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第4章「乙四の開幕と奏也の危機。」
「さぁ、乙四に挑もうか??」
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俺たちは、前日のイベント乱入事件により、大学の事務からしばらくの間、活動禁止という処分が下されていたのだった。
...と言うこともあり、俺たちは優と交わした約束である、乙四の闇を解決するために、優に禁断の曲である乙四のメロディーを教えてもらっていた。
優には、やはり最初は頑なに「やはり危険なので、やめませんか???」と断られてしまったが、俺の大好きだった楽器店のおじさんを救うためにも、乙四の闇を解くことが必要だと話をしたら、今後一切誰にも乙四の存在を教えないことを条件に、最新の注意を払い、乙四を教えてもらった。
最後まで、曲を聴いて思ったが、本当に麻薬のような効果があるのではないのかと思うほどに、実に良く構成された曲であり、聴いている人を虜にしてしまうようなものだった。
月並みの皆には、この曲を聴いてもらう前に、優の過去とこの曲の恐ろしさ...そして、楽器店のおじさんのことについて全てを話したんだ。
そしたら七緒は、目を丸くして驚きが隠せない複雑な表情をしていた。
「...まさか、乙四がそんなに危険な曲だなんて思いもしなかった。...じゃあ、もし俺たちがこの曲を聴いてしまえば、乙四の闇に飲まれてしまうっこと???」
こう言った七緒を、安心させるために優が優しく声を掛けた。
「確かに、乙四は一度聴いてしまうと乙四にとりついている奴が、この曲の餌食になるかどうかを見定めにやってくるんだ。だから、必ずしも皆が皆この曲に......という訳ではないんだ。」
優の説明に、安心したのもつかの間、曲を聴き終えた俺たちの耳には、ある男の声が響いたのだった。
「...俺を呼び出したのは、お前達か???...と思ったら、あれぇ~???...天才的な才能の持ち主である紫翠 優くんじゃないか???なぁに~、もしかして俺の挑戦状を一人では克服できないから、仲間に助けてもらおうっていうこと???ふ~ん、まぁ、いいけどね??優くんも、見ないうちに大分大人になったね~。いや、良いことだよ。君が、乙四の餌食となってくれれば、皆がさぞ喜ぶだろうからね??...さてと...くだらない世間話はこのくらいにしておいて、君たちは初めましてだね~。...それで、君たちはなんで俺を呼び出したのかな???優くんに頼まれて??それとも自主的に???どっちでもいいや。君たちも乙四を知ってしまったのであれば、俺と賭けをしてもらわないといけないね。なぁに、簡単なことだよ???この曲を極めてくれればいいだけだ。ねぇ??優くん、君は僕に戦いを挑んでからというもの、乙四を殆ど弾いていないようだけど??本当に極めるつもりはあるのかい???もし、ないのであれば君は、俺の貴重な時間をもてあそんだことになるんだ。これがどういう意味なのか、頭のいい君なら安易に理解することは可能だろうね??...それで、君達も実に個性があって伸びしろがありそうだね~。よし、君たちも乙四に挑戦する権利をあげるよ。もし、俺との賭けに挑みたくなったら、この曲を弾いてくれれば、その時点から賭けは始まるから。...はぁ、長々としゃべっちゃったよ...。最後に、僕との接触があった証明になる...僕の名前を教えておくね??言っておくけれど、僕の名前は勝負が終わるまで誰にも口外したらいけないからね??もし口外した場合は、問答無用で僕の不戦勝って事になるから、よろしくね??僕の名前は...ディヤマン。忘れないでね...。まぁ、出会ったのも何かの運命だし??気楽にいこうよ。(笑)...じゃあね~~。」
この言葉を最後に、ディヤマンは消えてしまい、俺たちの目の前にはいつもと変わらない練習部屋の姿だけが残った。
