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第7章「紫翠との熾烈な戦い。」
「悪魔の曲とマスターの狙い。」
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俺が部下に頼んで、悪魔の曲について調べてもらった結果...。
「もしもし、俺だ。何分かったか??」
「はい、最近悪魔の曲が、ちまたで有名になっているそうなんですけど...どうやら、その悪魔の曲をばらまいている奴がいるらしくて...。」
「悪魔の曲をばらまく???...それはいったいどういう事だ。だって、悪魔の曲は法に触れるものなんだろう???そんなものが、表で販売されてみろ。サツにたちまち御用になっちまうじゃねぇか!!」
「それが、その...そのはずなんですけど...。」
部下の困った声色に俺は、これ以上優秀な部下を困らせてはいけないと思い、明るい口調でこう言い、電話を切ったのだった。
「...ごめんな、少し興奮しすぎた。...ありがとう、あとは俺でもう少し調べてみるから、お前は少し休暇を取るといい。それと...今週行われる祭りには、絶対に出るな。これは、おまえだけに限ったことじゃない。部下全員だ。いいか??もっといえば監視する奴は、不要ってことだ。更にお前達が賢けりゃ、この国を離れろ...。わかったな??」
「......えっ...いや...それは、一体...!!!」
部下が何かを言おうとしていたが、俺は構わずに電話を切った。
流石に一分近く話していると、履歴から足が着いちまったりするからな。
そんなこんなで、俺は電話を受話器に戻すと、公衆電話から出て、レミホラントのある通りへと足を進めるのだった。
もしも、これを企んでいるのが奴じゃないのだとしたら...俺たち以外にも、紫翠を殺そうと企んでいる奴がいるって事になる。
もしそうなら、紫翠は...単純にはめられただけなのかもしれない。
深く読みを立てた俺は、紫翠に会いに行くために、奴が出没すると噂のレミホラントへと足を進めた。
「ここが、レミホラントか。う~ん、思ったよりも、なんだか普通な感じだな。もっと、こうなんか、隠れ家的なあれかと思っていたけど...拍子抜けしちゃったよ....。」
俺は、こんなことを一人でぼそぼそと言いながら、目の前にある至って普通のBarへと足を踏み入れたのだった。
店の中は思った以上に広くて、中には大きなグランドピアノが一つ置いてあり、店にはまばらにお客さんが入っている。
そこそこ繁盛しているようだな。
俺は店の店主に怪しまれないように、一人酒を嗜(たしな)みに来た客の振りをして、適当なお酒を頼んだ。
噂では、この店の店主が例の乙四奏者だって聞いたんだが...何というのか、どこにもそんな雰囲気がない。
いやさぁ、だって、よく言うだろ??
ピアノを弾く人は、手を大切にするから、あんまり手荒れとかしないって...。
でも、今目の前にいるのが店主なのだとしたら、100パーセントこのネタは、ガセであると言い切れる自信があった。
なぜなら、店主の手のひらは真っ赤になってて、痛々しい程の赤切れまみれだったのだから。
俺は、適度にお酒をあおりながら、店主にばれないよう店主の動向や、店の雰囲気に目を光らせていた。
暫く居座ったが、一向に紫翠が現れる気配はなく、そろそろ酒の酔いが回ってきそうな頃合いになったため、仕方なく俺は店主にお金を払い、外に出る事にした。
「マスター、チェックで...あっ、釣りはチップだから、受け取ってくれ。」
「はい、旦那。ありがとうございます。素敵な夜を。」
「ははっ、ありがとう。また来るよ。(笑)(おい、待てぇ!!俺は、まだ旦那と呼ばれる歳じゃねぇよ。まぁ、マスターに悪気はないようだけどさぁ...。ちょっと傷つくなぁ。)」
マスターの言葉にちょっとガッカリしていた、この時の俺はまだ知らなかった。
奴の本当の狙いを...。
