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引き勇
記憶
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炎の渦に飲まれた僕はその後しばらく目覚めなかった。低酸素――そう言うわけで、しばらく目を覚まさなかったわけだが。うーん。この。何とも言えないなあ。
で、その後の話だが。その後なんだが――
「ねえ、あなたは?」
「お前の――おやじだ。今日からな」
「え……?」
いきなり意味不明だよな。俺もそうだった。だけど――それでも――微かな温かさを、感じて居たのかもしれない――
「君は確かに、生存者だろ?」
「な、何のです?」
「この――大参事のだよ」
この大参事――それは、まぎれもない。第二次世界大戦の事だ。その第二次世界大戦の――僕は、落とされた原爆の中で燃え盛る街の――たった6人の生存者だ。
「さて……いこうか」
「え、行くって?」
僕は確かにどこかに行こうとしていた。
「生存者……僕はその一人だ。間違いないですよね?」
「ああ。間違いない。木山春斗――僕は木山春斗だ」
「……思い出せない」
「名前をか?」
「うん……」
記憶がなかった。封印したといった方がいいのだろうか。僕は、過去を封印してしまった。そのせいで後に――大参事が起きてしまう。
ちなみに、伊勢谷という名前に至るまでは随分先の話だ――
「おい、坊主」
「え?」
「見ろ。お前の仲間だ」
見たことのない奴らだった。しかし、どこかで――感じたことのある――それに、仲間だと彼はいった。
「今日から――お前は勇者だ」
しかし、この後。正確には一週間後。僕は忌まわしき記憶を封印してしまう。それだけじゃない。忌まわしき記憶と共に何かを置いて来てしまった。
「花沢、美雨です。こっちは妹の晴」
「まあ、正確には義理の姉妹だけどな」
「え?」
「晴がなついちゃったの!」
そう。僕は確かに封印してしまったんだ。あの――輝かしい一週間を。
「俺っち伊賀島半蔵! 忍者なんだぜ!」
「え!?」
「冗談じゃないぞ、坊主」
当時はびっくりしたものだ。何故なら、目の前に忍者がいたから。目の前に忍びが居たから。それだけじゃないんだけども。
だけど、ここに居る中で二人、存在しなかった人間がいたはずである――
「七瀬。七瀬だ」
「え、下は?」
「てめえに名乗る名なんてねえよ」
そう言って弾かれたのを思い出すが、七瀬夢実である。だが――そう。問題は次だ。
「俺は――終木神智也」
「しきが……み?」
そうだ。こんな奴いなかったはずだ。僕の回想に確かにエラー。バグがある事に気付いた。そのバグはとてもじゃないが――終木神智也。一体何者なんだ……?
この世には無数に世界が存在する。そして、無数の世界線が存在する。だが、それは悪魔で誰かの妄想だ。現実じゃない。だけど、それを叶えてしまうものを僕は知っている。ジャンヌの遺産だ。
ジャンヌの遺産。BlackBox。すべての願いを世界線を超える能力を、僕は遥か未来に手に入れた。しかし、だけど、それでも――僕は普通の人間だ。人間でなくては駄目なんだ!!!
「お前――誰?」
確かに僕の回想に何かが起き始めていた。僕の過去の記憶に突如現れたバグ。三国エルザが居なくてはいけない席に居る終木神という男。その真実を僕は探らなければいけない。
「はあ? 終木神智也だって」
「お前は誰だ!!!」
「おい坊主!」
我に返った僕は、周りを見た。やばい、引かれてる。だけど、今の過去の僕は確かに僕の意志で動かすことが出来た。
「なあ、お前いったい誰なんだ。お前みたいなやつ居なかった!!」
はあ? と、呆れられてしまったが……それでも僕たちがしてきたことに変わりはない。終木神という男。その存在は人類を次のステージへつなげてしまうかもしれなかった。その男は、確かに野心を抱いていた。その男は、目が輝いていた。
「能力。それは計り知れないものだ」
「何言ってるんだよ……」
その男が口にした言葉は、確かに能力。という言葉だった。だが、何故だろう。その言葉には行けない何かがあった。いけない――何かが。
それでも、それでも――わからないなら手の出しようがないじゃないか……
「能力者による支配。いいだろう?」
「何言ってんだ……? 終木神」
「さまをつけろ。神だぞ、我は」
もうすでに何を言ってるのかめちゃくちゃだった。めっちゃクチャで、手のつけようがなくて――それでほっとけない。そんな奴な気がした。能力の原典。それは、間違いなくジャンヌの遺産によって生み出されるこの能力だろう。だが、当時の僕にその力はない。だけど、もし――この世界の僕は今の僕と繋がっているとしたら――最善の未来が選べるのかもしれない。最善の――未来が。
「ねえ、おっさん」
「ん?」
「もし、もしだよ?」
「おう」
「聖剣――ジャンヌの遺産――それが存在したとしたらおっさんはどうする?」
「変なこと聞くのな」
変なこと。まあ、確かにそうだ。変だよな。だけど、それでも、その変なことを聞かなければいけない。この先に必要なものだから。
――後に封印された僕の記憶は、みんなの中じゃ一週間戦争、なんて呼ばれてる。まあ、そんな中でも楽しい思い出はいくつかあったんだけどな。それでも、僕はこの争いを止める。
「おっさん、ついて来て」
「ん?」
まずは父さんを呼び出す。そして――