さっきのディヤマンの言葉に、七緒は何かに気付いたのか俺たちに話しかけた。
「...さっきあいつが言ってた名前だけど...あれってフランス語でダイヤモンドっていう意味じゃなかったっけ???」
「...えっ!???ダイヤモンド!???なんで七緒フランス語なんて知ってるの???」
「...だって俺...トリリンガルだし...。『何それ!???聞いてない!???』...だって、言ってないもん...面倒臭いし...。」
こう言った七緒に、ショックが大きかったのか、奏也は大きな口を開けて七緒のことをじっと見つめていた。
そんな奏也のことは、仲間皆がスルーして七緒に視線を投げかけた。
「...フランス語ってことは、やつはフランスに元々住んでいたっていうことなのか???」
俺の問いに首をかしげて、難しい表情をしていた七緒は、俺を見つめるとこう返してきた。
「...分からないけど、でもその可能性はゼロでは無いと思うよ??」
「...しかも、ダイヤモンドってことはもしかしたら彼は、生前ダイヤモンドのようにキラキラと輝いて、皆に注目されたかったってことなんじゃないのかな???」
七緒の言葉に今度は、翔真が口を開いた。
翔真の言い分に、その場にいたみんなが納得して、翔真のことを見つめるとコクコクと頷いていた。
「...翔真...。いつになく冴えてるな。もしかしたら、今から雨が降るのか???」
「いや、虎雅さん。雨じゃなくて、嵐が来ますよ!!!」
「もしかしたら、明日...隕石衝突で地球が無くなるんじゃ...『さっきから黙って聞いていれば、虎雅も後輩二人も俺のことなんだと思ってるの???』...えっ...それはもちろん。『幼稚園児!!』...お前ら、いっぺん絞め上げてやろうか????(怒)」
翔真のお怒りモードに、危険を感じた一同は、次の瞬間練習部屋から飛び出し一目散に逃げるのであった。
「...あっ!こら待てや!!!まだ話は終わってないぞ!!!!待てやこら!!!!」
この時俺は思った。
もしかしたら、月並みのメンバーの中で怒らせると一番怖いのって...翔真なんじゃないのかと...。
...と言うこともあり、俺たちは優と交わした約束である、乙四の闇を解決するために、優に禁断の曲である乙四のメロディーを教えてもらっていた。
優には、やはり最初は頑なに「やはり危険なので、やめませんか???」と断られてしまったが、俺の大好きだった楽器店のおじさんを救うためにも、乙四の闇を解くことが必要だと話をしたら、今後一切誰にも乙四の存在を教えないことを条件に、最新の注意を払い、乙四を教えてもらった。
最後まで、曲を聴いて思ったが、本当に麻薬のような効果があるのではないのかと思うほどに、実に良く構成された曲であり、聴いている人を虜にしてしまうようなものだった。
月並みの皆には、この曲を聴いてもらう前に、優の過去とこの曲の恐ろしさ...そして、楽器店のおじさんのことについて全てを話したんだ。
そしたら七緒は、目を丸くして驚きが隠せない複雑な表情をしていた。
「...まさか、乙四がそんなに危険な曲だなんて思いもしなかった。...じゃあ、もし俺たちがこの曲を聴いてしまえば、乙四の闇に飲まれてしまうっこと???」
こう言った七緒を、安心させるために優が優しく声を掛けた。
「確かに、乙四は一度聴いてしまうと乙四にとりついている奴が、この曲の餌食になるかどうかを見定めにやってくるんだ。だから、必ずしも皆が皆この曲に......という訳ではないんだ。」
優の説明に、安心したのもつかの間、曲を聴き終えた俺たちの耳には、ある男の声が響いたのだった。
