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引きされnext
新たな始まり
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勇者が居た。彼は、すべてを救い、すべてを受け入れた。しかし、彼は言った。これは序章に過ぎなかったと。罪悪感に精神を食われ続けて、精神が不安定になっても、彼は人のためにあり続けることを誓うのだった。これは、伊勢谷慎二の人生を見極める話でもあり、彼の弔いの話でもある。世界の分岐点で彼は、次第に――
――日記を見た後、僕は彼女を探そうとはしなかった。僕が起こした一連の件。僕は完全に身を引こうと思ったからだ。償いきれない罪。ケビンや、晴ちゃんたち。どうやっても償えない罪だ。箱の力は危険すぎた……だからこそ、この件は箱の力で解決してはいけないと悟った。それは、また悲劇を繰り返すだけなんだから。決戦の後、僕は日記を見たが、それに影響されたのではない。でも、僕はやがて死ぬ。それが箱を使ったものの末路なんだから。ならば、せめて……僕にできる最大限の事をやるべきなのではないか。そして、僕の出した結論はこうだった――
「……小さい事でもやっていく。それが、僕の望んでいた本当の勇者なのかもな」
小さなこと。何でもいい、人のためになる事。ゴミ拾いでも、なんでもいい。とにかく、人のために。汚い仕事でも、綺麗な仕事でも。罪悪感を消してくれるものがあればそれでいいんだ。箱を使い、僕は変わってしまった。色々の罪を償わなければ。という使命感に毎日毎日、襲われていたからだ。でも、仕事を見つけるためでも、自分を探す旅でもいい。とりあえず、僕は、全国を回って歩くことに決めた。
「お金は十分ある。父さんが残してくれたものが。困ることはないだろうけど……でも、僕一人じゃな」
僕は、たった一つだけやりたいことがあった。全国の貧しい子供たち。そんな子供たちを援助する施設を作りたいというものだった。別に、子供だけじゃなくてもいい。とにかく、困っている人たちの役に立つ施設。そんな物を僕は作りたかった。それを作れば、日本は変わってくれるような気がした。子供たちは希望なんだ。これからの世界を作るための、希望。それを失ってしまえば、人間の悪の部分だけが前面に出てきて、それこそ戦争以上の悲劇が起きるだろう。それは絶対に止めなければいけない。それが、僕に与えられた最後の任務だ。そんな気がした。
旅に出る決意をするのと同時に、僕は箱を処分した。永久の世の中に出ないよう、厳重に。あれがもう人の手に渡らないように。あれは使い方次第では人類の滅亡だって望める。そんな危険なものを封印しとかないわけがない。例え、悪人の手に渡ったとしても、それを止めることはも僕にはできない。だったら、僕がけじめをつけて、箱を二度と表に出さないようにするだけだ。
しかし、それでも、僕にまとわりつく遺産の呪いは消えない。これは、魔女狩りや、人の怨念。それを箱に封印したとされるゼウスの、パンドラの箱だ。しかし、その箱はやがて、英雄たちが使うことになる。ジャンヌ・ダルク。アルデンセン。シェイクスピア、織田信長、ペリー……そんな、歴史上の偉人たちは箱を使ったかもしれない。この箱は、願いがかなえられるのと同時に、過去へ介入できるようになる。時間論なんて普通の人間にはどうでもいい。でも、ある日突然科学者がこの時間論を持ち込んだ。これは、『成功』を箱に願った結果でもあり、箱を詳しく解明しようとした結果でもあるだろう。
しかし、世間はそんな彼を批判した。そして、彼はやがて殺される。――そんなことが起源かもしれない。この箱は、怨念を願いに変える。だからこそ、使ったものはその後一生死の恐怖に襲われるのでゃないだろうか。
でも、そうだとしても。死ぬ前に……せめて、死ぬ前に施設を完成させたい。
「そう言えば父さんが困ったときはここを当たれって言い残した場所があったよな
な。まずはそこに行くか」
