引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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木山春斗の勇者録~オクタヴィアサンクチュアリ~

クロイアサ

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 小鳥が鳴いている。朝だ。そう思ってカーテンを開けた。

「え……?」

 そこには、真っ暗な世界が広がっていた。急な事態に、僕はその場に膝から崩れ落ち、震えていた。

「ん……?どうした、坊主」

 おはよう。なんて言ってる場合じゃない。寝起きのロメオと共に外に出た。

「どうなってるんだ……一体……」
「なんだぁ……?何があった、坊主」

 ロメオは、目を覚ましたのか。急に真面目な顔になった。

「分からない……朝起きたら、この状態だった……」
「そうか……とりあえず、ヴィヴィアンを起こすぞ」

 わかった。そう言って、僕はヴィヴィアンを起こしに行った。――――

「ヴィヴィアン、ヴィヴィアン。」
「ふぁ~い……なんでしょうかぁ……」

 さすがに、昨日寝たのが遅かった彼女を起こすのには少し罪悪感があった。
 しかし、躊躇っている暇はない。――――――

「これは……?」

 外を見た、ヴィヴィアンの第一声は当然の物だった。僕にすら、未だに理解できないこの現象。一体どうなっているのか。

「……母が言っていました。」

 ヴィヴィアンは、急に口を動かし、人が変わったかのように、真剣に話し始めた。

「神が生贄を求めるとき、世界が闇に包まれる……と」

 じゃあ……神が今、生贄を……?
 そんなことあるのだろうか?前回、神の生贄として捧げられた子は、1週間前に、捧げられているはずだ。

「だが、ヴィヴィアン。神に貢物を捧げるのは一年に1回だろ?」

 そうだ。そのはずだ。

「それは……分かりません……」

 これ以上、彼女を問いたたせても、反応は同じ。そう感じていた。
 彼女はすべてを知っているわけではない。あくまで、彼女は一市民だ。

「でも、嫌な予感がします……」

 急いで残りの3人を見つけなければ……

「あの、あなた達、ちょっといい?」

 変な言葉使いだ。そう思いながら、声がする方へ振り向いた。

「あなた達……今、神の貢物の話をしていなかった?」
「え、ええ……そうですが……」

 さすがに、宿の前で話すのはまずかった。

「その話……詳しく聞かせて……?」

 ……? なんだ?とりあえず……

「あの、場所、変えませんか?」

――――

「ここなら、周りを気にせず話せます」

 ここなら、話を聞かれる心配もない。そう思っていた。

「私の娘、神に貢がなきゃいけないんだ……」
「……え?」

 娘を……貢物に……?

「でも、神に捧げる貢物って、一週間前に捧げたはずじゃ……?」
「そうなんだ……でも……」

 さっきから気になっていることがある。彼女の言葉使い。おかしい。
 しかし、今はそんなこと気にしている暇はない。

「丁度昨日。神が変わったんだ」
「え……?」

 神が変わった? 何を言っているんだ?

「神が変わるのは、80年に一度の周期なんだ」
「それが丁度……昨日だった……と」
「ああ……そうなんだ」

 これも神のせいなら、やることは一つだけだ。

「分かりました。協力できることがあれば、言ってください」
「じゃあ……早速頼んでいいかい?」

 まるで、その言葉を待っていました。と、言わんばかりの即答だった。

「娘を……助けてくれ!!」

 やってやる。オクタヴィアの手がかりも見つかるかもしれない。

「分かりました……神を、一発ぶん殴りたい。そう思っていたんです」

 と、いったはいいが、僕は喧嘩が得意じゃない。

「ありがと!! 私は……ライラ。ライラ・フォーンだ」
「僕は――――」

 神にライラさんの娘が捧げられるのは、一週間後。
 それまでに……何とかしなければ……

 情報を求め、僕たちは、出かけた。
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