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第2章 「俺たちの仲間に!」
「俺が悪魔の曲に執着する理由。」
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俺は、やっと涙を抑えることが出来、目の前でじっと俺の事を見つめていた桜宮(さくらみや)さんと冬月(ふづき)さんの方を見るとおもむろに口を開いた。
「あの...あなた方には、話してもいいかもしれない。少し、お時間をもらってもいいですか??」
「はい、構いませんよ??」
俺の目の前で、薄く笑った桜宮さんの言葉を合図に俺たちは、公園近くにあるベンチへと腰を下ろすこととなった。二人が座ったのを確認すると、俺は意を決して話を切り出したのだった。
「俺が、なんで悪魔の曲に執着するかについてなんですが...俺は、昔ある国でピアニストとして活躍していました。その時の俺は、ピアノが大好きでした。...ですが、それは俺の実の父親が、唯一俺を認めてくれるものでもあったからでした。俺は、実の父親に捨てられ、海外のとあるお金持ちの家に引き取られることになり、最初の頃は、あんまり弾くことの叶わなかったピアノが思う存分、弾けるようになると思い、胸を高鳴らせました。だって、ピアノを極めてれば、もっと父親からの愛情を受け取ることができる。もっと父親と一緒にいることが出来ると...。幼かった俺には、理解できなかったのです。俺が、海外のお金持ちの家に行くことが決まったのは、父親に捨てられたからだと言うことに。俺は、新しい家で生活するようになり、それでもピアノが弾けるのならと思い、寂しさを必死に紛らわせていました。でも、現実はそんなに甘くはありませんでした。お金持ちの人が俺を家に招いたのは、俺の事を金儲けの道具として利用することが目的だったのだということに気がついてしまったのです。その証拠に私は、舞台に立つとき以外、ずっと日の当たらない地下の部屋に監禁され、食事もろくに与えてもらうことが出来ませんでした。毎日毎日、一度は裏切った父親が再度迎えに来てくれることを願って必死にピアノを弾き続けました。でも、結局父親が俺の元に来ることは、ありませんでした。そうして、ある日俺は、ひょんなことから危険物に出会ってしまったんです。いつものように、俺の主がピアノの演奏会があるから出席しろと言って、俺を演奏会の演奏者として出席させました。そこで、見てしまったのです。俺の前に演奏したピアニストが、ふらふらとした足取りでステージ上にあるピアノへと腰を掛けると、次の瞬間、彼は狂ったようにある曲弾き始めました。......それが危険物...悪魔の曲でした。危険物の力は強力で、その演奏を聴いていた観客たちは、ピアニストの弾いた音色を耳にした瞬間、目から光がなくなり、次第に観客たちは、エアで鍵盤をたたく仕草をし始めたのです。そこで、いきなりホールのドアが開き、何人もの警察官が壇上にいるピアニストめがけて、銃を乱射し始めたのです。目の前で起こった出来事は一瞬でしたが、俺には時が止まっているようでした。銃声が鳴り終わった時には、ピアノストはもちろん、観客席にいた観客全員が力なく床に倒れていました。ピアニストが使っていたピアノには、赤い血がべっとりとついていて、それが現実のものであると俺に告げていました。その時、幸い舞台袖に隠れていた俺は、曲に集中するために、軽く自らの耳を自分の手のひらで覆っていたこともあって、豹変することはなかったですが、曲は覚えてしまいました。かすかに聞こえた音のせいで俺は、危険物に片足を突っ込んでしまったんです。そうして俺は、現場に駆けつけた応援の警察官に保護され、現場を去り、無事日本に帰国して新しい今の里親である木名方(きなかた)さんの家でお世話になっているんです。実は、俺が警察官と一緒に現場を去る時に、壇上のピアノには、人間の影のようなものが血でぬれたピアノを、楽しそうに弾いている様を、目に留めてしまいました。俺には、ピアノの音も聴こえて...でも、不思議な事に警察官は誰一人として、その壇上の男を捕らえようとしないんです。それどころか、まるで音楽も、男の存在を消し、その場に存在しないかのようでした。俺が、ホールの出口を出ようとしたとき、俺の耳に一声が聞こえてきました。『次のターゲットはお前だ。お前は他のピアニストよりも、大層上手く弾くそうじゃないか。