父さんが残した手紙に書かれていたが、あまり気にしていなかった部分がある。最後の数行だ。ここは、あまり気にしなくてもいいと思った部分だったのだが、今、その時が来た。その最後の行は、
『何かに困ったら、千葉の山奥に行け。そこのシャッターで俺の名前を呼べば助けてくれるやつがいる』
というものだった。まさに、今がその瞬間だ。千葉を目指す。最初の目的の誕生だった。そして、協力者を見つけて、どこかでひっそりと死ぬのもいいかもしれない。まあ、そんなのは施設が出来てから考えよう。
――日記を見た後、僕は彼女を探そうとはしなかった。僕が起こした一連の件。僕は完全に身を引こうと思ったからだ。償いきれない罪。ケビンや、晴ちゃんたち。どうやっても償えない罪だ。箱の力は危険すぎた……だからこそ、この件は箱の力で解決してはいけないと悟った。それは、また悲劇を繰り返すだけなんだから。決戦の後、僕は日記を見たが、それに影響されたのではない。でも、僕はやがて死ぬ。それが箱を使ったものの末路なんだから。ならば、せめて……僕にできる最大限の事をやるべきなのではないか。そして、僕の出した結論はこうだった――
「……小さい事でもやっていく。それが、僕の望んでいた本当の勇者なのかもな」
小さなこと。何でもいい、人のためになる事。ゴミ拾いでも、なんでもいい。とにかく、人のために。汚い仕事でも、綺麗な仕事でも。罪悪感を消してくれるものがあればそれでいいんだ。箱を使い、僕は変わってしまった。色々の罪を償わなければ。という使命感に毎日毎日、襲われていたからだ。でも、仕事を見つけるためでも、自分を探す旅でもいい。とりあえず、僕は、全国を回って歩くことに決めた。
「お金は十分ある。父さんが残してくれたものが。困ることはないだろうけど……でも、僕一人じゃな」
僕は、たった一つだけやりたいことがあった。全国の貧しい子供たち。そんな子供たちを援助する施設を作りたいというものだった。別に、子供だけじゃなくてもいい。とにかく、困っている人たちの役に立つ施設。そんな物を僕は作りたかった。それを作れば、日本は変わってくれるような気がした。子供たちは希望なんだ。これからの世界を作るための、希望。それを失ってしまえば、人間の悪の部分だけが前面に出てきて、それこそ戦争以上の悲劇が起きるだろう。それは絶対に止めなければいけない。それが、僕に与えられた最後の任務だ。そんな気がした。
旅に出る決意をするのと同時に、僕は箱を処分した。永久の世の中に出ないよう、厳重に。あれがもう人の手に渡らないように。あれは使い方次第では人類の滅亡だって望める。そんな危険なものを封印しとかないわけがない。例え、悪人の手に渡ったとしても、それを止めることはも僕にはできない。だったら、僕がけじめをつけて、箱を二度と表に出さないようにするだけだ。
しかし、それでも、僕にまとわりつく遺産の呪いは消えない。これは、魔女狩りや、人の怨念。それを箱に封印したとされるゼウスの、パンドラの箱だ。しかし、その箱はやがて、英雄たちが使うことになる。ジャンヌ・ダルク。アルデンセン。シェイクスピア、織田信長、ペリー……そんな、歴史上の偉人たちは箱を使ったかもしれない。この箱は、願いがかなえられるのと同時に、過去へ介入できるようになる。時間論なんて普通の人間にはどうでもいい。でも、ある日突然科学者がこの時間論を持ち込んだ。これは、『成功』を箱に願った結果でもあり、箱を詳しく解明しようとした結果でもあるだろう。
しかし、世間はそんな彼を批判した。そして、彼はやがて殺される。――そんなことが起源かもしれない。この箱は、怨念を願いに変える。だからこそ、使ったものはその後一生死の恐怖に襲われるのでゃないだろうか。
でも、そうだとしても。死ぬ前に……せめて、死ぬ前に施設を完成させたい。
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な。まずはそこに行くか」
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