引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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木山春斗の勇者録~オクタヴィアサンクチュアリ~

ミライノデキゴト

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 世界は突然黒い朝を迎えた。
 それは、神が変わったからだという。

「ライラさん、娘さんは今何処に……?」
「……家」

 ……? 娘の居場所を聞くと、急に黙った。

「本当に娘は助かるんだろうか……?」
「助けますって。絶対」

 そうだ。絶対に助ける。

「じゃあ、僕たちは、情報を集めに行きますね」

――――

 駄目だった。集まるはずがない。

「はぁ……普通……神について知ってる人間なんていないよな……」
「諦めるなよ、坊主」
「そうだよ、諦めちゃだめだよ」

 普通、情報なんて集まるわけなかった。

「あんた」

 ……?

「ライラさん?」
「はぁ? ライラって誰さ?」

 え? 後ろに居たのは確かにライラさんだった。

「ライラさん……じゃないのか…?」
「そう言ってるだろ」

 一体誰なんだ……?

「私は、ドミニオン。フレイア・ドミニオン」

 やはり、ライラさんではないのか……?

「じゃあ……ライラさんは…」

 おかしい。何かがおかしい。

「あんた、さっきからなに言ってんのさ?」
「……あの、今、何年ですか……?」
 
 そうだ。時代に違和感を感じて居たんだ。

「はぁ? 今は2034年だろ?」
「え?」

 僕が居たのは1987年のはずだ

「あんた、少し疲れてるんじゃないか?」

 ってことは……この子は……

「君のお母さんは?」
「……居ない」

 居ない……?

「あたしが、物心ついた時には、もういなかったよ」

 嘘だろ……?

「母さんは、どうやら何かからあたしを守って死んだらしいんだ」
「君のお母さん、知ってるかもしれない」
「え……?」

 とりあえず、場所を移すことにした。

―――――

「なっ……これは……!?」
「見ての通りよ」
「これは……」

 目の前にあったのは、僕の知っている、ライラさんの像だった。

「ライラ・フォーン。この町の英雄だよ」
「英雄……?」

 目の前の事態を理解できなかった。
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