26 / 271
引きされ
任務
しおりを挟む
「慎二、そっちはどうだ」
『まずまずだよ』
「そうか、ならいい」
『でもさ、父さん』
「ん?」
『箱ってそんなに簡単に手に入るの?』
「半蔵からありかは聞いている。あとは探すだけだ」
そう言って、通信が切れた。
だけど、父さんも能力はあるってことは、既に手に入れてるんじゃないのか?
いや、世界線が変わったなら……いやいや、変な事考えるのはやめだやめだ!
今はとにかく任務に集中!
「慎二! こっちだ!」
父さんの合図で突入する。
今、フランスでも随一の資産家、《レコル》亭に侵入している。
スモークを炊く。
「慎二、ほれ」
と言われ、投げつつ箱を渡される。
「え、ええ!?」
「走れ!」
全くーーこんなんで、いいのだろうか。これじゃ、勇者じゃなくて盗賊だ。
勇者。それは、いかなる人も救おうとする聖人。そんなイメージがあるだろう。だが、そうではない。
勇者、それは、いかなるこんな困難にも立ち向かえる勇気を持ち、一般人であろうが、名乗ろうと思えばな乗れるのだ。
だけれどーーだけれどもーー
「父さん! こんなの全然勇者じゃないじゃないか!!」
「ん? 逆にお前にとっての勇者ってなんだ?」
それは、最もな質問だった。最もな回答だった。
「そ、それは……」
「それがわからないならおまえはまだまだだな」
「で、でも!!」
「でももクソもあるか。おら、まだ任務中だぞ」
でも、でもさ、それじゃあ……勇者って何のためにあるの……?
「それを見つけるのが、しばらくのお前の課題だな」
「そ、そんなぁー!」
そうして、毎日僕は勇者について考えている。
勇者にならなければ、父さんを超えられない。だからといって、無理やり超える訳では無い。ちゃんと、ダン取りを決めてから、超えるんだ。
「そら、いくぞ!」
「うん!」
格闘訓練。必要不可欠な格闘技術を身につけるものだ。
やってて意味があったことなんてない。だって、銃使いなのだから、僕達は。
でも、いずれ使う時が来る。その時までーー
「そいやっー!」
「ぐはっ……」
腹に回し蹴りが入る。
「まだまだだな」
「う、うう……」
「なんだぁ? 泣くのか?」
「だって、だって……」
「お前ももう17だろ。いつまでもそんなんでどうする」
最もだ。正論だ。あっている。
「わ、わかってるよね……」
「んじゃ、俺は行くぞ」
「え?」
「任務だよ」
でも、どこか遠くへ行く気がした。父さんの言っていることは、いつもそんな感じがした。
父さんが任務に出てから数時間。帰ってくる気配がない。
「ケビン」
「ああ。やばいな……」
「様子見に言った方がいいよ」
「ああ。そうだな」
父さんの任務の先――ブラック企業の取り締まりだ。
しかし、今日は出先に出てから妙に遅い。ケビンも流石に心配のようだ。
「行くぞ、慎二」
「うん」
父さんの出先へ僕たちも向かった――
「ちっ」
「でやぁ!」
ブラック企業は時に、すさまじい力を持っているときがある。
その時、僕たちはどう対抗出来るか。正直僕にもわからない。
「どうしよう、ケビン」
「どうしようもこうしようも――こうするしかねえ!!」
扉を蹴り壊す。そして父さんを探し始める。この、狭い会社で。
どこに居るかはわからない――
手分けして探すことになった。
『まずまずだよ』
「そうか、ならいい」
『でもさ、父さん』
「ん?」
『箱ってそんなに簡単に手に入るの?』
「半蔵からありかは聞いている。あとは探すだけだ」
そう言って、通信が切れた。
だけど、父さんも能力はあるってことは、既に手に入れてるんじゃないのか?
いや、世界線が変わったなら……いやいや、変な事考えるのはやめだやめだ!
今はとにかく任務に集中!
「慎二! こっちだ!」
父さんの合図で突入する。
今、フランスでも随一の資産家、《レコル》亭に侵入している。
スモークを炊く。
「慎二、ほれ」
と言われ、投げつつ箱を渡される。
「え、ええ!?」
「走れ!」
全くーーこんなんで、いいのだろうか。これじゃ、勇者じゃなくて盗賊だ。
勇者。それは、いかなる人も救おうとする聖人。そんなイメージがあるだろう。だが、そうではない。
勇者、それは、いかなるこんな困難にも立ち向かえる勇気を持ち、一般人であろうが、名乗ろうと思えばな乗れるのだ。
だけれどーーだけれどもーー
「父さん! こんなの全然勇者じゃないじゃないか!!」
「ん? 逆にお前にとっての勇者ってなんだ?」
それは、最もな質問だった。最もな回答だった。
「そ、それは……」
「それがわからないならおまえはまだまだだな」
「で、でも!!」
「でももクソもあるか。おら、まだ任務中だぞ」
でも、でもさ、それじゃあ……勇者って何のためにあるの……?
「それを見つけるのが、しばらくのお前の課題だな」
「そ、そんなぁー!」
そうして、毎日僕は勇者について考えている。
勇者にならなければ、父さんを超えられない。だからといって、無理やり超える訳では無い。ちゃんと、ダン取りを決めてから、超えるんだ。
「そら、いくぞ!」
「うん!」
格闘訓練。必要不可欠な格闘技術を身につけるものだ。
やってて意味があったことなんてない。だって、銃使いなのだから、僕達は。
でも、いずれ使う時が来る。その時までーー
「そいやっー!」
「ぐはっ……」
腹に回し蹴りが入る。
「まだまだだな」
「う、うう……」
「なんだぁ? 泣くのか?」
「だって、だって……」
「お前ももう17だろ。いつまでもそんなんでどうする」
最もだ。正論だ。あっている。
「わ、わかってるよね……」
「んじゃ、俺は行くぞ」
「え?」
「任務だよ」
でも、どこか遠くへ行く気がした。父さんの言っていることは、いつもそんな感じがした。
父さんが任務に出てから数時間。帰ってくる気配がない。
「ケビン」
「ああ。やばいな……」
「様子見に言った方がいいよ」
「ああ。そうだな」
父さんの任務の先――ブラック企業の取り締まりだ。
しかし、今日は出先に出てから妙に遅い。ケビンも流石に心配のようだ。
「行くぞ、慎二」
「うん」
父さんの出先へ僕たちも向かった――
「ちっ」
「でやぁ!」
ブラック企業は時に、すさまじい力を持っているときがある。
その時、僕たちはどう対抗出来るか。正直僕にもわからない。
「どうしよう、ケビン」
「どうしようもこうしようも――こうするしかねえ!!」
扉を蹴り壊す。そして父さんを探し始める。この、狭い会社で。
どこに居るかはわからない――
手分けして探すことになった。
0
あなたにおすすめの小説
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる