引きこもりの僕がある日突然勇者になった理由。ファイナル

ジャンマル

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木山春斗の勇者録~オクタヴィアサンクチュアリ~

ユウシャ

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 ……街は戦火に焼かれ、僕はヴィヴィアンたちと離れ離れになった。
 神の忠告通りだった。このまま、戦火に焼かれ続け、僕は死ぬだろう。
 だから、その前に何とかしよう。この、状態を……

 戦火の中、意識がなくなっていく。だが、死ぬわけにはいかない。
 最後の力を振り絞り、防空壕に逃げ込む。

 そこで、いったいどれくらい過ごしただろうか。
 次に目覚めたとき、戦火は遠のいていたが、自体は悪化していたという。
 しかし、戦火がなくなったんだ。戦わなければ。
 そして、二人と再会する。その一心で戦い続けた。

 その戦地で、一人の女の子とであった。

「……? 君、一人かい?」
「……」

 えらく怯えていた。だが、この場に居たのでは彼女も死ぬ。
 だから、彼女を連れ、再び防空壕へ戻った―――


 彼女に話を聞くと、戦火の中で、家族とはぐれたという。
 彼女に名前を聞いた。花沢美雨……そういった。

 彼女の事がばれれば、恐らく戦地に駆り出されるだろう。
 だから、必死にかばい続けた。
 しかし。

「わ、私……戦う……!」
「え……?」

 彼女は戦う。そう言った。

「だから……私に格闘術を教えて!」

 それが、彼女の最初のお願いだった――――


 彼女の稽古をつけながら、たびたび戦地に駆け付けた。
 そしてある時、戦争は終わった。

 彼女の家族は見つからなかった。
 だが、えらくなつかれてしまった。

「……仕方ないな。君の家族が見つかる間だけ、僕が君の家族になるよ」
「うん!」

 戦争は終わった。彼女の家族は、恐らくもういないだろう。
 そう思っていた。そして、彼女は僕と戦うことを選んだ。

 そして、僕と彼女は勇者になった。
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