どうだい???君が、この曲を極めることが出来れば、君は世界でたった一人の、誰も敵うことのない偉大なピアニストになれるぞ??さぁ、こんなチャンス二度と巡ってこない。今が決断の時だ。君がこの曲を極めるんだ。この声が聞こえているのならば...ねぇ、紫翠 優(しすい ゆう)くん???君のことは何でも知ってるよ???ターゲットに選んだときからね?...いつでも構わないから。この曲を極めたくなったら、俺が今弾いた旋律を弾いてね??その時は、俺との賭けがスタートするよ。君がこの曲を極められるようになるかを賭けたね...。じゃあね、最後にこれは俺との接触があった印だ。俺の名前をこれから言うけど、これは決して誰にも口外しないこと。もし口外した場合、この賭けは強制的に俺の勝ちになって、挑戦者の子は、自動的に敗者になるから注意してね?俺の名前は××××××。...では、検討を祈るよ。選ばれた幸運な戦士くん。♡』...奴は、俺にこう言ったままで、その姿を今まで見せたことはなかった。でも、俺がおじさんの前で悪魔の曲を弾いたことにより、結果的に俺は奴に賭けを挑んでしまったんだ。...先に危険物に狂ってしまっていた楽器店のおじさんを助けるために...。これが、俺のすべてだ。」
こう言った俺の様子に、顔を引きつらせた桜宮さんと冬月さんは、暫く沈黙を貫いていたが、俺の方を見て、俺の目を見つめた桜宮さんは、次の瞬間俺に耳を疑うことを言ってきたんだ。
「...優さん。いや、優。俺たちのバンドに入れ。そして俺たちに、悪魔の曲の譜面作らなくていいから、悪魔の曲の旋律を教えてくれ。俺たちも、お前と一緒に危険物を極めて、お前に勝負を挑む。勝負内容は...お前が、俺たちのバンドに入って良かったと言うことだ。言わせれば俺たちの勝ち、おとなしくお前には、俺たちのバンドに入ってもらう。言わなければ、俺たちの負け。俺たちは、今後一切の責任を負う。楽器店のおじさんを俺たちが責任を持って救う。例え、俺たちの命が飛ぼうとも。...でも、それじゃあ勝負的にも不公平だから、俺たちはお前と同じ状態になることを、今ここで約束する...。つまり、お前と同じく危険物の賭け事を背後に背負う。これで文句ないだろ???どうだ、俺たちと賭け事をしないか?...互いに沢山のものを背負った一世一代の大賭けだ。...さぁ、今、答えを決めろ紫翠優。お前自身の答えを...覚悟をな。」
「あの...あなた方には、話してもいいかもしれない。少し、お時間をもらってもいいですか??」
「はい、構いませんよ??」
俺の目の前で、薄く笑った桜宮さんの言葉を合図に俺たちは、公園近くにあるベンチへと腰を下ろすこととなった。二人が座ったのを確認すると、俺は意を決して話を切り出したのだった。
「俺が、なんで悪魔の曲に執着するかについてなんですが...俺は、昔ある国でピアニストとして活躍していました。その時の俺は、ピアノが大好きでした。...ですが、それは俺の実の父親が、唯一俺を認めてくれるものでもあったからでした。俺は、実の父親に捨てられ、海外のとあるお金持ちの家に引き取られることになり、最初の頃は、あんまり弾くことの叶わなかったピアノが思う存分、弾けるようになると思い、胸を高鳴らせました。だって、ピアノを極めてれば、もっと父親からの愛情を受け取ることができる。もっと父親と一緒にいることが出来ると...。幼かった俺には、理解できなかったのです。俺が、海外のお金持ちの家に行くことが決まったのは、父親に捨てられたからだと言うことに。俺は、新しい家で生活するようになり、それでもピアノが弾けるのならと思い、寂しさを必死に紛らわせていました。でも、現実はそんなに甘くはありませんでした。お金持ちの人が俺を家に招いたのは、俺の事を金儲けの道具として利用することが目的だったのだということに気がついてしまったのです。その証拠に私は、舞台に立つとき以外、ずっと日の当たらない地下の部屋に監禁され、食事もろくに与えてもらうことが出来ませんでした。毎日毎日、一度は裏切った父親が再度迎えに来てくれることを願って必死にピアノを弾き続けました。でも、結局父親が俺の元に来ることは、ありませんでした。そうして、ある日俺は、ひょんなことから危険物に出会ってしまったんです。いつものように、俺の主がピアノの演奏会があるから出席しろと言って、俺を演奏会の演奏者として出席させました。そこで、見てしまったのです。