「長居したなぁ...。うっ、ちょっと飲み過ぎたか???気持ち悪っ...仕方ない。一回小屋に戻るか...。」
「もしもし、俺だ。何分かったか??」
「はい、最近悪魔の曲が、ちまたで有名になっているそうなんですけど...どうやら、その悪魔の曲をばらまいている奴がいるらしくて...。」
「悪魔の曲をばらまく???...それはいったいどういう事だ。だって、悪魔の曲は法に触れるものなんだろう???そんなものが、表で販売されてみろ。サツにたちまち御用になっちまうじゃねぇか!!」
「それが、その...そのはずなんですけど...。」
部下の困った声色に俺は、これ以上優秀な部下を困らせてはいけないと思い、明るい口調でこう言い、電話を切ったのだった。
「...ごめんな、少し興奮しすぎた。...ありがとう、あとは俺でもう少し調べてみるから、お前は少し休暇を取るといい。それと...今週行われる祭りには、絶対に出るな。これは、おまえだけに限ったことじゃない。部下全員だ。いいか??もっといえば監視する奴は、不要ってことだ。更にお前達が賢けりゃ、この国を離れろ...。わかったな??」
「......えっ...いや...それは、一体...!!!」
部下が何かを言おうとしていたが、俺は構わずに電話を切った。
流石に一分近く話していると、履歴から足が着いちまったりするからな。
そんなこんなで、俺は電話を受話器に戻すと、公衆電話から出て、レミホラントのある通りへと足を進めるのだった。
もしも、これを企んでいるのが奴じゃないのだとしたら...俺たち以外にも、紫翠を殺そうと企んでいる奴がいるって事になる。
もしそうなら、紫翠は...単純にはめられただけなのかもしれない。
深く読みを立てた俺は、紫翠に会いに行くために、奴が出没すると噂のレミホラントへと足を進めた。
「ここが、レミホラントか。う~ん、思ったよりも、なんだか普通な感じだな。もっと、こうなんか、隠れ家的なあれかと思っていたけど...拍子抜けしちゃったよ....。」
俺は、こんなことを一人でぼそぼそと言いながら、目の前にある至って普通のBarへと足を踏み入れたのだった。
店の中は思った以上に広くて、中には大きなグランドピアノが一つ置いてあり、店にはまばらにお客さんが入っている。
そこそこ繁盛しているようだな。
俺は店の店主に怪しまれないように、一人酒を嗜(たしな)みに来た客の振りをして、適当なお酒を頼んだ。
噂では、この店の店主が例の乙四奏者だって聞いたんだが...何というのか、どこにもそんな雰囲気がない。
いやさぁ、だって、よく言うだろ??
ピアノを弾く人は、手を大切にするから、あんまり手荒れとかしないって...。
でも、今目の前にいるのが店主なのだとしたら、100パーセントこのネタは、ガセであると言い切れる自信があった。
なぜなら、店主の手のひらは真っ赤になってて、痛々しい程の赤切れまみれだったのだから。
俺は、適度にお酒をあおりながら、店主にばれないよう店主の動向や、店の雰囲気に目を光らせていた。
暫く居座ったが、一向に紫翠が現れる気配はなく、そろそろ酒の酔いが回ってきそうな頃合いになったため、仕方なく俺は店主にお金を払い、外に出る事にした。
「マスター、チェックで...あっ、釣りはチップだから、受け取ってくれ。」
「はい、旦那。ありがとうございます。素敵な夜を。」
「ははっ、ありがとう。また来るよ。(笑)(おい、待てぇ!!俺は、まだ旦那と呼ばれる歳じゃねぇよ。まぁ、マスターに悪気はないようだけどさぁ...。ちょっと傷つくなぁ。)」
マスターの言葉にちょっとガッカリしていた、この時の俺はまだ知らなかった。
奴の本当の狙いを...。
「長居したなぁ...。うっ、ちょっと飲み過ぎたか???気持ち悪っ...仕方ない。一回小屋に戻るか...。」
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