引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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引きされ

ルートC

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 もしも父さんと共闘していたら。
 これは、そんなもしもの世界の世界線。―― ifルート。

「おい、慎二」
「え、なに? 父さん」
「行くぞ?」

 父さんを箱の力で生き返らせた。でも、それがどうい事なのかはわからない。ただ、もう一度、父さんに会いたいとだけ箱に望んだ。

「やっぱり、駄目か?」
「だ、駄目じゃないよ!」
「よし、ならいこう」

 父さんと初任務。それが、今から起きることだ。

「さあ! 慎二! イーグルを出せ!」

 父さんと同じ柄のイーグル。いわば、ペアルック的なものだが、深い意味はない。

 今日の任務は、砂漠地帯でのゲリラの討伐。

 でも、父さんには隠していることがある。箱の事だ。
 箱のない世界線の父さんだから。

「心身弾!」
「そ、それ父さんの技だったの?」
「ああ。そうだが?」

 驚いた……ずっと、七瀬さんのオリジナルと思っていたから。

 こんな感じで、色々なことが判明して、楽しく過ごせている。後は――

 この世界線でのケビンの様子を見届ける。

「どうだ、慎二」
「うん、問題ない」
「そうか」
「うん」

今回の任務は極めて簡単なほうだろう……そのはずだ。絶対そうだ。

「死ぬ覚悟をするんじゃない、死なない覚悟と、死なない努力が最後は報われるんだ」
「うん、いつも言ってるね」
「大事なことだからな」
「そう……」

 なんだろう。親の前だと素直になれないーーからかな。この気持ちは。
 とにかく、素直になれない。そんな僕を、父さんはどう思ってるんだろう?

「ねえ、父さん」
「ん?」
「僕のこと、どう思ってる?」
「そりゃ、可愛い息子だ」
「そうじゃない!」

 そうだ、そうじゃないんだ。

「はっきりいって、邪魔じゃない?」
「んなことぁねぇよ」
「そ、そう?」

 おう。という相槌と共に、父さんは動いた。

「来るぞ」

 奴がーー獲物が来た。向こうから来てくれるなんて、好都合だしね。
 とても……とても……

  だから、このチャンスを活かす!

「心身弾!」

 二人でこうして戦うのも、初めてか。

「慎二、付いてこれるか!」
「もちろん!」
「お前の能力、俺にも付いてるんだからな」
「分かってるって」

 「「フル・バースト!」」

 全弾発射。それは、僕と父さんがありとあらゆる世界線の心身弾を集めた合体攻撃だ。

「ほお、やるじゃねぇか、慎二!」
「まあね、これくらいなんてことないさ!」
「頼もしいねぇ!」

 いつになく、父さんは楽しそうだった。
 その笑顔のために、僕は箱の力を使った。結果ーー自己満足は得られた。得てなければいけなかった。

 その結果ーー

「おし、終わりだ」
「やったね! 父さん!」
「おう。じゃあ、戻るぞ」

 今いるところから拠点までは数キロ。歩いて行ける距離だった。

「狙い打つぜ!!」
「甘い!」

 背後から父さんを殺そうとしていたスナイパーが現れた。が、当然僕と父さんの敵ではない。

「やったね!」
「むう……」

 その表情は、どこか重苦しかった。

「どうしたの? 父さん」
「いや、さっきのやつ、妙だなってな」
「え?」
「わざと弾を食らったみたいだった」
 
 全然そんな感じはしなかったけど……

「まあ、いい。拠点に戻るぞ」

   ーー

「ういーす」
「なんだ、ケビン。戻ってきてたのか」
「そりゃまあ、それの腕舐めてもらっちゃ困るぜ」
「見くびってないぞ。仮にも俺の右腕だしな」
「仮にもってなんだ、仮にもって」

 そんないつも通りの冗談のいいあいが、僕の望んだ世界なのかもしれないけどーーやはり、どこかチグハグしている。

 ーーケビンって、こんなに強かったっけ?

 ケビンは別の世界のケビンとはいえ、多分、ハデスやパンドラについては知っている。
 なのに、触れようとしない。

 じゃあーー

「ケビン」
「ん? なんだ、坊主」
「ケビンは、パンドラのことわかってるよね?」
「……」

 黙り込む。沈黙が続く。まるで、タブーに触れたかのように。
 また、ケビンによってこの世界線もダメになるのか…?
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