引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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引き勇

決着

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「ほれ、着いたぞ」
 と、言い、指をさされたのは、政府の基地……って、いきなり!?
「俺がいるんだ。平気だ」
 ま、まあ。ケビンは政府の人間だったし……行けるのか……? と、目についたのか、警備員がこちらに向かってくる。
「あの……」
「俺だ。通してくれ」
 はい。と、頷いている。すごい。これが権力ってやつか。さすが権力、汚い。ケビンは、警備員に何やら耳元でつぶやいた。何をつぶやいたのかは知らないが、その内容は、気になった。何しろ、まだケビンが裏切る可能性もある。
 まさか……な。それはないだろう。うん……無い……はず。
「さて、今から先に特務隊のところに向かうぞ」
 何故、特務隊のところに? そう言えば、エルザ。だっけか。すごい強い奴がいるんだっけ? そいつを味方にしてって事なんだろうか。
 階段を上るぞ。と言われ、階段を上る。階段を上るまでに、政府の人間と頻繁にすれ違ったが、特に何もなかった。おそらく、それほどにまでケビンが信頼されているんだろう。しかし、妙に静かだ。まるで、トップの人間がいないように。
「なあ、魔王の事、覚えてるか?」
 魔王? ああ。そう言えば、契約の時に美雨さんが言ってたあれか。確か、すべてのブラック企業のトップに立つ人間……いや、待てよ。てことは、そいつは今この日本のトップ。つまり……
「魔王はな。ずばり首相だ」
 やっぱり……でも、首相を倒すのは、駄目なのではないだろうか。
「そうだ。駄目だ。だからな……捕まるのはお前たちの方なんだよ」
 こいつっ! やっぱり最初からそのつもりで……
「ケビン! 話が違うぞ!」
「何勘違いしてるんだ。七瀬。裏切り者に本当の事なんて教えるわけないだろう?」
「このクズがあああああああああ!!」
 何とでも言え、と、ケビンは部下に指示を出す。部下の中で、一人だけ異様なほどにまでの殺意を見せるやつがいた。七瀬さんのところへ行く。
「ねえ、七ちゃん。なんで裏切ったの? 約束してくれたよね? ずっと一緒に居てくれるって」
「エルザ、違う……これはっ!」
「言い逃れなんて聞きたくないよ。でもね、裏切り者はこうするのがうちの部隊の鉄則。忘れたわけじゃないよね?」
 やばい、この状況はまずい! 遺産の力……使う!

 ……
 ……
 どうなったんだ……? 意識が、飛んだ。それは確かだ。能力を使うと、意識が飛ぶって聞いたけど……
「なあ、魔王の事覚えてるか?」
 戻った……? 過去に……? いや、再構築された。という事だろうか?
「でも、首相を倒す前に……あんたが裏切るつもりなのを知ってるぜ」
「……? 何言ってんだ? 特務隊を仲間にする。そう言うあれじゃないか。いやあ、まあ、まだ信用されてないってのはわかったが」
 変わった……? ケビンが、裏切らな未来に? ……これが、遺産の力……この力は、危険じゃないのか……?
「まさか、お前はこの力を使ったのか?」
 ……黙秘権。何も答えない。しかし、ケビンは察したのか、注意をしてきた。
「いいか、そいつの力を使うときは本当に危なくなった時だけだ。願い事は、最後の切り札だ」
「違う……危なくなったから使ったんだ」
「何……?」
「改変前、ケビンが裏切り、七瀬さんが死んだ。前に話してた、エルザってやつのせいで」
「……エルザは、人殺しなんてできないさ」
 嘘だ。殺せないなら、特務隊になんて入れるわけがない。殺さないための特務隊なんかじゃない。殺すための特務隊だ。前に七瀬さんが話していたが、
『「半蔵」「エルザ」「ケビン」そしてあたし。以上の4名で構成されているのが、政府直々の犬、特務隊だ。政府の判断で必要ない人間、危険分子を殺すための部隊。それが特務隊だ』
 と。前に一度、彼女は僕たちの前で、ECO社の秘書、伊東を殺しかけている。それが、殺すための部隊だと証明してしまっている。……いくら世界線を変えたとはいえ、恐らく時間がずれただけだ。裏切る時間が変わっているとは思えない。最悪の場合には……タイムパラドックスで……
「……伊勢谷、この先はのぼるな」
 ……変わった……? 世界線が……本当に……
「おい、七瀬!」
「違う、あんたを裏切るわけじゃない! でも、この先に居るエルザは危険だ!」
 やはり、エルザは危険すぎる存在……ならば、いっそ。
「やめろ。それだけは。タイムパラドックスで存在を消すのだけはやめろ」
 何故、そこまで頑なに拒むのだろうか。そう言えば、幼馴染って……
「この先は、あたし一人で行く。ケビン、こいつらを裏切ったら、どうなるかわかってるよな?」
