秘任務を任されるようになったのはつい最近だ。なにせ、圭がそうなるように必死になって仕事探してきたからな。おかげで毎日が忙しいぜ……やれやれ。だよな。
「これが終わったら次はライブ会場の客入れの手伝いです」
「それ勧誘じゃねえか!!」
と、こんな風に前と何ら変わらないくだらない仕事も入ってくる。それでもいやいややってるんだけどな。ここでうろたえてたら美雨さんうるさいんだもんな。
だけど、それだけこの仕事にはやる価値がある。最近、本当にそう思えてきたんだ。この仕事を続けて――父さんのやろうとしたことを理解して。それで――それで――
「思えば、色々ありましたね」
「うん。でも、それもすべて思い出だ」
「はい。今は圭たちのために頑張りましょう」
「何れ――あいつらにも守りたいものが出来る。その時まで、俺たちが守ってやらないと、な」
「はい」
そんな雰囲気の中。次第にことが起き始めていた。
「泥棒よー!」
「美雨さん!」
「分かってますよっ!」
泥棒。アイドルに見とれてる中で起こったことだ。まあ、言っちゃえばよくある事だよな。それでもしっかりと仕事はこなす。じゃないと怒られちまうからな。
「でやあああああああああ!」
「……相変わらずすげえ蹴り」
「え? 何か?」
「いや?」
とまあ、そんなこんなで泥棒さんには退場してもらった。まあ、美雨さんにはかなわんよなあ。
『もしもし。三国だ』
「ああ、三国さん。そっちはどう?」
『うむ。心配いらないぞ』
「そ、そう」
三国エルザ。いつもちょっとだけテンションが高い。そのくせ弱虫なところがある。……そうだな。この仕事が終わったら話をしようか。
『ん? 何の話だ?』
「い、いや、何でもないよ」
どういうわけか、今日はやたらとテンションが高い。まあ、いつもの事なんだけどさ……少し心配よね? ここまでテンションが高いとさ。
「じゃ、後で」
『うむ』
そうして別れを告げ、電話を切る。何せ任務中だ。あまり長話は出来ない。
一時間後――
「ふう、終わりましたね」
「うん。何とかね」
しかし――僕はまだ知らない。この先に待ち構える――人生最大の修羅場を。
さて。なぜ生きてるか疑問の奴もいるだろうが、あの天使たちの戦いの後、ジャンヌの遺産の力で眠っていた僕は急に解放されるように目覚めた。だけど、それだけじゃないんだ。ジャンヌの加護。それが能力になっていた。『呪い』はやがて『愛』へと姿を変えた。
「なんて話……中二病だよなあ」
「元からでしょ? 慎二さん?」
「げえ、美雨さんひでえ!」
『こらこら! 任務中はイチャイチャしない!!』
勇者に現役復帰した元・YIK日本支部のメンバーたち。nextと合併し、今は新・nextYIK支部という誰が考えた、このひどいネーミングセンス。状態なのだが……何せ、リーダーの圭が納得しちまったしな。リーダーが納得しちまった以上どうしようもねえしな。
「なあ、晴ちゃん」
『はい?』
「俺さ。色々あったけど、全部ひっくるめて、この世界が好きだ」
『まーた長い昔話ですかあ?』
「いや、そうじゃないよ――きっと」
そうだ。そうじゃない。今まで生きてきた意味を僕は見つけようとしていた。長い夢の中での戦い。忘れ去られた一週間の記憶。それもひっくるめて、父さんには本当に感謝してる。義理の父さんなんかじゃない。あの人は、間違いなく『本当の』父親だ。
「アイドル護衛任務かあ」
「ワクワクしちゃいますねぇ」
「そう?」
「ええ」
いつになくやる気の美雨さんだが、よりを戻すのは大変でした……うーん。あれが一番壮絶を帯びた戦いだったんじゃないだろうか。まあ、いっか。そんな事。今はどうでもいいとして。
「あ、慎二さん」
「んー?」
「怪しい人がッ」
「何!?」
こうして極秘任務を任されるようになったのはつい最近だ。なにせ、圭がそうなるように必死になって仕事探してきたからな。おかげで毎日が忙しいぜ……やれやれ。だよな。
「これが終わったら次はライブ会場の客入れの手伝いです」
「それ勧誘じゃねえか!!」
と、こんな風に前と何ら変わらないくだらない仕事も入ってくる。それでもいやいややってるんだけどな。ここでうろたえてたら美雨さんうるさいんだもんな。
だけど、それだけこの仕事にはやる価値がある。最近、本当にそう思えてきたんだ。この仕事を続けて――父さんのやろうとしたことを理解して。それで――それで――
「思えば、色々ありましたね」
「うん。でも、それもすべて思い出だ」
「はい。今は圭たちのために頑張りましょう」
「何れ――あいつらにも守りたいものが出来る。その時まで、俺たちが守ってやらないと、な」
「はい」
そんな雰囲気の中。次第にことが起き始めていた。
「泥棒よー!」
「美雨さん!」
「分かってますよっ!」
泥棒。アイドルに見とれてる中で起こったことだ。まあ、言っちゃえばよくある事だよな。それでもしっかりと仕事はこなす。じゃないと怒られちまうからな。
「でやあああああああああ!」
「……相変わらずすげえ蹴り」
「え? 何か?」
「いや?」
とまあ、そんなこんなで泥棒さんには退場してもらった。まあ、美雨さんにはかなわんよなあ。
『もしもし。三国だ』
「ああ、三国さん。そっちはどう?」
『うむ。心配いらないぞ』
「そ、そう」
三国エルザ。いつもちょっとだけテンションが高い。そのくせ弱虫なところがある。……そうだな。この仕事が終わったら話をしようか。
『ん? 何の話だ?』
「い、いや、何でもないよ」
どういうわけか、今日はやたらとテンションが高い。まあ、いつもの事なんだけどさ……少し心配よね? ここまでテンションが高いとさ。
「じゃ、後で」
『うむ』
そうして別れを告げ、電話を切る。何せ任務中だ。あまり長話は出来ない。
一時間後――
「ふう、終わりましたね」
「うん。何とかね」
しかし――僕はまだ知らない。この先に待ち構える――人生最大の修羅場を。
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