引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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伊勢谷慎二/miu√

新世界の王

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 ケビン……呼ぶのか……?

「なあ、美雨」
「はい?」
「ケビンを――呼び戻す」
「え……? でも彼は――」

 そうだ。あいつはすべての諸悪の根源。父さんを陥れ、日本人に復習しようとした男。そして、それ以上に自分の野望の為ならすべてを犠牲にできる男。そして何より――すべてをぶち壊すのにためらいもない。そう、思いでさえも簡単に壊せるほどに奴の野望はデカかった。日本人への復讐。彼の両親を騙し、殺し、抹消した日本人への復讐。
 そんな彼を――僕はよみがえらせてどうするんだ?
 そんな奴に何を聞こうって言うんだ? でも――でも――奴じゃないとこの問題は解決できない。そんな気もするんだ。……どうする?

「……やるしかないか」
「それで――いいんですか?」
「うん。仕方ないんだ」
「なら――仕方ないですね」
「うん、仕方ないんだ……」

 ケビンをよみがえらせる準備をする。……検索、開始。
 痕跡から検索――いや、無理だった。奴の顔から検索する。―― 一致しなかった。
 奴の野望から検索する――これも駄目だった。

「はあ……はあ……はあ……」
「凄い汗……」

 仕方ない。リターンフューチャーの検索にはそれだけの集中力を有するのだから。だけど、それだけじゃ足りない。もっとだ――もっと、もっとだ!!!
 すべての可能性から検索する。……見つからない。見つかっちゃいけないのか? 鬼ごっこ。遊ばれているのか? いや、あいつならやりかねないが……だけど、やるしか今はないんだ。

「いた……!」

 それははるか遠い未来だった。そうか、検索は過去にしか主に適応されない。ならば未来に飛んでしまえばいい。だけどな、今の能力は進化した。未来での検索も可能だ。
 さて、見つかったのだから後はやることは一つだ。

 切り取り――ケビンの記憶。
 添付――ケビン・アルトベルト。

 この世界のケビンの記憶と犠牲に別の可能性のケビンを呼び出す。これで――ことが終わればいいが。だけどそんな軽い考えはすぐさま踏みにじられることになる。

「時空のゆがみに吸収された……?」
「ねえ、ヘレンは? 未来から来たんでしょ? 彼女は」
「だけど、圭たちに負担をかけるわけには……」
「頼りなよ。今はあの子たちが日本支部を背負ってるんだもん」
「で、でも――」
「そうやって一人で考え込んで壊れて。そんなあなたをもう見たくない」
「……分かった」

 そして、アメリカ遠征中のnextを日本に呼び戻すことにする。
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