「...俺を呼び出したのは、お前達か???...と思ったら、あれぇ~???...天才的な才能の持ち主である紫翠 優くんじゃないか???なぁに~、もしかして俺の挑戦状を一人では克服できないから、仲間に助けてもらおうっていうこと???ふ~ん、まぁ、いいけどね??優くんも、見ないうちに大分大人になったね~。いや、良いことだよ。君が、乙四の餌食となってくれれば、皆がさぞ喜ぶだろうからね??...さてと...くだらない世間話はこのくらいにしておいて、君たちは初めましてだね~。...それで、君たちはなんで俺を呼び出したのかな???優くんに頼まれて??それとも自主的に???どっちでもいいや。君たちも乙四を知ってしまったのであれば、俺と賭けをしてもらわないといけないね。なぁに、簡単なことだよ???この曲を極めてくれればいいだけだ。ねぇ??優くん、君は僕に戦いを挑んでからというもの、乙四を殆ど弾いていないようだけど??本当に極めるつもりはあるのかい???もし、ないのであれば君は、俺の貴重な時間をもてあそんだことになるんだ。これがどういう意味なのか、頭のいい君なら安易に理解することは可能だろうね??...それで、君達も実に個性があって伸びしろがありそうだね~。よし、君たちも乙四に挑戦する権利をあげるよ。もし、俺との賭けに挑みたくなったら、この曲を弾いてくれれば、その時点から賭けは始まるから。...はぁ、長々としゃべっちゃったよ...。最後に、僕との接触があった証明になる...僕の名前を教えておくね??言っておくけれど、僕の名前は勝負が終わるまで誰にも口外したらいけないからね??もし口外した場合は、問答無用で僕の不戦勝って事になるから、よろしくね??僕の名前は...ディヤマン。忘れないでね...。まぁ、出会ったのも何かの運命だし??気楽にいこうよ。(笑)...じゃあね~~。」
この言葉を最後に、ディヤマンは消えてしまい、俺たちの目の前にはいつもと変わらない練習部屋の姿だけが残った。
さっきのディヤマンの言葉に、七緒は何かに気付いたのか俺たちに話しかけた。
「...さっきあいつが言ってた名前だけど...あれってフランス語でダイヤモンドっていう意味じゃなかったっけ???」
「...えっ!???ダイヤモンド!???なんで七緒フランス語なんて知ってるの???」
「...だって俺...トリリンガルだし...。『何それ!???聞いてない!???』...だって、言ってないもん...面倒臭いし...。」
こう言った七緒に、ショックが大きかったのか、奏也は大きな口を開けて七緒のことをじっと見つめていた。
そんな奏也のことは、仲間皆がスルーして七緒に視線を投げかけた。
「...フランス語ってことは、やつはフランスに元々住んでいたっていうことなのか???」
俺の問いに首をかしげて、難しい表情をしていた七緒は、俺を見つめるとこう返してきた。
「...分からないけど、でもその可能性はゼロでは無いと思うよ??」
「...しかも、ダイヤモンドってことはもしかしたら彼は、生前ダイヤモンドのようにキラキラと輝いて、皆に注目されたかったってことなんじゃないのかな???」
七緒の言葉に今度は、翔真が口を開いた。
翔真の言い分に、その場にいたみんなが納得して、翔真のことを見つめるとコクコクと頷いていた。
「...翔真...。いつになく冴えてるな。もしかしたら、今から雨が降るのか???」
「いや、虎雅さん。雨じゃなくて、嵐が来ますよ!!!」
「もしかしたら、明日...隕石衝突で地球が無くなるんじゃ...『さっきから黙って聞いていれば、虎雅も後輩二人も俺のことなんだと思ってるの???』...えっ...それはもちろん。『幼稚園児!!』...お前ら、いっぺん絞め上げてやろうか????(怒)」
翔真のお怒りモードに、危険を感じた一同は、次の瞬間練習部屋から飛び出し一目散に逃げるのであった。
「...あっ!こら待てや!!!まだ話は終わってないぞ!!!!待てやこら!!!!」
この時俺は思った。
もしかしたら、月並みのメンバーの中で怒らせると一番怖いのって...翔真なんじゃないのかと...。
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