「七瀬……俺を脅しているつもりか? そもそも、そんなことあるわけないだろ」
 あったから尚更だ。さっき、お前は裏切った。が、箱の力でどうにかなった。
「伊勢谷、この先俺が裏切ったりしたら、迷わずタイムパラドックスを起こせ。それで、自由に出来るはずだ」
 ……え? 自分から、裏切ることを言っているものじゃないか。それ。でも、裏切る前にこんなことを言うだろうか? おそらく、ケビンにとってこれが最後の、完全に味方になった。という証明だろう。……分かった。信じる。そして、七瀬さん……死なないでくれ。
「晴ちゃんは、恐らく首相のとこだろうな。そこまで行くまでには、絶対に俺の権力が必要だ」
 自分で権力とか言っちゃうもんなのか。僕も、いつかそんな権力を欲しい。むしろ、いつか権力者になってそうだ。願い事は、不老不死と権力者にしようかな。
「だがな、恐らく晴ちゃんと箱の交換を持ち掛けてくる。その時は……お前の判断にまかる」
 任せられた……いや、ケビンにはどうしようもない事なんだろう。箱の力を使わなければ、駄目なんだろう。願い事は……その時に使うか、過去を変え、首相の存在にタイムパラドックスを起こすか。その2択だ。どちらにするか。それは……その時の判断に任せるしかない。僕に選べるか? どちらかを。願い事を使えば、僕の死は近づく。タイムパラドックスを使えば、一連の騒動は『無かった』事になる。が、僕の精神力で人を消すなんて耐えられるか……
 ここからが執念場だ。覚悟しなければ。
 ケビンに案内され、首相のいる部屋に案内されていく。

 ガチャ。ケビンが部屋のドアを開ける。やあ。待ちかねたよ。確かに、首相を名乗る男は言った。待ちかねていた……? まあ、でも、晴ちゃんが捕まっているなら、助けに来るとは思うか……
「さて。君たち。おそらくこの娘を返せという事だろう?」
 妙に聞き分けのいい。箱を手に入れるつもりはないのか?
「箱をよこせ。……なんて言うとでも?」
 え……?
「まだわからんか? 元から……この娘を殺すつもりだったんだよぉ!!」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
 男は、晴ちゃんを捕まえていた腕を回し、ナイフを取り出す。恐らく、脳にでも差し込んで即死させるつもりなのだろう。
「やめろ……やめろ!!」
 能力を使う。そんな事すらも考えられないほどに頭に血が上っていた。
 だが、ここで僕は気づいた。
「あれ……? ケビンたちは……?」
 居ない。返事もない。さっきまで、いなかったか?
「ああ。彼らか。それはね、箱の力で君だけが入る未来に書き換えたんだよ」
 箱……!? どういうことだ!?
「知っているかい? かのシャルル皇太子はな。パンドラの箱を持ってたって言うぜ」
 パンドラの箱。開ければ、世界に災いをもたらすという悪夢の箱。禁断の箱。しかし、それはゼウスが持ち帰ったはずだが……?
「ああ。ゼウスが持ち帰る瞬間にも、パンドラの箱は機能した。そして、その当時の所有者である、パンドラの願いも相まって、ゼウス自体が消えたんだよ」
 史実にそんなことはかかれていない。誰も、わからないはずだ。なぜ、わかる。
「まあ、そんなことどうでもいいだろ。君は。どうなってもいいのかい? この子が」
 やられた。向こうにも箱がある限り、どうしようもない。
「どうだ。私がこいつを持っている限り、どうしようもできないのさ」
 一か八かに……かけるか……? 一か八か、銃のトリガーを引く……
「……じゃあな」
 刺した。あいつは、ためらいもなく。人を切った。
「はあ……楽しかったぞぉ伊勢谷ぁ?」
 なんだ? この聞いたことのあるような声は……
「お前。馬鹿だな。俺が、ケビンなんだよ」
 え……? な、何言ってるんだ。ケビンはさっき居たじゃ……
「あいつはなぁ……俺が願った結果なんだよ。もう一人の自分。だが、あいつは違った。俺の求める自分じゃなかった」
 箱の願い。本当に……何でも敵うのか……もう一人のケビン。だから、あの時何かあれば迷わず消してくれ。と言ったのか。そうすれば、自分とこいつ。両方を消せる。
「晴ちゃん……」
 そうだ、刺されたんだ。今、目の前で。どうする? 過去を変えるか? タイムパラドックス……高確率で、起きる。存在が……消える。
「どうしようもなくなったなぁ? さあ、どうする。俺を箱の力で消すかぁ?」
 今は、それもいいかもしれないな。そうしなきゃいけない。晴ちゃんの為にも。殺すよりも残酷に。刺されるよりも残酷に。存在を消してしまえば、気が楽になるかもな。そうだよ……消すんだよ。あいつを。そうだ。この力があれば、ブラック企業はおろか、こんなに衰退した日本を消せるんだ……ははは。
「おら、早くしろよ。出来ねえのか?」
 出来るさ。でもな……存在を消しても意味ないんだよ。だから……僕の力でお前を殺す!