「ジャンヌの遺産の力――見せるよ」
「え――?」
他人の記憶を維持したままで世界線を合同させる方法が、一つだけあった。
で、その後の話だが。その後なんだが――
「ねえ、あなたは?」
「お前の――おやじだ。今日からな」
「え……?」
いきなり意味不明だよな。俺もそうだった。だけど――それでも――微かな温かさを、感じて居たのかもしれない――
「君は確かに、生存者だろ?」
「な、何のです?」
「この――大参事のだよ」
この大参事――それは、まぎれもない。第二次世界大戦の事だ。その第二次世界大戦の――僕は、落とされた原爆の中で燃え盛る街の――たった6人の生存者だ。
「さて……いこうか」
「え、行くって?」
僕は確かにどこかに行こうとしていた。
「生存者……僕はその一人だ。間違いないですよね?」
「ああ。間違いない。木山春斗――僕は木山春斗だ」
「……思い出せない」
「名前をか?」
「うん……」
記憶がなかった。封印したといった方がいいのだろうか。僕は、過去を封印してしまった。そのせいで後に――大参事が起きてしまう。
ちなみに、伊勢谷という名前に至るまでは随分先の話だ――
「おい、坊主」
「え?」
「見ろ。お前の仲間だ」
見たことのない奴らだった。しかし、どこかで――感じたことのある――それに、仲間だと彼はいった。
「今日から――お前は勇者だ」
しかし、この後。正確には一週間後。僕は忌まわしき記憶を封印してしまう。それだけじゃない。忌まわしき記憶と共に何かを置いて来てしまった。
「花沢、美雨です。こっちは妹の晴」
「まあ、正確には義理の姉妹だけどな」
「え?」
「晴がなついちゃったの!」
そう。僕は確かに封印してしまったんだ。あの――輝かしい一週間を。
「俺っち伊賀島半蔵! 忍者なんだぜ!」
「え!?」
「冗談じゃないぞ、坊主」
当時はびっくりしたものだ。何故なら、目の前に忍者がいたから。目の前に忍びが居たから。それだけじゃないんだけども。
だけど、ここに居る中で二人、存在しなかった人間がいたはずである――
「七瀬。七瀬だ」
「え、下は?」
「てめえに名乗る名なんてねえよ」
そう言って弾かれたのを思い出すが、七瀬夢実である。だが――そう。問題は次だ。
「俺は――終木神智也」
「しきが……み?」
そうだ。こんな奴いなかったはずだ。僕の回想に確かにエラー。バグがある事に気付いた。そのバグはとてもじゃないが――終木神智也。一体何者なんだ……?
この世には無数に世界が存在する。そして、無数の世界線が存在する。だが、それは悪魔で誰かの妄想だ。現実じゃない。だけど、それを叶えてしまうものを僕は知っている。ジャンヌの遺産だ。
ジャンヌの遺産。BlackBox。すべての願いを世界線を超える能力を、僕は遥か未来に手に入れた。しかし、だけど、それでも――僕は普通の人間だ。人間でなくては駄目なんだ!!!
「お前――誰?」
確かに僕の回想に何かが起き始めていた。僕の過去の記憶に突如現れたバグ。三国エルザが居なくてはいけない席に居る終木神という男。その真実を僕は探らなければいけない。
「はあ? 終木神智也だって」
「お前は誰だ!!!」
「おい坊主!」
我に返った僕は、周りを見た。やばい、引かれてる。だけど、今の過去の僕は確かに僕の意志で動かすことが出来た。
「なあ、お前いったい誰なんだ。お前みたいなやつ居なかった!!」
はあ? と、呆れられてしまったが……それでも僕たちがしてきたことに変わりはない。終木神という男。その存在は人類を次のステージへつなげてしまうかもしれなかった。その男は、確かに野心を抱いていた。その男は、目が輝いていた。
「能力。それは計り知れないものだ」
「何言ってるんだよ……」
その男が口にした言葉は、確かに能力。という言葉だった。だが、何故だろう。その言葉には行けない何かがあった。いけない――何かが。
それでも、それでも――わからないなら手の出しようがないじゃないか……
「能力者による支配。いいだろう?」
「何言ってんだ……? 終木神」
「さまをつけろ。神だぞ、我は」
もうすでに何を言ってるのかめちゃくちゃだった。めっちゃクチャで、手のつけようがなくて――それでほっとけない。そんな奴な気がした。能力の原典。それは、間違いなくジャンヌの遺産によって生み出されるこの能力だろう。だが、当時の僕にその力はない。だけど、もし――この世界の僕は今の僕と繋がっているとしたら――最善の未来が選べるのかもしれない。最善の――未来が。
「ねえ、おっさん」
「ん?」
「もし、もしだよ?」
「おう」
「聖剣――ジャンヌの遺産――それが存在したとしたらおっさんはどうする?」
「変なこと聞くのな」
変なこと。まあ、確かにそうだ。変だよな。だけど、それでも、その変なことを聞かなければいけない。この先に必要なものだから。
――後に封印された僕の記憶は、みんなの中じゃ一週間戦争、なんて呼ばれてる。まあ、そんな中でも楽しい思い出はいくつかあったんだけどな。それでも、僕はこの争いを止める。
「おっさん、ついて来て」
「ん?」
まずは父さんを呼び出す。そして――
「ジャンヌの遺産の力――見せるよ」
「え――?」
他人の記憶を維持したままで世界線を合同させる方法が、一つだけあった。
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