俺の前に演奏したピアニストが、ふらふらとした足取りでステージ上にあるピアノへと腰を掛けると、次の瞬間、彼は狂ったようにある曲弾き始めました。......それが危険物...悪魔の曲でした。危険物の力は強力で、その演奏を聴いていた観客たちは、ピアニストの弾いた音色を耳にした瞬間、目から光がなくなり、次第に観客たちは、エアで鍵盤をたたく仕草をし始めたのです。そこで、いきなりホールのドアが開き、何人もの警察官が壇上にいるピアニストめがけて、銃を乱射し始めたのです。目の前で起こった出来事は一瞬でしたが、俺には時が止まっているようでした。銃声が鳴り終わった時には、ピアノストはもちろん、観客席にいた観客全員が力なく床に倒れていました。ピアニストが使っていたピアノには、赤い血がべっとりとついていて、それが現実のものであると俺に告げていました。その時、幸い舞台袖に隠れていた俺は、曲に集中するために、軽く自らの耳を自分の手のひらで覆っていたこともあって、豹変することはなかったですが、曲は覚えてしまいました。かすかに聞こえた音のせいで俺は、危険物に片足を突っ込んでしまったんです。そうして俺は、現場に駆けつけた応援の警察官に保護され、現場を去り、無事日本に帰国して新しい今の里親である木名方(きなかた)さんの家でお世話になっているんです。実は、俺が警察官と一緒に現場を去る時に、壇上のピアノには、人間の影のようなものが血でぬれたピアノを、楽しそうに弾いている様を、目に留めてしまいました。俺には、ピアノの音も聴こえて...でも、不思議な事に警察官は誰一人として、その壇上の男を捕らえようとしないんです。それどころか、まるで音楽も、男の存在を消し、その場に存在しないかのようでした。俺が、ホールの出口を出ようとしたとき、俺の耳に一声が聞こえてきました。『次のターゲットはお前だ。お前は他のピアニストよりも、大層上手く弾くそうじゃないか。どうだい???君が、この曲を極めることが出来れば、君は世界でたった一人の、誰も敵うことのない偉大なピアニストになれるぞ??さぁ、こんなチャンス二度と巡ってこない。今が決断の時だ。君がこの曲を極めるんだ。この声が聞こえているのならば...ねぇ、紫翠 優(しすい ゆう)くん???君のことは何でも知ってるよ???ターゲットに選んだときからね?...いつでも構わないから。この曲を極めたくなったら、俺が今弾いた旋律を弾いてね??その時は、俺との賭けがスタートするよ。君がこの曲を極められるようになるかを賭けたね...。じゃあね、最後にこれは俺との接触があった印だ。俺の名前をこれから言うけど、これは決して誰にも口外しないこと。もし口外した場合、この賭けは強制的に俺の勝ちになって、挑戦者の子は、自動的に敗者になるから注意してね?俺の名前は××××××。...では、検討を祈るよ。選ばれた幸運な戦士くん。♡』...奴は、俺にこう言ったままで、その姿を今まで見せたことはなかった。でも、俺がおじさんの前で悪魔の曲を弾いたことにより、結果的に俺は奴に賭けを挑んでしまったんだ。...先に危険物に狂ってしまっていた楽器店のおじさんを助けるために...。これが、俺のすべてだ。」
こう言った俺の様子に、顔を引きつらせた桜宮さんと冬月さんは、暫く沈黙を貫いていたが、俺の方を見て、俺の目を見つめた桜宮さんは、次の瞬間俺に耳を疑うことを言ってきたんだ。
「...優さん。いや、優。俺たちのバンドに入れ。そして俺たちに、悪魔の曲の譜面作らなくていいから、悪魔の曲の旋律を教えてくれ。俺たちも、お前と一緒に危険物を極めて、お前に勝負を挑む。勝負内容は...お前が、俺たちのバンドに入って良かったと言うことだ。言わせれば俺たちの勝ち、おとなしくお前には、俺たちのバンドに入ってもらう。言わなければ、俺たちの負け。俺たちは、今後一切の責任を負う。楽器店のおじさんを俺たちが責任を持って救う。例え、俺たちの命が飛ぼうとも。...でも、それじゃあ勝負的にも不公平だから、俺たちはお前と同じ状態になることを、今ここで約束する...。つまり、お前と同じく危険物の賭け事を背後に背負う。これで文句ないだろ???どうだ、俺たちと賭け事をしないか?...互いに沢山のものを背負った一世一代の大賭けだ。...さぁ、今、答えを決めろ紫翠優。お前自身の答えを...覚悟をな。」
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