「お前、自分の力で倒すつもりか。ハハハハハ! こりゃおもしれえ! どう殺すつもりだ? 銃殺か? 虐殺かぁ? 楽しみだよ! 伊勢谷君!!」
 殺されるって状況で、よく笑ってられるな。こいつ。
「銃殺だよ。当然。その後に存在でも消してやるよ」
 しかし、ケビンはそれでも余裕を見せた。なんでこんなに余裕でいられるんだ?
「いいこと教えてやるよ。箱の力が相殺さえるときはな、後に使った方が無効になり消えるんだ」
 え……? な、なんだよそれ。おかしいじゃないか。そもそも、同時に使うなんてありえない。タイミングが合うわけないんだ。
「まあ、こけおどしにでも認識しておけよ。じゃあ……やるかぁ!」
 ナイフを構える。相手は、いくらオリジナルのケビンとはいえ、特務隊の隊長になるほどの実力者だ。倒せるか……?
「おらぁ!」
 つ……! 一瞬で、間合いを詰められた。早い。けど、ぎりぎりよけられた。
「ほう……」
「ぐ……! こいつでええええええ!!」
 引き金を引く。が、ケビンはそれを余裕を見せているのか、ギリギリ、かたの横でよける。舐められている。なら、いいよ。俺も、手加減しない。
「……」
 もう一度、トリガーを引く。銃弾は、ケビンの方へ行くが、ケビンはそれを避ける態勢に入る。……今だ!
 能力を使う。ケビンが避ける。というのを、肩でかすめる。それだけでも十分だ。そして、父さんから受け取ったこいつは、箱の能力の干渉を受けず、真っ直ぐな軌道で飛んでいく。この世界で唯一、時間干渉の影響を受けない銃だ。
「……ハハハ!」
 銃弾は……どういうことだ!? 肩をかすめたんじゃない。『肩を貫通した』
 僕は、かすめるだけで留めたはずだが……
「言っただろ、後に使った方が無意味になるって」
 まさか、自分で……? どういうことだ。
「同じだよ。ハルトとな」
「そうか……願い、叶えたんだよな」
 願いを叶えてしまえば、後は無残な死を待つだけ。とはいえ、何故みんな、誘拐事件起こして死のうとするのだろうか。
「一番手っ取り早いんだよ……誘拐すんのがな」
 いや、その理屈はおかしい。でも……
「ああ。そうだな。晴ちゃんを殺したのはやりすぎた……なんて言うとでも思ったか? あいつがいる限り、箱は存在し続けるんだよ」
 何言ってるんだ。こいつは。
「ジャンヌの後継者を見定めるための箱なんだよ。そいつはもともと」
 そんな目的で存在してたのか……というか、それ以上しゃべったら死にますよ? ガチ目に。いや、肩貫通しただけだけど。というか、肩貫通しただけでなんでこんな死にかけてるんだ? この人は。
「結論から言えば、生まれ変わりの晴ちゃんさえいなければ箱は次第に消える。そう言うこった」
 だからって……
「なら、箱を消せばよかったんじゃ……」
「箱はいつの時代も勝手に生まれ、勝手に消える。後継者さえいなくなれば、用済みになり消える。そんな単純なことだよ。これは」
 ……それでも……
「でもな、美雨を悲しませないために、晴ちゃんの存在を消してやるのが良心じゃねえか?」
 なんでそうなるんだよ。なんで。駄目だ。そんなの。
「まあ、勝手に……しろっ!」
 ナイフを上に振り上げる。とっさに、僕は後ろに引く。が、狙ったのは僕ではなかった。自分の、心臓だ。
「取りま、俺が消えれば綺麗な方の俺もそのうち消えるだろうよ。それに……」
「そっちの箱も消える……」
 そう言うこった。そう言って、息が途絶えた。
「……」
 丁度、そのタイミングで美雨さんたちが入ってくる。なんで、そんなにタイミングばっちりなんだ……こんな時まで。
「晴はどうなったんです……か……」
 目に入ってしまったんだろう。晴ちゃんが。
「これって、どういう……」
 目の前の晴ちゃんを見て、固まる美雨さん。当然の反応だろう。目の前で、自分の妹が死んでいるんだから。
「どういうことですか……? 約束してくれましたよね? 絶対助けるって……」
 殴りかかってきそうな勢いだった。が、七瀬さんがとめる。
「どうしようもないことだってあんだよ。これが、伊勢谷の頑張った結果なんだよ」
 気持ちを駄弁してくれている七瀬さんを横目に、僕はケビンの存在を……消す。
「箱の力で過去を変えれば……」
「無理だよ、そうすれば、存在が消えるんだから」
「ぐ……」
 その重々しい雰囲気のまま、僕たちは政府の基地を後にした。
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