引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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LEVELZEROafterSTORY~Venus Tune~

オカルトのない世界のために

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 あれは、数年前。まだ私が研究所の一員だったころの話である。
「御蔭さん、例のあれ、出来たんですか?」
 例のあれ。それは、研究所の所長から頼まれていた、『人体実験のレポート』だった。ただの人体実験ではない。この実験は、人の魂が死んだあとどうなるのか。という、オカルトも交じった研究だった。オカルトは嫌いだったが、この研究は興味があった。なぜなら、その魂を使うことを私は考えていたからだ。
 この実験で、魂がどこへ行くのかが判明すれば、この国の人口の調整にもなる。そして、科学的にも快挙になるシステムを私はこの時からすでに考え付いていた。だが、この時はまだ、魂のありかを知らなかったために、そのシステムの研究に移行できないでいた。
「あ、まだです。でも、あとちょっとですから」
 私のレポートは、もうすぐ完成というところまで出来上がっていた。しかし、最後の一個。『魂をつかめるか』というところがどうしてもできなかったのだ。もちろん、そんなことが出来ればノーベル賞ものだろう。だけれども、私がこのレポートを提出することはなかった。なぜなら――

「所長が死にました!」
 そんなニュースが研究所内に響き渡った。だが、この時私だけはこの状況を非常に喜んでいた。なぜなら、所長が死んだときに、この研究所は私に任せる。という契約があったから。つまり、私の研究がここを使って出来るということだ。これは非常に素晴らしい……!
 なぜなら、私が支配する、私が望む世界を作れるという事なのだから!――

「こうして、魔法少女システムは完成したのさ」
 この人、狂ってる……! そんなことのために、私たちにこんな力を与えたっていうの!?
「そんな世界を作って、何をする気ですか……」
「決まってるじゃない。オカルトを完全否定した世界よ」
 そんなの、出来るわけない。オカルトを否定するなんて、無理だ。出来たとしても、オカルトは常に世にはびこっているん。一体、何がしたいんだ……?
「オカルトがない世界……いいじゃないか」
「でも、それだと私たちもオカルトにはいるんじゃないですか? 御蔭さん」
 そう言ったのは、今まで黙っていた芽衣だった。
「はあ? 決まってんでしょ? あんた達だって死ぬのよ。これから」
 その言葉を聞いた芽衣も、怒りを隠せなかったのだろう。仮面をつけたままの御蔭さんに襲い掛かる。あれは、爪だ。首を狙っているんじゃないだろうか?
 私は、止めに入る。
「ここでこの人が死んだところで、死ぬことに変わりはないじゃない!」
 そう呼びかけても、彼女の耳に入ることはなかった。
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